覚書。映画、贅沢な時間

5連休、鈍い頭痛の中で過ごす。
好きなことをして過ごしながら、何か心に残ることをしようと、ネットで映画やドラマを観たり、趣味の手芸をしたり、本を読んだり、詩を書いたり。あと、資格のためにレポートも書いた。
映画は2本。1作目は、真夜中に観た『曖・昧・me』裕木奈江さんの初主演作品。内容的に共感できる部分は少ないが、主人公の少女のやるせない無気力感は何となくわかる。

そして、裕木奈江さんが可愛くて、奈江さんを観るための映画なんだなと感じた。べたべたしているのにはかなく溶けてしまう綿飴のような後味はあるが、全体的に暗い感じはなかった。また、江藤潤さん(援交するおじさんの役だけど)。江藤さんが主演している映画で『祭りの準備』は、私が今まで観てきた映画の中で忘れられない、心を揺さぶられた衝撃の映画の一つである。私の人生の中で意味のある映画といった感じである。
 もう一作は、『人間失格 太宰治と3人の女たち』。真剣に観てしまうと、毒になる恐れがあるので、刺し子をしながら。

 とにかく映像が美しくて気に入った。太宰治の「どうしようもなさ」はそんなに出ていないような気はした。そんなことよりも、映画は、映像や台詞、音楽が美しければ良いと思っている。2時間に凝縮された美であるから。太宰治の文は活字または朗読で味わえる。それを監督の感性で装飾し、芸術的な作品として仕上がっていれば良い。
 昔のように、登場する女性たちがうらやましいといった感情はもうないなぁ。『斜陽』や『女生徒』『富嶽百景』などが好きではあるが、どうしても太宰文学は、若い頃に読む文学と思ってしまい、今読み返すのは、のめりこみたいようなのめりこみたくないような、今更といった感じになってしまう。

 高良健吾さんが三島由紀夫に扮して登場したシーンで、太宰治に向って放った台詞に気持ちがスカッとした自分がいる。嫌いではないけれど、自分の中で太宰文学に寄り添いすぎてしまうと危険であり、府に落ちないような感情が生じるようなそんな感覚があって。
三島由紀夫の文に惹かれるのは、身の危険までには及ばないから。今は、その場面が自分の気持ちに近いかな。

 これから先、自分にとって必要な映画、文学を選んで味わっていくことは容易ではないけれど、偶然出逢ったものというのは、自分の人生にとって必要なものなのかもしれない。

 これは観よう、これは読もうと思っている作品はまだまだたくさんある。
 ただ偶然出逢ったものも大切に受け入れ、贅沢な時間を楽しむこともこれからのテーマかな。

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