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フルタイム女装への道、歩み始めました

2020/4/14(火)晴れ

1回目なのでとても長いです。ただ事情を説明しておかないといけないと思いました。明日からはこんなに長くないです。

さて念願が叶いそうなんです。五分五分ぐらいの感じなんですが。それで日記を始めることにしました。

叶えば嬉しいんだけど、叶わないかもしれません。ですが、どちらに転んでもこの顛末を記録しておくことは、私の人生にとって貴重なことだと思いました。

そして同じような悩みを抱える方々にも、何か参考になるかもしれません。

ま、それ以上に興味本位に読んでいただいても面白いかなと思います。

とにかく私は書きたいのです。この顚末を。

さて念願とは何かってことですよね。はい、書きます。

私は今年57歳になる初老の男性です。ただ生物学的には男性なのですが、自分のことを女性と思っています。そして還暦を目標に、女性としての人生を歩み始めたいと思っています。

ただそれは極めて精神的な部分でのことで、肉体を女性化したいわけではないのです。お仕事に関しては男性のままでもいいかと思っているのですが(それでもできるだけ女性としてお仕事ができるようにしたいとは考えています)、それ以外のプライベートな時間は、女性の格好で、女性らしく過ごしたいと考えているのです。これが念願です。

この「女性らしく」の部分は様々な議論があろうかと思います。私自身、男女平等主義者でもありますので、「女性らしく」ということ自体、自己矛盾をはらんでいます。

なので長年葛藤してきたのですが、肉体的な性とは無関係に選べるものとしての男性らしさ/女性らしさというものがあるのではと、今は漠然と考えています。その意味での「女性らしさ」を私は選びたいと思うのです(まだ曖昧ではありますが、これ以上踏み込むと長くなりすぎるので今回は割愛させてください)。 

私は、元々は単なる女装趣味者でした。12歳からの趣味なので、かれこれ45年目になろうとしています。

今では日常的に女装するようになりました。ただし「的」でありまして、100%ではありません。

私はフリーランスライターなので、お客様との打ち合わせ以外は自宅でお仕事をしています。妻がおりますが、子供はいません。ネコを飼っています。

私の通常の1日はこんな感じです。

まず目覚めますと、顔を洗い、うがいをして、ストレッチをします。そしてショーツはそのままでお揃いのブラジャーを着け、キャミソールを着、パンストを穿き、レディースのトップスとジーンズを着ます。

妻は会社員なので、8時前ぐらいになると会社へと出掛けます(先週からはこの御時世なので、週4日は在宅勤務となりました)。

私は妻の出勤を見届けてから、ジーンズを脱いでスカートに穿き替えます。そしてもう一度顔を洗い、ヒゲを始末し、眉毛を描いて、口紅を引き、つけまつげをして、ウィッグをかぶります。ほぼすっぴんですが、それなりに女性っぽくはなります。

10時になると近所のスーパーが開きますので買い物に出かけます。このときはいったんウィッグを外して、ツケマ、口紅、アイブロウを落として、ジーンズに穿き替え、ジャケット類をまとって出かけます。

そして帰宅すると、もう一度洗顔して、スカートに穿き替え、今度はファンデを塗り、チークをはたき、アイシャドーをして、眉を描き、口紅を引いて、ツケマをします。要するに朝よりも多少きちっとしたお化粧をするのです。その後、もちろんウィッグをかぶります。

あとは妻からLINEで帰宅連絡が入るまでこの格好です。昼過ぎになると買い物もこの格好なので、本当は朝からちゃんとメイクしてもいいのですが、まあ今のところ慣習的にこうなっています。

帰宅連絡が入ると、お風呂に入って、メイクを落とし、部屋着に着替えます。部屋着もレディースなのですが、まあメイクをしない分、女装ではないという認識です(変な認識w)。

これは妻が出勤している平日のことで、土日は下着や部屋着はレディースですがメイクもウィッグもしないということにしていました。

というのは妻が自分の前ではできるだけ女装するなと言うからです。

ちなみに妻には女装することについては、結婚前にカミングアウトしています。なので下着や洋服を隠す必要はありません。ただ日常的に女装するのは嫌だと言うことなのです。

私の念願を叶えるためには、つまり妻が最大の障壁なわけです。逆にいえば、妻さえ攻略できれば、大きな問題はありません。

離婚すればいいという人もおられるでしょう。ですが私は離婚したくはありません。なぜならこの女装の問題を除けば、これ以上相性のいい人はいないからです。本当、この問題だけなんです。

もちろん女装の問題は私の中ではもっとも重要な問題です。だから最終的には離婚を選ぶかもしれません。ですが今のところはどっちも手放したくないのです。

妻を攻略するためには、まず外堀を埋める必要があります。このところ、私はカミングアウトの範囲を大きく拡げ始めました。今までは受け入れてもらえなくても、この人とはプライベートでお付き合いしたいと思う人が何人かいました。ところが今はもう受け入れてもらえないなら、今後お付き合いが無くなってもいいやと思うようになりました。

