2024/05/26オペラ座

2024/05/26@横浜
岩城ファントムお目当て
殴り書き

甘美な歌声と、美しい所作、そして、ちょっとピュアさが残るファントム・・・私はとっても好きなファントムだった。
岩城さんのファントムは、他のファントム役よりも年齢が若い。私のイメージでは、ファントムって、クリスティーヌのお父さんと同じくらいの年齢なのかなと(だからこそ、親がいなくて孤独なクリスティーヌにとって、親と同じように無条件の愛情をくれるファントムに心惹かれていたのでは)思っていたから、岩城さんはそれよりはだいぶ若い。でも、だからこそ、ファントム側にこれだけ感情移入ができてしまう。
岩城ファントムは、その佇まいが、どこか怪しさを漂わせる。その反面、指先のひとつに至るまでの美しい所作から、きっと教養もあって聡明な人なのだろうと想像ができる。でも、女性に対しては、やはりどこか子供っぽさがある。ピュアというか。そのギャップが、もう、えぐいのだ。これは、えぐいのだ。。。ぐさっと心に刺さってくる。上手く言えないのだが、怪人とまで呼ばれ、人をも簡単に殺してしまう、非道な彼が、愛しのクリスティーヌの前だと、どうも子供のように感情的になってしまう。「いーーくーーなっ!」のシーン!!!岩城さんが作り上げるファントムだからこそ、ここのシーンはさらに印象的になったのだと思う。
一人だけでもいいから、この醜い容姿の自分に、これまで親にさえ愛されてこなかった自分に、自分だけに愛情を向けて欲しくて。クリスティーヌに自分の元に来て欲しくて、自分のために歌って欲しくて。クリスティーヌへの気持ちは、恋愛的な愛とか、きっとそんな単純なものではなくて。親からの無償の愛とか、友情とか、おおよそほとんどの人間が体験するであろう人との繋がりから生まれる感情を、クリスティーヌにぶつけたのではないだろうか。暴力的な愛。
これまでどんな手をつくしてでも自分のものになって欲しかった、もう自分の元には帰ってこない最愛のクリスティーヌへ向ける、悲しき歌声。消え入りそうな声、どうしても・・・どうしても自分の元に来て欲しいのだと、懇願するかのような、そんな哀しき声に、もう自分の愛が届くことはない彼女へ伸ばされた美しい手に泣いた。

岩城さんの演技やっべえな〜〜〜!!!

ラウルかファントムかどちらかを選べとクリスティーヌに迫るシーン。クリスティーヌはファントムに口付けをする。そのときのファントムの演技たるや。クリスティーヌからキスをされている時にどこに手を置いていいかもわからず、手が宙に浮いてしまう、そんなぎこちなさが、驚きが感じられる。(そんな時の手も美しいのだが)長い口付けの後、ファントムはよろめきながらも、ラウルの処刑縄を解く。クリスティーヌはラウルに駆け寄る。ファントムはいった。「行け!行ってくれ!お願いだ!」ファントムは、クリスティーヌとの口付けで、知ってしまったのだろう。本当の愛とは何か。自分が彼女をこれほどに愛していても、彼女にとっての幸せは、ラウルと今後生きていくことだと。私じゃない。僕じゃない、と。本当の愛とは、自分が愛した人に幸せになってもらうことを願うことだと。


なーーんてこった!岩城ファントムは初だったけど、いやはや!!おうつくしいことで!!!!


そういえば、アンサンブルの男性8枠、バレエの人。めっちゃ顔綺麗だった・・・くっそ・・・タイプや・・・。あと堤さん!!5年前くらいに見たよな?!?!

劇場出てエスカレーター降りながら、いつも通り数日後のチケットをまた探し始めましたとさ。ちゃんちゃん。

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