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ジャンルが何なのか分からないのですが、いちおう「詩」という事で書いてます。
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2022年4月の記事一覧

欲望の狭間で見上げた景色の事を語ろう

とくに語る事などないけれど もう疲れてしまった事は確かで それにするべきことは山積みだったりして だからピリオドを打つため 少しだけ話をさせて 人に優しくするという事は 自分を削る行為だ なぜなら人は欲しいものを手にした時にしか 笑わないのだから 人を笑わせる人は どんどん小さくなってしまいには 消しゴムみたいな最期を遂げるんだ もしも君がそんな姿になったら 私は嫌だな だから言いたい 優しい人になんかならなくていい 人に優しくしなくていい なぜなら人はそもそも優しくな

太陽と月のような夫婦

いつも来るお客さん 登山スタイルのペアルック 180センチ越えの旦那さんと 150センチも無い奥さん ふたりは揃って不機嫌な表情で 一言も発しない 奥さんはいつも小銭しか出さないが 旦那さんは黙ってお金を払う ふたりはいつも一緒 多分お互いにときめいてはいない 夫婦の付き合いってたぶん つまらないものだろうけど 時が経つってそういう事 若葉が枯葉になるように 自然な事なんだよね

言い訳

幸せにできないと分かっているから 友達のままでいよう 愛とか そんな事言わないで 僕ら いつまでも惹かれ合っていよう 幻滅しない距離で 君の背中を見ていたい どんな思想も宗教も 事実だけは変えられない ふたりで抱き合う時の 喜びを君と分かち合えない 約束なんて できないのだから 本当にあなたのこと 大切に思っています

冬のカケラ

君が生きていて良かった ただそれだけだよ ほかに言う事なんか無い いつか語り合った事 楽しみにしていた石拾い みんな別れの挨拶だったんだね 今思えば 寂しく優しい言葉だった 今までありがとう、と 君が生きていて良かった ただそれだけしか 言葉が思い浮かばない また会えるといいね 冬の花火大会 ばらばらに散った熱のカケラ いつかまたどこかで

優しかった人

何があっても味方だと言ってくれた人がいます その人はいつも優しい言葉をかけてくれました 好きです、愛していますと だけど一度だって、助けてくれた事は無かったのです そんなあなたの何を信じたらいいというのでしょうか あなたに興味は無いと言いながら わたしが見ていない所で わたしのために人を殴った人がいました それは一度だけではありませんでした その人は一度も振り返らないから 顔を見た事もありません なぜでしょう 愛を語る人よりも ただ愛する人の方が 心に残っています

愛するという事について

愛は愚直 愛は、温かい 愛は苦しみ 愛は、突然目の前にいる 誰かの目を気にしていたら その愛は逃げて行く 一瞬のためらいが 永遠の別れ もしも見つけたなら 大切にしてください 言葉にしないで

ヒリヒリ

目の前でふたりの人が静かに争っています いつもさんにんで会っていたのに ふたりで遊んでいた事をあの人が 話してしまったから 言わなければいいのに 驚いた顔で私を見ている その視線が痛い 別の話をして欲しいけど 私からは言えない 何でこうなった なにもやましい事は無かったのに 何かあったかのようになってる 言い訳をすればするほど 疑われている気がする 逃げ出したいレストランで 煙草に火を点けた