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三たび、御代田町の基金のお話

過去2回、

町の貯金「財政調整基金」の話https://note.com/miyotamayor/n/n45cb12068950

財政調整基金はいくらが適切?https://note.com/miyotamayor/n/na7f386c2b6bf

の二つをお届けしてきました。自治体財政の講義みたいになっていますが(笑)、もう一回、基金の話をしたいと思います。

町の貯金=財政調整基金、と言ってきましたが、実際にはほかにもいろいろあります。手元に一覧表があるので、令和元年度末の金額とともに、まとめて書いてみます。

(1)一般会計財政調整基金 26億8820万円 町の基金全体の半分弱はこれが占めています。特に色がついていない基金です。

(2)減債基金 3億4128万9千円 町の借金(町債)を返済するための貯金です。貯金があるなら早く返せばいいに(信州弁)、と思うかもしれません。実際に減債基金を原資に繰り上げ償還することもありますが、インフラなど長期間利用できる資産については次世代も恩恵を受けるため、長期間かけて返済するほうがいいという考え方もあります。

(3)ふるさと創生基金 1億1936万4380円 これ、40代以上には懐かしいと思うのですが、もとは竹下登総理(当時)のころ、すべての自治体に1億円ずつ配った「ふるさと創生事業」のお金を積んでおくのに使っていた基金です。今は、ふるさと納税でいただいた寄付金も合わせて貯めてあります。なお、寄付金を機動的に使うため、昨年、ふるさと納税寄付金をこの基金に一度貯めなくてはならないという制限をなくしました。ふるさと創生事業から優に30年を過ぎましたので、有効な使い道を考えて圧縮するのが筋だろうと思っています。

(4)教育施設整備基金 1億7279万円 小学校、中学校の建設には多額の費用が掛かり、単年度予算で建設するのは相当困難なので、この基金に貯めていきます。

(5)地域振興基金 1億7202万円 合併自治体によくある名称の基金ですが、御代田町は平成の大合併でも自立を選んだ町です。特に色がついた基金でもないようなので、ほとんど財政調整基金のように使うことができるかなと思っています。

(6)下水道建設基金 1億3047万7千円 その名の通りです。御代田町は下水道が整備されています。

(7)公園施設等整備基金 1905万円 「みよたんクエスト」で公園遊具への寄付もありましたので、ここにのっければいいかなあと思っています。

(8)役場庁舎整備基金 2億9296万1千円 役場庁舎は平成30年5月に稼働開始しましたので、一旦ほとんど役割を終えていますが、今後、一部は役場の電気自動車用急速充電施設のための費用に充てる予定です。

(9)面替区地域振興基金 6830万2967円 昨年12月に本格稼働した「佐久平クリーンセンター」の影響を受けるのが面替区であり、地域で使っていただくための基金です。

(10)滞在型農園施設基金 581万7005円 面替区にあるクラインガルテンの修繕等のための基金です。

(11)土地開発基金 1億9427万4195円 町には工業団地の整備などを進める「土地開発公社」があり、そのための基金です。

(12)収入印紙等調達基金 50万円 収入印紙売りさばきのため、印紙の購入の原資とする基金です。なかなか細かいです。

(13)小沼地区財産管理財政調整基金 1518万円 町の北部地域(旧小沼村)の共有財産である土地を管理する財産管理委員会が持つ財調です。現在ほとんど収入がないため、年間300万円ほど取り崩しており、あと4年ほどで尽きてしまう予定です。

(14)御代田財産区財政調整基金 1億1585万5千円 町の中央地域(旧御代田村)の共有財産である御代田財産区の財調です。こちらの財産区はそれなりに土地の賃貸料などがありますが、関係区が多いこともあり、こちらも年間900万円ずつ取り崩しています。

(15)水道事業基金 7億6703万1千円 水道事業も管路更新など将来に多額の費用が予想されるため、積み立てが必要です。

(16)国民健康保険支払準備基金 3億円 国保は現在、県に移行していますが、料率等は市町村ごとに異なっており、市町村ごとに特別会計を持っている状況です。新年度から、固定資産税の額に応じて賦課する「資産割」を段階的に下げ令和9年度に廃止する計画ですので、最後のあたりではこの基金を少し取り崩すことにしています。

(17)介護保険基金 8485万3千円 一時期、御代田町の介護保険料が高かった時期に出てしまった余剰金を貯めてあります。結果的にとりすぎていたわけですから、早めにお戻しするためにこの基金は計画的に取り崩すのが筋だろうと思います。

(18)森林経営管理基金 169万円 令和元年度から先行交付している森林環境譲与税を積み立てておく基金です。この数字は令和元年度末の数値なので初年度分のみです。

御代田町の基金は以上18種類。合計54億8965万4547円です。

ふるさと納税のお金はふるさと創生基金に積んであることは既に述べました。昨年9月に始めた、ふるさと納税の使途をあらかじめ公開する「みよたんクエスト」によって寄付金の用途は既に決まっております。遅くとも令和3年度での予算消化が筋ではありますが、公園遊具の修繕など少し先になりそうな取り組みに関しては、後々分からなくならないように基金に説明を添付しておくか、既存の基金があればそちらに移しておくかしなくてはならないかなと思っています。

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