ということでかなり積極的にカミングアウトしています。今のところは受け入れられなかったことはありません。

でもそのうち受け入れてくれない人も出てくるでしょう。それを怖れなくなりました。まず妻以外の人間関係をきっちりと整理しようと思っています。

とにかく還暦に向けて、現在いろいろな動きをしています。

土日に妻がいるときにもちょっとずつ小出しに女装姿を見せるようになりました。徐々に馴らしていこうという作戦です。

ところが先週から妻の在宅勤務が始まってしまいました。平日でも週4日は自宅で仕事をしています。

土日はまだしも、平日のルーチンを壊すのは私にはもはやムリでした。女装しないと仕事も捗らないのです。

妻は仕事中は部屋に引きこもっています。しかし昼食と夕食は一緒に食べます。用意するのは私です。洗濯なども私の仕事です。私は主婦であることが幸せだからそれでいいのです。妻も喜んでくれているので二重に満足です。

さて仕事中は部屋にいるので顔を合わさないとはいえ、私が基本的に1日中女装をしているという現実に妻は向き合ってしまわざるを得なくなりました。

この週末も、土曜日は「男装」しました。ですが日曜日は朝から女装してしまいました。妻はちょっと不服そうだと感じました。

土日は昼から夫婦で飲みながら、録画したドラマやバラエティ番組を見るのが定番となっています。

日曜日の夕方でした。いつもより少し多めにお酒を飲んだ妻が、突然散歩に行こうと言い出しました。家にいるとむちゃくしゃするからと言うのです。

外出自粛ですが、まあ人通りの少ないところを歩く分にはいいかなと思いました。ただ私は着替えるのは面倒だと思いました。「この格好のままでいいの?」と聞くと、「私は今さらSちゃん(私の本名です)が女装しているのを人様に見られるのなんてどうでもいいの。だからいいよ、そのカッコで」と言います。

それではと出かけたのですが、外に出てすぐ「Sちゃんがずっと女装で暮らしたいのなら、やっぱり離婚するしかないね」と言い始めたのです。

その後、「Sちゃんの女装、似合ってないよ。私にはムリ」などかなり落ち込むことを言われました。ちなみによその人は、そんなことは言いません。板についていると言ってくださる人さえいます。ですが身内の目というのはそういうものだということも分かっています。

そのうち、「ご両親や弟にカミングアウトするなら、考えなくもないよ」と言い始めました。それに対しては「うん、するつもりだよ」と言いました。これは本当にそのつもりだったのです。

その後、妻が泣き始めたので、「おうちに帰ろう」と言い、泣きじゃくる妻を支えながら帰宅しました。同じマンションの人とエントランスですれ違いましたが、私はもはやそんなことは平気で、普通に挨拶しました。

帰宅すると妻はソファーに寝そべりながら、相変わらず泣きじゃくっています。そのままにしておくことにしました。

私と言えば、かなり落ち込みました。その晩だけでなく、翌日も10時過ぎぐらいまで何もできませんでした。そのぐらいになってようやく元気が出てきたので、昼食を用意しました。そして妻のLINEには「昼食は先に食べるけど、夜は一緒に食べるつもり」と送っておいたのです。

午後も仕事をする気にはならず、読書などしながらダラダラ過ごしました。

そして迎えた夕方。

妻の機嫌は直っていました。そしてこう言ってくれたのです。

「昨日散歩のときに言ったことは、先走り過ぎたと思う。コロナの件と慣れない在宅勤務でストレスが溜まっていた。その上、Sちゃんの女装姿を毎日見ることになったので爆発してしまったの。もっと長い目で考える。Sちゃんの女装にも慣れられればいいと思っている」

妻は何とか頑張ってくれると言ってくれたのです。慣れるのはやっぱりムリで離婚という結論になるかもしれません。ですが昨日の「私にはムリ」と比べると希望が見えたと言っていいと思うのです。

その翌日、つまり今日、私は朝から女装して仕事をし、家事もしました。これからどうなるのか、分かりません。

ですが一筋の希望があるのなら、それに向かって進むしかありません。少なくとも残りの人生、私は自分を偽るつもりはありません。

元々還暦からは第二の人生だという発想からのことだったのですが、新型コロナ禍でさらにその気持ちが強化されました。だって人間いつ死ぬか分からないんですもの。だからできる限りの時間を女性として暮らしたいのです。

ああ。本当にどうなるのでしょう。女装以外だって心配なことはたくさんあります。新型コロナ禍で収入だって減っていますし。

でも頑張ります。死ぬときに精一杯自分の人生を生きたと言えるように。

自分のしたいことと向き合うことで、わたしはしあわせになれたと思っています。わたしの生き方を知って、ちょっとでも癒やされる人がいればいいなあという気持ちで書いています。スキやフォローは本当に励みになりますので、よろしくお願いいたします。