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短編集

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別名義で投稿していた小説を、自選で掲載しています。
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#子供

死神

あるところに、惨めな子供がいました。彼の名前は「ジョイ(喜び)」。名前の通りの人生だったらこの少年はきっと、死神を見ることは無かったのかもしれません。 ジョイが八っつの時の、冬の夜の事です。ジョイは寒さと空腹で眠れないので、仕方なく、くたびれた毛布を体に巻き付けてじっと耐えていたのです。隣の部屋から、酔いつぶれた父親の大いびきが聞こえてきます。 こういう時の、ジョイの気持ちといったらどんなものかというと……おやじがこのまま朝まで目を覚まさなければいいのに。だけどあんなに大