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#036_ライブというものに関して思い悩んでいます

宮内さん、はじめまして。宮内さんのご活動ぶりと音楽がとても素敵で、色々なところで見たり聴いたりと楽しませて頂いております。

さて、相談ですが。私自身、小さな街で音楽活動をしております。バンド活動を経て、今はひとりルーパーを使用して、鍵盤メインのインストゥルメンタルという形でライブをしています。

最近は、宮内さんのBGM形式のライブに心惹かれています。これまでは主にバンドやシンガーの方と一緒にライブをすることが多く、ライブ=盛り上がるもの、盛り上げなければいけないもの、という認識を持ってしまいます。ですが、一人でやる音楽は、バンドや歌と同じくらい盛り上げる、ということは難しく感じますし、安易にビートを強めてわかりやすくすることに違和感も感じてしまいます。

コロナ禍でライブの頻度が減り、一人でやってみたい音楽と、今までのライブ活動への意識が一致しなくなってきていて、色々考えてしまいます。ライブに呼んでくださる方、お客さんが求めていることに、一人で今やりたいことが受け入れられないのではないか。という思いから、ライブというものに関して思い悩む日々です。

長々と失礼いたしました。こちらに関して何かお話伺えたら、とても嬉しいです。

どうも、おじさんです。色々なところで聴いてくださったりありがとう〜。ライブね〜。気持ちわかるな。僕もずっと考えてたし、今もそうねえ、まだうにょうにょ考えているかな。

悩んでいるようだけど、とりあえず何も考えずにBGM演奏をまずやってみればいいのでは?と思ったよ。実際やってみて面白いと思うかどうかもわからないし。めちゃくちゃつまんない可能性も全然あるからね。だとしたら早く気付けたほうが得だと思うし。面白いと思えたら迷いなく突っ走れるでしょうし。

始めるにあたり、ライブの経験があるならばとくに難しいことは何もないしね。うまくいくかどうかはわからないけど、スタートはすぐ出来ると思う。BGMは音量もいらないから音響機材も小さいものでできるし。やりながら僕も工夫していった感じ。

もし知ってるお店や気になるお店があればお願いしてやらせてもらうとか、ストリートでやってみるとか、SNSで生配信(BGMの無観客配信は僕は苦手)とか、とにかくやってみるときっと色々わかると思う。僕がそうだったから。

僕もライブは盛り上げるものと思って、一時期までは色々とチャレンジしていたなあ。作る曲もライブを意識して作ることもあったし、映像を使ってみるだとか、曲の合間に何か面白いことしゃべろうとか。衣装を着るだとか。

ルーパーというその場で多重録音できるマシンを使うということも、思えばそうだったしね。レーベルの社長と一緒に、お客さんに楽しんでもらえる工夫を色々考えたり、色々やってたなあ。一度しっかり向き合ってみたことは、とってもいい経験だったし、楽しかった。

そんな中、数年前からBGM演奏という形を始めてみたら、違った形もあるんだとわかってちょっと面白くなってきて。今はだいぶそっちに傾倒している。僕にとっては自然体で出来るというか、妙に肌が合う感覚があって。

ただBGM演奏も最初は全然うまく行かなかったなあ。難しかった〜。

最初は6年くらい前に東京の御徒町にあるWOODWORKというお店で「BGM演奏」という形で初めてやらせてもらったんだけど、お客さんも僕も戸惑いながら、どうしても注目をしっかり集めながらの演奏になってしまって。今思えば完全に僕のせいなんだけど。どうしたらいいかわからなくてパニックになって、せっかく見てくださるなら演奏盛り上げちゃう、みたいなことに結局なっていたなあ。ちなみにWOODWORKではこの間リベンジしました(無事に盛り上がらずに終われた)。またやりたい。

最初はずっとうまくいかなかったけど、転機は赤石商店という長野県伊那市にあるお店から依頼を頂いたときに、読書と一緒にBGM演奏をやってみませんか、と提案を頂いたこと。今でも感謝してます。

思えばKENJI KIHARAくんとのBGM LAB.というユニットでの初BGM演奏でした。お客さんの目線がごく自然に外れることで、突然とてもBGMらしくなってきて。びっくりした。僕らも力が抜けて音に集中できるようになって。あれがターニングポイントで。そこからゆっくりだったけど、BGMというものに近づき始めた気がする(まだよくわからんけど)。読書イベントから始めるのはいいかもねえ。

僕の今の所の感覚としては自分や誰かのためじゃなく、空間のために音を出す感じというか。僕の場合は即興演奏なので、演奏中もどんどん思いつきで変えていきます。音を出しながら違和感を感じたり、すこーしはみ出しながら実験して、リアルタイムで修正していく中で「お、空間と今ハマってるな」みたいな感覚が気持ちよくてね。実験の中で新しい表現方法を思いついたりもあるし。楽しいんだよねえ。

言葉で説明するの難しいんだけどね。気持ち的には空気が淀まないように優しくかきまぜるようなイメージでやっているかな。窓開けて換気するとか、うちわで優しく扇いでみるとか。そういうのを音で表現するというか。すごく感覚的で申し訳ないけど。。

快適な空間にお客さんがいるところにそっと混ぜてもらうくらいのつもりで演奏できるといいのかなあ。自分の音楽を聴かせようとしたらダメで、でもお客さんのために演奏しすぎちゃってもダメで。ただそこに自然と共存できている、みたいな感じが今の僕の理想です。

僕は野外が一番やりやすくて。芝生でごろごろ寝転ぶみたいなの。音楽がなくたって、ある程度心地よいという環境は大事かもしれないなあ。

あとね、BGM演奏をメインにやってたら、ライブが逆に楽になってきたところもあるかな。最近はあんまり変わらない気持ちでやっていて。途中行けそうだったら少し盛り上げてみる、くらいの気持ちでやっていると、なんか自然体でできて、ライブはライブで楽しくなってきたよ。

うーん、僕もあんまりまだまとまってないけど、数年やってきて思うのはそのへんかなあ。今だってうまくいかないときもあるしね。とにかく、お客さんを前にしてやってみると色々気づくことがあると思うから、とりあえず思いつくまま見切り発車でやってみたらいいと思うよ〜。

あ、ごくたまにBGMのイベントとか、読書のイベントとか「私もやってみてもいいですか?」とか音楽やってる方に聞かれるんだけど、そんなの僕に権利とか無いのでどんどんやってください。というかそもそも僕が思いついたわけでもないしね。BGM演奏なんて昔からあるだろうし、読書も赤石商店はきっと許してくれるはずです。

僕としてはBGMのイベントがもっと一般的になったら僕もうれしいなあ。みんなでやろう〜。

※おじさんに相談してみようかなと思った方はこちらから。
https://miyauchiyuri.com/ojisan