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高校生将棋大会に出るために知ってほしいこと

高校生の大会は情報集めが難しい

高校生の3大将棋大会は全国高校将棋選手権(総合文化祭将棋部門)、全国高校新人戦(1,2年生が対象)、全国高校竜王戦です。どれも、都道府県代表を決める大会が行われ、代表が集まって全国大会が行われます。
以下長くなるので、高校選手権、高校新人戦、高校竜王戦と記します。小学生名人戦、中学選抜など小学生、中学生の大会は、ネットにお知らせが出て、「○○県内の中学に通う生徒」「××府在住の小学生」など、在住、在学の出場資格を満たせば誰でも出られました。
でも、高校選手権、高校新人戦はそうではありません。高校の将棋部の生徒の大会という意味合いが強く、運営は高校将棋部の顧問の先生方、大会の案内や申し込みも高校を通して行われ、情報がネットに掲載されないこともよくあります。

将棋部が無いと出られないこともある

高校選手権、高校新人戦を運営するのは高等学校文化連盟、略して「高文連」の将棋専門部という組織です。甲子園の高校野球は高野連、陸上や水泳など高校スポーツの祭典・インターハイは高体連が運営していますが、文化にも同じような組織がある。それが高文連です。
全国高校将棋選手権(総合文化祭将棋部門)と書きましたが、この総合文化祭というのが文化版インターハイで、他に囲碁やかるた、演劇などの部門があります。
高校選手権、高校新人戦は高文連の大会なので、基本的には在籍する高校が高文連に加盟していて、さらにその中の将棋専門部に加盟していないと出られません。
高文連には全国の大半の高校が加盟していますが、加盟していない学校もあります。将棋専門部には将棋部のある学校はほとんど加盟しています。将棋部のある高校に入った場合、高校選手権、高校新人戦の都道府県予選大会にほぼ出られるのですが、問題は入った高校に将棋部が無い場合です。
大会に出るには、将棋専門部に加盟してもらい、学校に大会の案内を送ってもらい、申し込みをしてもらう(学校を通さずに申し込むことはできない場合が多いです)必要があります。これを学校にお願いするのに時間がかかって、最初の大会に出られなかったというのはよくある話。
まったく理解がない学校もあり「学校にある部活しか大会出場は認めない」と高文連の将棋大会出場を断念せざるを得なかった生徒もいます。高校選手権、高校新人戦はすべての高校生に門戸が開かれているわけでは無いのです。

将棋部の無い高校から大会に出るためには

将棋部はマイナーな部活で(すみません)、ある高校より無い高校のほうが多いです。将棋部のある高校に入れれば良いのですが、高校選びのポイントはそれ以外にもたくさんあるし、地方によってはそもそも選択肢があまりない場合もあります。
また、高校の部活の大会という意味合いが強いので、生徒1人で行ったり、保護者と行くのはだめで、在籍している高校の教員の引率が必須になっている場合がよくあります。
将棋部の無い学校から高校選手権、高校新人戦に出るためにやるべきことをまとめます。

  • 入学したらすぐに高校の先生に「総合文化祭の将棋部門(高校選手権)に出たい」と話す。それで高校選手権の案内を取り寄せてもらい、申し込みしてもらい、引率も頼む。

  • 高校選手権の全国大会は7月末~8月の初めですが、都道府県大会は5~6月ごろに実施。早いところだと4月20日くらいに締め切ってしまう。上記話し合いや取り寄せには時間もかかるので、できるだけ急ぐ。

  • 生徒本人が話すよりも、親が出たほうが話が進むことが多い。

  • 高校に話しても、全く高校選手権の情報が分からなくて話が進まない場合、自分でその県の高文連将棋専門部の担当の先生に問い合わせする。将棋部が強い高校の顧問の先生に聞いてみる、その県の高文連の連絡先が公開されている場合はそこに問い合わせして将棋専門部の先生を紹介してもらうなどの方法がある。

高校選手権が時間切れで出場できなくても、次の高校新人戦には出られるように学校と話し合いを続けてみましょう。高校新人戦は秋ごろに都道府県大会が、1月終わりか2月初めに全国大会が行われます。
また高文連運営ではなく日本将棋連盟運営で、高文連将棋専門部への加盟や高校教員の引率が必須ではない「高校竜王戦」には出場しましょう。
高校竜王戦に関しては、毎年4~5月ごろに日本将棋連盟のサイトに各都道府県大会の一覧表が出るので、そこから詳細や問い合わせ先が分かります。都道府県大会は5~7月、全国大会は8月の半ばです。都道府県大会で他校の将棋部員や将棋部顧問から高校選手権や高校新人戦の情報収集もできると思います。また、高校竜王戦で都道府県大会で入賞できた場合、それを自分の高校に報告して、「これだけの力があるので、次の高校新人戦には出させて欲しい」と交渉の材料にすることもできます。

高校選手権、高校新人戦、高校竜王戦の代表枠数

高校選手権はもっとも規模の大きな大会です。男子団体、女子団体、男子個人、女子個人の4部門で行われます。各都道府県の代表枠は団体(同じ学校の3人チーム)が男女1チームずつ、個人が男女2人ずつです。全国大会では団体と個人の両方に出ることはできません。このため、都道府県大会では団体戦を先にやって代表になったチームの3人を除いて個人戦といった方法がとられます。
高校竜王戦は男女混合大会で代表枠は各都道府県で1人のみです。毎年福岡で開かれる全国大会には時の竜王が審判長としてやってきます。去年も今年も「藤井聡太竜王」ということになります。
高校新人戦は個人戦のみで男子、女子とも2人ずつ代表になれます。

高校選手権、高校新人戦の運用は都道府県によって違う

上に、在籍する高校が高文連に加盟していて、さらに将棋専門部にも加盟してもらい、大会に出る時には教員の引率も必須と書きました。これが基本ではあるのですが、都道府県によって多少運用が違います。上記の条件がそろわなくても、高校選手権、高校新人戦には出られるというケースも多々あるので、簡単にあきらめず大会に出らるように入学した高校と話をすることをお勧めします。
この「教員の引率が必須」というのは、ここ数年の動きです。だから、数年前の例で「親の引率だったけれど大丈夫だったし、どこの高校でも出られるよ」とか簡単に言う方がいるのですが、必ずしも数年前の情報はあてにならないことを覚えておいてください。
ただし、将棋部の無い学校からも毎年多くの生徒が高校選手権、高校新人戦に出ています。早めにお願いすれば、出られる可能性のほうが高いと思います。

確実に高校大会に出るためには、高校選びの前に情報収集を

ここまで、将棋部の無い高校から高校大会に出るための方法を書いてきました。確実に高校選手権や高校新人戦に出るためには、やはり将棋部がある学校に最初から入ったほうが良いとはいえます。そもそも大変そうで、こんな話合いをしてまで大会に出ようとは思わないと言う人もいると思います。
将棋部のある学校を調べる方法は、手っ取り早くは高校のサイトの部活一覧を見れば分かりますが、残念なことに将棋部は「部員が減ってしまい廃部に」ということが珍しくありません。入学したときに将棋部があるかどうか、実際に電話して顧問の先生と話してみるとか、文化祭に行って将棋部員と話してみるとか、最新情報をリサーチすることをお勧めします。


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