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ジャンルが何なのか分からないのですが、いちおう「詩」という事で書いてます。
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2022年5月の記事一覧

ごめんね

笑わせようと おどけてくれていたんだね なのに私ときたら 軽く聞き流してた 優しい人はもういない きっとどこかで海を見てる テトラポットの上で 寝そべっている 昔のこと 気持ちがすれ違ったこと 言えなかったこと 目の前にあると 見えない ・・・ ・・・

雨が降っても、夏になっても

通り雨は僕らの街を洗い流し やさしい風が君の匂いを運ぶ 洗いたての香りでは無いけど なぜか懐かしい気持ちになる 何度も言いかけて黙り込んだ 僕の言葉を待ってるみたいに ねえ 気が付いているんだろう 知らないまま とぼけたまま このままでいい 友達と恋人の間くらいの ままでいい 雨が降っても 夏になっても きっと僕らは いつまでもこのまま 変わらない心を 変わらない愛を

19(じゅうく)

ある共同幻想の外側へ 一人の人が出てくるのを見たよ へんてこな衣装を脱ぎつつ 化粧を落としてる なぜか笑いが止まらないんだってさ どうやら何かの発作らしいぜ たぶん病んでる 天職だと思って 始めたピエロ みんな俺を見て笑う その喜ぶ姿が見たくて 一生懸命演じてたら こうなっちまった 下着姿の男はそう言って 泣き始めた 僕は彼にこう言ったんだ そう 思ったまま正直にね 他人の欲望の狭間(はざま)で 踏みつけにされ自分を無くしたんだよ 拍手に踊らされて自分を 見失っちま

広瀬川

かなしい、かなしい、かなしい 雨が降る 僕らの時代にさよなら いつか見た鳥居の向こう 忘れえぬ人 ゆっくり歩く川沿いの小径(こみち) 歴史をたどる終わりなき旅 あなたが語る愛の言葉は まるで陽炎みたいに 揺れて消える かなしい、かなしい、かなしい 太陽が降る 僕らの時代にありがとう いつか見た夢の続きは 明日にある 裏切りの言葉の向こうにある 信じる気持ちを言葉に出来ない 怒りに染まる君の真っ黒な 顔から目を背(そむ)けた 霧の彼方(かなた) かなしい、かなしい、かな

日常詩

今注目の詩人と言われている人の作品を見たら そこにはものすごく暗い、十代の記録があった 苦しみを昇華し、羽ばたいたストーリーを見て こんな事は書けないと思った 嫌な事があっても適当に誤魔化す癖があるから 研ぎ澄まされない感性と言葉 そして致命的なのは頭が悪い事 みんなが知っている事を知らない 芸術家なら 破滅すればするほどいいものが できるという噂があるね だとしたらそちら側には行けない 空は緑では無いし セピア色の景色は写真だけ 悲しければ笑わないような 普通の世界に

色彩の無い生活、または黒5

話がしたいがうまくいかない 好きなにおいをかぎたいけど、どこにも出られない 触れたいが動けない 思考以外の場所を知らない いつも聞こえる気遣わしげな声にいら立つけど、それが途切れると不安になる 早く自由になりたいが、その時期が誰かの判断で決まるのはおかしいと思う たまにどうしようもなく腹が立って喚くけど、「不穏」という言葉で決めつけられるのは不当だと思う ぞんざいに扱われるたびに消えてしまいたくなる 優しい人には迷惑をかけてしまう 怖い人の前では石になる 人生が黒5だ