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犬にとってのカミサマ。

背が高い人とのセックスが好きだ。

"""対等"""を感じるから。
どんなに、同意のもとであっても。
「力で支配してない」って、勝手に思えるから。

犬を飼っていました。
犬種はジャックラッセルテリアで、名前は茶々ちゃちゃといいます。

彼女は僕が10歳のときに家にやってきた。
犬を飼いたいと、しつこく親にねだったのに。
いざ家にやって来ると、とても恐ろしかった。
最初の一週間はこわくって。
小学校から帰ってきても、ほったらかしにしてしまった。

いつ私のところに来てくれるの」。
そう思っていたのかもしれない。
そのせいで物音に対して敏感になったのか。
本来であれば垂れているはずの茶々の耳はピンと立ってしまった。

犬との生活は、最悪のスタートを切ってしまったが、僕はすぐに茶々のことが大好きになった。
全てが愛おしかった。
けれど、怒鳴ってしまうこともあった。うざったく思うこともあった。
今になって振り返ると、意味がわからない。

「我が子を虐待して逮捕される親」がニュースで取り上げられることがある。
毎度耳目にするたび胸を痛めるが、
「自分は絶対こんなことしない」と思うのをやめた。
「そんなことをする人間とは、もともと出来が違うんだ」、と。
そう思うのをやめた。

子供に対してだけでなく。
暴力を他人に振るえる人間はいるらしく。
よくよく考えるとそれは。
とんでもないことだと思う。
記憶する範囲で、俺は誰かに暴力を振るったことはない。
今後も、そんな日が一生来なければいいと思う。

「逃げたい自分を殴る拳が、唯一許されるはずの暴力」
って、アフロも言ってたし。

話を戻して。
僕にとって茶々は、本当の家族だった。
子供のように思っていた。
しかし茶々は人間と違い、小型犬なので体高30cmほどで成長が止まった。

ある日ふと。
ソファで寝ている茶々を見て。
「もしも、俺の気が触れて。頭がおかしくなって。この子の首を思い切り絞めたら。こいつは死ぬんだ」と思った。

それが、とても悲しかった。
俺が思い切り蹴れば、殴れば。
明日から一切のご飯を与えなかったら。
体調を崩しても病院に連れて行かなかったら。
茶々は死んでしまうだろう。
その事実がつらかった。

俺と茶々は対等ではなく。
あくまでペットと飼い主なんだと。
茶々にとって、俺は生殺与奪の権利がある、神に等しい存在なのかもしれないと。
だから、もし次に飼うとしたら大型犬がいいな。

という話を、このまえ飲み会で話した。
すると、一人の女の子が「でもさ!」と切り出した。

「犬って本気で噛むこともできるのに、甘噛みするんだよ? それって対等じゃない!?」

と言った。
優しい子だなと思った。

甘噛み、なら。
いつだってされたいですね。

うぇいよー。

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