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アイドルとして幸せであるために

そういえば、BTSのテヒョン先輩が昨年末に発表されたドキュメンタリーの中で話していた

コロナで世界中が息を止めて身動きできなくなった時のこと、『あれほど嫌いだった空港にも行きたい』と

彼らにとっての『空港』はそれくらい象徴として存在するものなんだ

世界中で迎えられるアイドルの、人気が上がれば上がるほど増す熱狂は、それもまた象徴でもある

同じくこのドキュメンタリーの中でのパンさんの言葉
彼らが上り詰める最初のステップに足を踏み入れたデビューして4年目のこと

明らかに疲れ果てていたメンバーを前にしてパンさんが言った、来年自分がやりたいのは「君たちが幸せになる方法を見つける事」なんだと

「どんなスーパースターも幸せになれていない
多くのスターが最終的にうつ病や対人恐怖症になっている
幸せのために始めた音楽が君たちを不幸にするかと、とても心配だ
ある時点を超えたら、アーティストにも人間的な自由が必要だ」

それはENHYPEN がI-LANDから最終的にデビューメンバーに選ばれた時にメンバーを前にしてパンさんが話していたのと同じ
「人として幸せでなければならない」という事

BTSの軌跡をこのドキュメンタリーで見て思ったのは、いちばん彼らが苦しんでいた4年目をENHYPENも迎えているということ

ファンの見えないところで、メンバーだけで共有する苦しみや悩みはきっとあると思う
どんなに明るい顔を見せていても、それが全てではないということ

だからFATE PLUSの最終日に泣き崩れたソンフンの心を開放する場所がステージの上だったということは、少なくともエンジンにとってはお互いに思いを伝えあえるのがその場所であり、心を共有できたという事の証明でもあると思った

ジェイクがカバー曲を発表するにあたり、自身が今まで表に出してこなかった暗い部分を知ってもらってもいいと思えるタイミングが来たからの選曲※だったというのも、もしかしたら、メンバーだけの中でいくつかの心の葛藤を越えてのものなのではないかと思った

ここでまたBTS先輩の話を用いるなら、人気が出れば出るほど強いプレッシャーに恐怖を感じ重圧に負けそうになったり、たくさんの賞賛よりもごく一部の悪意のある批判に囚われて押しつぶされそうになったりしてきた

それでも、全て自分で選んで決めてきたから納得できると

アイドルとして人生を送る中で、立ちはだかるのはそういう外部から受ける圧力と自身との戦いだ

ENHYPEN の歩みが全て尊敬するBTS先輩のそれと同じという訳ではないし、逆に先輩が歩いてきて困難だった部分はマネジメント側の工夫で解消できることもあるはず

そのスタートはサバイバル番組であり、ある程度のストーリーが予定されていたとしても、何もかもが運営の思うとおり進んでいくものではない

自分たちのストーリーを作品の中に落とし込む
最初から変化球でスタートしたENHYPEN
その歩みは恵まれていたか
そうとも思えるし、そうでないとも思える
大きい会社に守られているとも言えるけど、大きければ大きいほど、携わる人の数はひとりの少年の人生を思えばあまりにも多く、それは重圧に他ならない

ただ幸せでいてほしい
音楽を通じて世界と繋がって、たくさんの幸せと繋がってほしい
それだけを祈ってる

※‘I Don't Think I'm Okay’は米国のシンガーソングライターBazziが2020年に発表した曲で、何一つ確信できない時代を生きていく今の若い世代に向けたメッセージを込めた

BTSドキュメンタリー詳細はこちら
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