パルマ劇場歌手への道(21)~スタートライン~

※この文章は2006年10月にブログ記事にしたものを編集し直したものです。100円と表記されるかもしれませんが、無料ですべて読める「投げ銭スタイル」ですので、お気軽にご覧ください。


「オーディション当日」


前日に、戦闘態勢に入った私は、興奮状態が覚めやらず、

翌日午前中にオーディションだというのに、なかなか寝付けません。


辞書を取り出し、歌詞の意味を再確認したり、

細かい言葉のところを何度も暗唱したり、

眠りについたのは午前3時頃だったでしょうか。


そして、目覚ましは7時30分にセットしてあったにもかかわらず、

その役目を果たすことなく電源を切られ、

起床したのは午前7時。


軽く発声をしてみる。

のどの調子は問題無し。


牛乳とチョコレートのパンという簡単な物でしたが、

ゆっくりと時間をかけて朝食をとり、

メールでの仕事を軽く済ませ、

午前10時20分、いよいよ家を後にしました。


家からCorale Verdiまでは徒歩20分の道のりです。


その建物は通学路とほぼ同じ方面に位置するので、

いつも見慣れた光景ではあるのですが、

なぜか曇っているにもかかわらず、

ドゥオーモや洗礼堂、劇場などはみんなまぶしく、

あたかも光り輝いているかの様に目に飛び込んできます。


やっとスタートラインに立つことが出来た。


このことが何よりも嬉しい。


これで採用されなかったとしても、

それは問題ではありません。


来年に向けて実力をつければいいだけです。


街は穏やかな朝だというのに、

私は半ば興奮状態の中、

時間は10時45分、

再びやってきました。


「Corale G.Verdi」へと。


つづく・・・


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