棋士と苺クイズの答え

前回出したクイズの答えです。

【彼が森内の場合】

彼は「あ、ケーキ」と、見れば分かることを言った。私は犬を見て「あ、犬」という時の彼が好きだ。彼は最近熱心に取り組んでいるバックギャモンの話をしてくれた。私は彼のコメカミが動くたびその前髪が揺れないかしら、揺れるといいなと考えていたので内容をすっかり忘れてしまった。一通り話して気がすんだ様子の彼と、結局揺れなかった前髪を見ていた私は1つずつケーキを食べ、私は彼が食べ終わるまでに何杯水を飲むのかを数えていた。3杯だった。

ということで、森内は取らない棋士。

【彼が佐藤の場合】

彼は将棋のことを考えているらしく難しい顔をしている。ここが喫茶店なのかドブの中なのかも分からない様子で、ケーキが誰のものかなんて興味もないし、何個食べたのかも意識の内にない。このテーブルに、ケーキはもう無い。

ということで、佐藤は取る棋士。

【彼が丸山の場合】

彼は自分のケーキを食べてしまうと、店員に「おかわり」と告げた。

ということで、丸山は取らない棋士。

【彼が三浦の場合】

彼は、私がケーキを食べ始めたら自分も食べようかなと待っている。私は、彼がケーキを食べ始めたら自分も食べようかなと待っている。少しの時が流れ、彼は「僕が先に手をつけないと食べないつもりなのかもしれない。では僕が待っていた時間は何だったのだろう。その時間を無為なものにすること、今更先に食べることは僕の生き方が許さない。かといって彼女もケーキを食べたいだろうし、僕はその願いの邪魔をしたくない。僕は僕のケーキを先に食べられず彼女は僕より先にケーキを食べられないならば、どうやってこの局面を打開するべきか。そうだ、彼女の苺を食べよう。」と、間違えた。

ということで、三浦は取る棋士。

クイズの正解は「佐藤と三浦は取り、森内と丸山は取らない」でした。


三浦は他人が嫌がることをしないので、私が嫌がることもしない。三浦がすると考えられる中で、私に最大の直接的被害を及ぼすであろう行為が「私のショートケーキの苺を取る」ことである。しかし、ただそう書いてしまい三浦のことを知らない方に「三浦って他人の苺を取るような人間なんだ」と思われては、この宮戸川、生涯悔やまねばならぬ。三浦はその真面目さと優しさ故に私の苺を取るのだ。

「棋士と苺クイズ」は、これから三浦の眼鏡について語るにあたり「私はショートケーキの苺を取られても微笑んでいられるほど三浦を可愛いと思っている」と表現したくて書いたお話です。では眼鏡のお話の続きに戻ります。




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