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アメリカ議会に招待されたネタニヤフ首相とフランス歌謡シャンソンに表現されたパレスチナ

 イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカ議会に招待され、スピーチを行うのだそうだ。首相府を通じて「上下両院でイスラエルを代表し、我々を破壊しようとする者たちとの正義の戦争について、アメリカ国民の代表者と全世界へ向けて真実を語るという栄誉に大変感激している」という声明を出した。あらためてアメリカ政界の感覚や認識が世界とはずれていることを見る思いだが、バーニー・サンダース上院議員は「ベンヤミン・ネタニヤフは戦争犯罪人で、上下両院合同会議で演説させるべきではない。私は絶対に出席しない。イスラエルにはガザ住民たちへの人道支援を妨害する権利などない。これは明らかにアメリカ法や国際法に違反するものだ。」と書き込んだ。

バーニー・サンダース上院議員は「ベンヤミン・ネタニヤフは戦争犯罪人で、上下両院合同会議で演説させるべきではない。私は絶対出席しない。イスラエルにはガザ住民たちへの人道支援を妨害する権利などない。これは明らかにアメリカ法や国際法に違反するものだ。」と書き込んだ。


 ヨーロッパ諸国ではイスラエルのラファ攻撃を受けて抗議運動が高まりを見せている。フランスではパリ、リヨン、マルセイユなどの主要都市で連日、抗議の集会や行進が行われるようになった。イスラエルはエジプト国境にあるラファ検問所を占拠し、ガザへの物資の輸送をより厳格にコントロールするものと見られ、ガザの人道危機をより悪化させることが懸念されている。フランス政府は今月パリ近郊で開催予定の欧州武器見本市へのイスラエル企業の参加を禁止し、マクロン大統領もイスラエルのラファ攻撃について憤慨していると強く反発した。
 フランスの歌手のシャルル・アズナブールには自らが作詞した「戦争の子供達」という歌がある。

(前略)
戦争の子供たちは
子どもではない
子ども時代を知らぬ
青春も喜びも知らぬこの子たち
飢えと寒さに身を守るものもなく
ふるえていたこの子たち
苦しみに立ち向かい
恐れを口にせず
希望によって生きてきたこの子どもたちは
きみと僕のようなものだ
(後略)
http://shibano.exblog.jp/4387672/ より

 戦争の子供たちは希望をもちながらもここに描かれる恋人たちのように、自分の将来に確信がもてないというのは、1924年に生まれ、戦時下のフランスで青春時代を過ごしたアブナブールのかつての想いを表すものであったのかもしれない。しかし、現在、ガザの子どもたちには希望すらもないような現状だ。4月16日付のOCHA(国連人道問題調整事務所)の記事によれば、4月2日の時点で、ガザの学校はまったく機能しておらず、戦闘が開始された昨年10月7日以来、5、479人の生徒・学生が死亡し、261人の教員が殺害された。イスラエルはガザのイスラム大学、アル・アズハル大学などすべての大学を破壊し、またアル・イスラーア大学は破壊されて校舎の一部はイスラエル軍の兵舎として使用されるようになった。

スペイン・マドリードで https://www.timesofisrael.com/thousands-in-paris-demonstrate-near-israeli-embassy-after-deadly-rafah-strike/


 5月29日付の「国境なき医師団」の記事では、36あったガザの病院のうち24の病院は機能停止状態に陥り、493人の医療関係者が殺害された。病院を攻撃することはもちろん国際人道法に違反するものだが、イスラエルは昨年11月にガザ最大のシファ病院を攻撃したが、シファ病院では電力不足などで、保育器からとり出すことを余儀なくされた新生児や腎臓透析患者が次から次へと亡くなる事態となった。このように、パレスチナでは子どもたちに教育も医療もない状態になっている。
 フランスで人気がある歌手ルノーの歌にパレスチナを歌った「Triviale poursuite(トリビアル・パスート)」という歌がある。

「まずは、歴史の問題です
パレスチナとはどこにありますか?
星のついたどんな軍靴の下で?
どんな鉄条網の後ろで?
どんな廃墟の下で?
歴史の問題をもう一つ
何人の犠牲者が
何千人の子どもたちが
難民キャンプのがれきの中で
戦士になっていくでしょうか?」(「村野瀬玲奈の秘書課広報室」より
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-9656.html 


ルノー

 このルノーの歌のように、ガザの子どもたちには学校も、教育もない状態に陥っている。教育がなければ将来の職業も考えられない。そもそもガザでは大学を卒業しても職業がまったく十分にない状態だが、昨年10月以来イスラエルがガザ社会を破壊尽くしたような状態では、戦士になるしか選択がないようにも見える。イスラエルのガザ攻撃はイスラエルの安全を高めるどころか、かえってその安全を危うくしているように思う。また、ガザでの殺戮や破壊を推進するネタニヤフ首相を議会に招待するようなアメリカの感覚がアメリカへのテロの可能性を高めるものであることは言うまでもない。
 ちなみにルノーには「ミス・マギー」というイギリスのマーガレット・サッチャー元首相を皮肉った反戦歌があり、通常戦争を起こすのはバカな男どもだが、サッチャー氏だけは別という内容だ。

「ミス・マギー」 ルノー
原子爆弾が出てきたのは
女性の脳からではないし
アメリカインディアンの血で
手が染まっている女性もいない
パレスチナ人、ユダヤ人、アルメニア人が
墓の底から証言している
大虐殺はナチス親衛隊や闘牛と同じく
オトコの仕業であると
このクソ人類の中
殺人者はみなオトコの兄弟
この男どもに対抗できる女性は
たぶんサッチャー夫人をおいて誰もいない
(「村野瀬玲奈の秘書課広報室」より
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-4327.html ) 

「ミス・マギー」のジャケット https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=vnJkFkZIeoY

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