棋士と動物と我が闘争

棋士と動物といえば、それは全国的に加藤一二三九段と猫のことである。
勘の良い方はお気づきかも知れないが、私は犬が好きである。
私は大抵の動物がそこそこ好きだが、幼少時分から犬を飼っていたため比較的犬の行動は理解しやすいという程度の犬派として、将棋界における猫と比較した犬の存在感の薄さを暇な時に思いだしては軽く嘆いている。存在感で言えば、鳥一羽(金太郎。森信雄七段のヨウム。澤田五段の頭が乗りやすい)より薄い。

さあ、拳を突き上げろ。立ち上がれ、犬軍よ。

朝日新聞「かぞくの肖像」に「三浦弘行さんとチー」が掲載されたのは記憶に新しい。先々代のチビの「チ」、先代のミーの「ー」を合わせて「チー」と名付けられた犬。「ー」を受け継ぐというのが斬新であり、口頭で説明しづらいところも魅力的だ。
http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201308280153.html
猫軍大将である加藤の戦闘力を1000としたときの、この記事の戦闘力は2である。ちょっと足りない。

しかも猫軍副将浦野真彦八段もかなり強い。先ほどの記事が掲載された半年後、同じく「かぞくの肖像」に「浦野真彦さんとひまわり」が掲載された。
http://www.asahi.com/articles/ASG2G2W0XG2GPTFC005.html
こちらの一撃にすぐ返してくる。機敏だ。そして浦野のtwitterのアカウント名は「nene」と「hima」という猫の「papa」である。常時得点をあげている。ハンドブックが一冊売れるたびに猫軍に1点加算されると考えて良い。私も5点入れちゃった。

しかし、我が犬国には最強の仲間がいる。その豪邸に3匹の犬と生きる棋士、羽生名人である。戌年生まれに棋士による「犬研」のメンバーでもある。
羽生の戦闘力は計り知れない。羽生が前線に立ったならば、全世界に犬ブームが巻き起こり、新しい犬種に「habu」と名づけたいと将棋連盟に問い合わせが殺到、将棋連盟犬専用ホットラインが開設され、アルバイトとして私が潜り込むことも考えられる。
問題は、羽生が軍に入らないことだ。羽生は犬について語らない。語ってよ、犬について語って。
満を持して羽生がその愛犬たちに引かせたソリ(に見せて、動力は別。小型犬だから)に乗り、大将として駆けつける、そんな日をむかえるためにはどうしたら良いか。

『将棋世界』の「棋士とペットのいい話」という対談ページを復活させよう。「棋士とペットのいい話」第1回本田小百合女流三段、第2回山口恵梨子女流初段、第3回羽生善治名人。これは読みたい。
この対談が掲載されていた『将棋世界』には、同時期に「ガムでリフレッシュ対談」が連載されており、羽生が各界の著名人とガムを前に語るカラーページにペット対ガムという構図を見ていた読者もいるだろうが、ここは手を組み、犬のために羽生をペットのほうに借りよう。犬について語ってもらうのだ。これで羽生も犬軍である。

羽生が大将となった犬軍は強力であるが、一人で猫軍と戦わせるにはいくら羽生でも大変だ。相手は加藤一二三である。他にも犬国民に加勢してもらわねばなるまい。
まず、「将棋 犬」で検索すると大局将棋のページがヒットするので、大局将棋ファンは犬軍に数える。そして将棋関連の検索ワードに「ペット」を追加すると丸山九段とペットボトル飲料に関する話を読むことにもなるので、丸山ファンにも協力を仰ぎたい。当然私も将棋連盟犬ホットライン担当として、我が犬軍の勢力拡大に尽力するつもりだ。

とりあえず敵を知るために、私は近所の猫と遊んでくるから、みんな頑張って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?