ファタモルガーナの館 全クリ記念につらつらと。

※この先ネタバレを含みますので未プレイまたはエンディングまで見てない方はご注意を。


まず、最後までプレイして思った事は「闇が深いなぁ…」でした。笑

全て終えてから考えれば、そう成らざるを得ない物語で、しっかりバックボーンが作られていて、一つも取りこぼす事無く綺麗に終わったのは本当に凄いの一言。

それぞれ登場人物に共感もあれば考えさせられる部分、反面教師にしようと思える部分…なんて言うか「生きる」事の難しさというのも描かれていて。シナリオが本当に秀逸でした。

絶望しかない物語は某ヨコオ氏のゲームで散々味わったけれどw

それとは別の絶望感…希望が見えた途端に闇に落とされる感覚、八方ふさがりな展開、それでも一筋の光を信じて突き進む、切り開いて行くミシェルは強い子。(語彙力)


最初はプレステストアでジャケ買いして、中身の一遍も知らない状態から始めて「これはホラーか?」なんて思ってビクビクした。(ホラー耐性皆無)

時折そんな演出はあったけど(ちょっと怖かったしビビった←)

伏線が一つ一つ回収されていく感じが凄い快感…!

謎が一つ溶けていく度に「まじか!」って語彙力皆無な感想が思わず口から出るくらいに展開が読めないし予想外。

悪だと思っていたものが、違う角度でみればそれは正義にもなり得るし、その逆も然り…。

登場人物全てに共通するのは「タイミング」と「時代」が悪かっただけで、本人たちは悪でも何でもないのかも知れない。

いや、ユキマサはやばいかw

モルガーナも散々悪者感出してたけど、結局彼女も時代に恵まれなかった悲しい一人の女の子だった訳だし…。

彼女に関しては、まず親がダメだった。

「聖女」と呼ばれて、自分のベースを作っていく時期に絶対的な存在である母親から言われれば、そう生きていくしかなくなるよ。

それ以外に道はないと思っても仕方がない。「聖女」である事が彼女の全てで唯一だったんだもんね。

母親がまともだったらこんな悲劇は繰り返されなかったと思うと本当に罪深い…。


メルは…正直最後まで苦手だったかも。嫌いじゃないけど友人にはなれないかなw

身近にこんな子がいたら一発殴ると思う。←

自分では抱えきれない何かがあった時「逃げる」って事は決して悪いことではないし、自衛の為にはそうしなきゃならない場面だってあるけれど…メルの場合はただ「投げ出した」感が強い。「考える事」それすらしないで「見たくない!」って放り出した感じ。子供の癇癪に近い感じかな。

まぁ16才とかそんな年だって事を考慮するならしょうがないのかもしれないね。

ユキマサは…誰もが持っている「残虐性」が異常に高かった。

それを「異常」って一言で片づけてしまっても良いのかも知れないけど…私はそういう面って誰もが持ってると思う。大なり小なり誰もがそれこそ「聖人」ではなくて、他人を傷つける事もあるし、自分を抑えきれずに爆発してしまう時だってあると思う。

それに思い悩むユキマサは「獣」ではないはずだし、ちゃんと「人間」だと私は思う。はなから獣だったらそんな事で悩んだりしないはず。


ヤコポ…彼は私とほんとに似てると思うから余計に最初は嫌いだった。笑

自分一人で考え込んで、それを誰にも伝えない。

私も常々「言葉が足りない」「何を考えているのか分からない」と言われることばかりだったから、ヤコポの気持ちが分からないでもない。

彼の場合は環境がそうしてしまった部分が大きいけれど。

彼の魂を開放する時に一瞬だけ見せた悲しげなほほ笑みに泣きそうになりました。


女性キャラで言えば、マリーアは割と好き(転生前のね)。明朗快活と言うか裏表がない感じ。逆にポーリーンの方が苦手だなと思ってしまう。人の話を聞かないで自分一人で「私は信じる!」って頑なな所とか、自分の知らない世界は全部ウソみたいな感じは苦手だった…。

どうしてもミシェルの視点から見ちゃうから「こいつ…!」ってなっちゃうけどw


ミシェルは…今の時代だったら。少しは生きやすくなってると良いなぁ。と願わずにはいられない。

モルガーナの最後の時は本当に天使そのものだったよ…;;


体の一部が欠損して生まれてしまったが故に「女の子」として扱われて…心と体が違う性別になってしまった。トランスジェンダーとは少し違うけど、そのせいで「館」に幽閉されることになって…。

まぁいきなり全裸で団らんに特攻したのはダメだったけどwww

とんでもない非道な兄嫁のせいでたくさんたくさん傷ついて、何度も命を落としそうになって、痛い思い、辛い思いをたくさん経験したからこそ、その分絶望も深くて心を守るために殻も厚くなってしまって。

それでも「全部失ったからこそ出来る事がある」って考えられるのは本当に強いと思う。

ミシェルの幸せを願わずにはいられない。

ジゼルも、ミシェルとは対称的な考え方で希望は捨てないで「笑っていればいい事がある」って考えは強くないと持って居られないと思う。

ジゼルのような経験をしたら、まずは恨むし憎むのも当たり前のはずなのに忘れようと、それでも笑っていようって思えるのは本当に強い。

2人とも自分を失くしてしまうほどの時間と魂の輪廻を繰り返して、お互いがお互いの光であり、希望であり、依存的かも知れないけど魂の絆で引き寄せ合う2人を羨ましいなとも思ってしまう。

本当に大切な絆は誰がどうやっても切れないんだよね。

モルガーナの呪いは、悲劇は、確かに抱えきれないほど辛く苦しいものだったけど、モルガーナも、次の世ではちゃんと幸せになって欲しいな。


中世ヨーロッパ、クラシカルなメイドさん、綺麗なイラスト、それだけでジャケ買いしたゲームだったのに、ここまで心を揺さぶられるような体験(これは経験じゃなくて体験と言いたい)が出来た事はホントにラッキーでした。

プレステストアセールありがとう。←


サイドエピソードや現代編なんていうものもセットになったやつを購入したので、もう少し「ファタモルガーナの館」の世界に没頭出来そうです。

設定資料集やドラマ CDなんかも発売されているみたいなので、ちょっと気になってしまう。

ミシェルの声優さんが櫻井さんなんですもの。そりゃ好きだわ…。イメージにもぴったりね。根暗でむっつりキャラ(語弊)

ノベルゲームが苦手な人はしんどいと思うけど、少しでも興味があったらプレイしてみて欲しい!

ここまで書いて来たのを読んだ後でも、きっと楽しめると思うから。

「ファタモルガーナの館」めちゃくちゃ面白かったです!


最後まで目を通してくれてありがとうございました。

また他のゲームの事も書きたいなぁ、と思うのでよろしくお願いします。


みやび。



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