黎明期のパソコンゲーム開発#43
■ZAXUSを創る ~出荷に向けて~
1.迫りくる納期
ZAXUSもプログラムコンテストに入賞し、いよいよ仕上げにかかるわけですが、ZAXUSの場合はその後様々な調整・変更があって商品として世に出るまでにかなり時間がかかったように思います。
まずはタイトルの見直し。当初はJAILBIRDという名前でしたがZAXUSという名前に変わり、タイトル画面も変更となりました。当初はJAILBIRDという文字の上をヘリが飛び回るイメージで作りかけていましたがタイトル変更とともにスクロール形式に変更。
JAILBIRDから逃げる「囚人」も「サイボーグ戦士」に変更となり、細かな調整の繰り返しで何か月かかかったように思います。
これがタイトルの最終版
また自機もヘリコプタからUFOに変わり、当初レベルが上がるとヘリコプタから弾を打てるというアイデアもありましたが、「防御」で弾をよけることをメインとしていたためこのアイデアも却下。迫る納期の中、開発時間とメモリとのせめぎあいの中から今の構成に落ち着いた形でした。
2.作品へのこだわり
ただし、作品として「ビュンビュン流れるスクロール」「ふわふわとした滑らかな動き」にはどうしてもこだわりがあったため、キャラクタの数や動きとのバランスを最後の最後まで調整していたように思います。
あとは開発時間の関係から、細かな所で調整してきなかった点がいくつか残っており、高速スクロール時の木の色の微妙なズレや、デモ画面スクロール時の文字のちらつきなどが残ってしまっています。
最後はロード時間が長いためZAXUSでは絵を出すようにしたという点でしょうか。NEW FANFUNと同じくZAXUSでもテープロード中に画面を出すようにしていますが、この画面も納品の数日前にギリギリ仕上げたもの。テープロード中に少しでもユーザに飽きさせない・何か見せられるものはないかと最後の最後に組み込んだものとなっています。
そしてテープロードが終了するとともに、スタート音が鳴り響き、画面いっぱいにタイトルがスクロールで出てくる・・・そんな演出に最後までこだわっていました。
開発時間が限られている中、納期ギリギリまであきらめず改良とユーザを楽しませる工夫は昔も今も変わらないのかと思っています。
次回はシナリオとパッケージ作りの事について書きたいと思います。