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吾輩は、ACである。特に問題は無い。㉟

統一教会との付き合い方・脱会に関するお話②

改めまして、こんばんは。宮坂 澪(みやさか れい)です。
この連載は、宗教二世問題とACをテーマにした(いちおう)私小説です。
何でドキュメンタリーとかエッセイとか言わないのかというと、私一人で書いてる文章だと、どうしたって客観性に欠けるからです。

客観的根拠に基づいた告発文が読みたい! と希望する方は、紀藤正樹弁護士のツイッターとかを見た方がいいんだとは思います。彼は弁護士として何十年も、統一教会が起こした霊感商法問題の、被害者の相談を受け付けているのです。また、その被害状況を世の中に発信しているのです。

「統一教会を叩きすぎるのは、可哀そうではないか?」と思う方で、紀藤弁護士のように統一教会を激しく非難する弁護士の事を、怖く思う人もいるかもしれないんですが……彼があのように激しく統一教会や、悪徳商法を行っている団体を非難するのは、被害者がどんな目に遭っているのか、知っているからなんですね。彼の怒りは、被害者の悲しみが含まれているのだと思います。
参考記事:「紀藤正樹弁護士、旧統一教会問題追及30年の戦い「嫌がらせや脅迫はしょっちゅう」

なおかつ統一教会叩きを良く思わない人の中には、こんな事を言う人がいるのです。それは「反社会的勢力(反社)ではないとされている団体を潰せと言うのは、宗教弾圧ではないか」というものです。その意見に対しては、既に裁判で、勧誘活動自体に違法性が認められていますよ、とお伝えしておきます。

って、冒頭から熱く語ってしまったんですが。
正直な話、もう二十年近く前に棄教した私は現在、宗教二世問題の当事者だった人なんですね。いわば、過去の人なのです。

確かに、カルトの手口や霊感商法を見るといまだにPTSDの症状が出るなどの、後遺症はあるんです。それは、紛れもない現実なのですが……もうずいぶん昔の事ではあるんですね。

それに家族には、こういう話はしていないのです。なぜかというと、話しても理解してもらえないからなのです。(そう言い切るのには理由があるのですが、それはまたいずれお話したいと思っています)

それでも現在、統一教会に限らず、宗教二世問題で苦しんでいる人たちが発信している内容を見ると、かわいそうで仕方が無いんですね。これも、偽らざる気持ちなのです。

そんなわけで今現在、宗教二世問題で苦しんでいる人を後方から支援したいという気持ちで、カルトはダメだ、霊感商法はダメだ、という話をあちこちでしているのです。

ちゅうことで前振りが長くなっちゃったんですが、本題を始めようかと思います。よろしくお願いします!

えーっと、なんだっけ。そうそう、カルトにハマった人がいかにして、普通の生活ができるようになるのか、そういう話をしようとしていたんです。

みなさん気になるんじゃないでしょうか。連日、統一教会の報道を目にしていると、信者はみんな教団から洗脳されている狂った集団で、いちど入信したらもう終わりだと思っているような人もいるかもしれないですよね。
だけどそんな事は無いのですよ。今日はそういう話をしようかと思っています。

なんというか、統一教会側の意見の中には、こんなものがあるんですね。それは「信教の自由が侵害されるのはおかしい」というものです。それは確かにそうなんですよ。なぜなら信教の自由は人権だからです。

では、信教の自由とは何なのか。
日本国憲法によれば「日本国憲法の保障する基本的人権の一。何らかの宗教を信じる,または信じない自由。宗教的行為を行う自由,またそれを強制されない自由,宗教団体を設立する自由などを含む。主として憲法第二十条によって保障されている。」とあるのです。

となると、何らかの宗教を信じる自由もあれば、信じない自由、宗教行事を強制されない自由もあるんですね。ここでワンポイント学習ですよ。
宗教二世問題における問題とは何なのか。それは、宗教を信じない自由を侵害されているという事なんですね。これを宗教団体の方針として認めないのであれば、信教の自由を侵害しているのは、その教団であると言えるのです。

といった、人権に関する基本的な知識を学習する事で、視野が広がるんです。視野が広がるとは具体的に言うと、宗教二世問題の当事者であれば、「私は教会の教えを守る事が出来ない、悪い人間だ」という考えに、「いや、そうとは言い切れない。なぜなら信教の自由があるからだ」という考えが加わるのです。こういう学習の積み重ねにより、物事を捉える視点が増える、視野が広がるのです。

それが結果的に、変な思想なり現実に対する批判精神を育み、洗脳状態から脱する人生へと繋がってゆくのだと、私は考えているのですよ。(そこに至るまでの大変さもあるとは思うのですが)

そんなわけで文字数が多くなってきたので、このお話は次回に持ち越すことにいたします。
それではみなさま、ごきげんよう。

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