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みんなの広場ってなんだろう?

こんにちは。みよたの広場の運営メンバーの渡辺敦子です。
先日、広場の運営を外に開く「友の会」の募集を開始しました。そもそもどうして運営を外に開くのか、その辺りを私の理解で書いてみたいと思います。

みよたの広場は本当に「ただの広場」で、「大切にしていること」という言葉はありますが、関わる人それぞれにとっての広場の意味とか価値が、さまざまな形で存在しています。このnoteも、運営チームの面々がそれぞれの言葉で綴っていきます。

”誰のものでもない”、”みんなの”広場という場所

みよたの広場について説明するとき、ウェブサイトでも最初に、”完成しない、みんなの広場”と書かれています。特定の誰かのものではない、”みんなの”もの。かかわる人たちでつくり続け、改善しながら使っていくその広場を、”みんなで”運営するために作ったのが「友の会」です。

いま日本に暮らす私たちの大多数は、生まれた時からすっかり成熟した資本主義の文化の中で暮らしていて、土地も誰かの所有地であることがほとんどなので、”誰のものでもない”とか、”みんなのもの”と言われても、それってどういうこと?そこではどう振る舞ったらよいの?と思われるかもしれません。

例えば、公園は、誰でも利用して良いけれど、自治体だったり、どこかの団体が所有し、運営していたりします。
そこで、誰のものでもなさそうな、自然を想像してみましょう。
日本では、森林は公有だったり私有だったりしますが、海は誰のものでもありません。広い海を前にした時、ここは誰かの場所だから遊んじゃいけない、ということはないですよね。漁業権との兼ね合いはあるかもしれませんが、浜辺で波と戯れたり、子供を遊ばせたりすることにためらうことはないと思います。そしてそこには、ゴミを拾ったり、環境を守っていくちょっとした責任感も感じるかと思います。

ところ変わって、豊かな森林が広がる北欧では、”自然環境享受権”という権利があって、すべての人に対して、自然環境の享受のために他人の土地へ立ち入ることが認められているそうです。国によって法律に多少の差がありますが、自然環境そのものに損害を与えない限り、誰でもどこでも、森の中を散歩することや湖で遊ぶこと、生育する果樹や木の実を採ることもできたりします。

ここ、浅間山の麓にある御代田町に話を戻します。
私はみよたの広場が、海のような、北欧でいうところの森のような、誰でも自由に出入りできて、それぞれが好きに環境を楽しめる場所、そしてお互いにそれを認め合い、守り合う場所であって欲しいと思います。(そのうち本当に広場の木々が大きく育って、文字通りの森となって人々を包んでくれたら良いなとも思っています。)
環境を守る範囲内で、広場の草花は摘んで良いし、実は食べて良い。デッキに寝転んでも、ピクニックしても良いし、本を読んでも良い。楽器を演奏しても良いし、焚き火もバーベキューもできる。誰のものでもない、みんなのもの、として場が開かれているからです。


広場をきっかけに

”完成されていない”余白だらけの広場では、個々人で時間を楽しむとともに、まだ知らない誰かと知り合える可能性も大いにあります。定期的なイベントもありますが、この広場をおもしろいと思ったり、何か共通点のある人との出会いが生まれる日常があるように思います。

平日の放課後、子どもたちが遊びにきます。学年を越え、学校を超えて、広場で会える友達ができてきています。同時に、子どもを連れてくる親たちも出会い合い、お茶を飲みながら、話をしながら過ごしていたりします。
定期的に、未満児の子どもたちと親たちが集まる時間もできました。子どもが小さなうちは、親が子育てをひとりで抱えがち。同世代の子どもがいる親同士、子同士が一緒に過ごせることで、助け合ったり息抜きができたりします。ちょっと手を離れた子どものいるお母さんが、小さな赤ちゃんを抱っこしたり、子育ての話を聞いたりもします。そこから、子どもたちのおもちゃや衣服の交換会がひらかれるのも自然なことです。

そのうち、広場に来た人々が出会いをかさねるうちに、待ち合わせしたりするようになるかもしれません。どこかへ出かけたり、共通の趣味を見出して一緒に活動したりして、幾つものサークル的なものができるかもしれません。

みよたの広場のオンライン版?

そんな活動を後押ししてくれる装置として、導入されたのが「discord」という、オンライン上にコミュニティをつくることが得意なアプリケーションです。聞き慣れない名前と思われますが、スマートフォンがあれば誰でも入れて、やり取りを見ること、参加することができます。これによって、物理的に広場に来れなくても、広場がどんな様子なのか知ることができます。


この”オンライン版”みよたの広場には、町の掲示板のような性質もあります。広場を介してモノが循環する”あげます&欲しいです”情報があったり、地域のおすすめのお店情報があったり。地域のイベント情報は、地域活動への入り口になりますし、新しくこの地域に移住してきた人と、前から暮らす人との接点となるかもしれません。


”リアル”広場でも、”オンライン版”の広場ででも、やりとりが活発になっていけば、それぞれの関係性の広がりとともに、活動のフィールドも広場の外に飛び出していくことでしょう。

先日は、梅の実をいただきに東御へ出かけました。収穫して戻ってきてから、広場でジュースを仕込みました。小さな子たちも手伝ってくれました。できあがったらみんなで楽しみます。
今は広場で薪を割っていますが、軽トラも薪割り機も広場の”コモンズ”として導入されました。(コモンズについてはこちらの記事をご参照ください)薪割り隊はそのうち、山で困り事になっている倒木を取りに行ったりするようになるかもしれません。

広場をきっかけとして、周辺の人や自然といった身の回りの環境とともに、個々人の暮らしがよりその人らしく、自由で豊かなものになったら嬉しいです。その真ん中にある”私たちの”広場を、これからも大切に維持し、運営していきたいと思います。興味を持たれた方、ぜひ友の会の募集も覗いてみてください。


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