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<過去への時間旅行は可能なのか>

 SF文学や論文では、時間にまつわる話も多く、どれも人気だ。例えば、「バックトゥー・ザ・フューチャー」では、デロリアンという車に乗車。時速140キロメートルのスピードで走行して、過去や未来に行くが、
対して「時をかける少女」では、行きたい時間を念じてジャンプすると、タイムリープという形で過去に戻れる。

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この考察日記では、誰もが考えたことのある「タイムトラベル」について、2つの前提知識と専門家の意見をもとに深掘りしている。
 まず調査の動機は、 このオンライン寺子屋に参加してから、何ヶ月かに一回、考察日記を発表する。という目標があり、
アニメや漫画のように、時間旅行が出来るのか、という少し現実離れした事を調べてみたかったからだ。

<前提知識>


 これから説明する上で、二つほど知っておいて欲しい前堤知識がある。
 一つ目は、アインシュタインの有名な説で、相対性理論というものだ。この説はインターステラーなどで取り上げられていて、その映画は人気映画となった。
知っているかもしれないが、説明すると、光の速さに近いほど時間が遅くなったり、重力が重いほど、時間の流れが緩やかになるというものだ。しかし、これは、時間の流れを緩やかにするものであり、僕の理想的なタイムループの仕方ではない。現に、「過去にいくことは出来ない」という結果が研究者から出ている。これが一つ目だ。
 二つ目は、時間を変化とする説だ。僕は浅井さんに話を聞いた。浅井さんは元JAXAの研究員で、今は東日本国際大学の教授をしている。
浅井の見解はこうだ。例えば、全ての”物質の変化”が止まったとき、もちろん脳も物質なので停止する。そして、脳が止まれば意識も停止し、時間を認知できないだろう。このように、

変化が止まれば時間が止まる=時間は変化の総称」

という解釈が、浅井さんの考え方だ。

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<本題>

 本題に入ろう。浅井さんは、全ての物質の変化が止まった場合に、実質時間がなくなる。と言っていたが、その意見が正しいとした上で、イメージしよう。時間が変化の総称なのであれば、過去への時間旅行は、変化を巻き戻せば可能という事になる。だが、図を見て欲しい。

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時間の進み方は、上のようになっている。

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浅井さんの考え方は上のように、変化を戻すと何度も過去と未来を行き来できる。しかし、観察者というものを入れて考えると、下のように見える。

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これを見ると、記憶を戻しても過去に似た未来を繰り返しているだけで、
実際にはタイムループはしていないのではないか、という疑問が生まれる。他にも、時間を変化の総称とする意見には疑点がある。
それは、時間は変化により生まれるのではなく、脳により生まれるのではないか、ということだ。先ほどの仮説では、

物質の動きが止まる

脳が止まる

意識が停止し、時間の認識ができない

という流れだったが、実際は物質が止まる必要はないのだ。なぜなら脳が止まるだけで時間がなくなるということは、脳を停止できれば物質など関係ないからだ。というか、時間が止まる根源は、脳である。ということになる。

<時間が脳であるという考え>


 僕は、僕の考察(時間は脳ではないか)を伝えた上で元マックスプランク研究所の研究員で、脳科学者の大黒達也さんに意見を聞いたところ、

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脳は細かい部分まで意味があり時間を司る部位がないと言われた。
そこで僕は、時間を司る部位は側頭葉ではないか、という結論を出した。側頭葉には、主に言語と記憶の働きがある。そしてその2つは時間に関係しているのではないかと考えている。

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言語が時間に関係していると考えるわけは、ブラジル・アマゾナス州のマイシ川沿いに居住するピダハン族という部族がいて、ピダハン族には色や数字、時間を意味する言語がなく、それにより”今”この瞬間しか認識していないらしい。

 他に、時間を形成するのに記憶が必要だ。なぜなら、記憶がなければ自分が連続した時間の中に生きていることが証明できないからだ。
他にも、世界5分前仮説という仮説がある。有名だが説明すると、この世界実は5分前に始まったのではないかという仮説だ。
例えば、10分間お湯を温めていて、5分経ったと思っていても、実は5分前に少し温まったお湯を用意し、
10分お湯を温めていて、5分経ったという”記憶”を入れられているだけなのかもしれないというもの。
この説はどうあがいても否定することができない。なぜなら、人は自分の記憶でしか時間の存在を証明できないからだ。
あるいは、時間を生み出しているのは記憶ということになる。ちなみに人の記憶は実際に操作することができるのか。
この質問を、大黒達也さんにしたところ、現在記憶を編集する技術はないが、将来的的には可能かもしれないとのことだ。
また、マウスを使った実験の文献もあった。


 <結論>

この調査を終え、最終的な結論だが、

過去へのタイムトラベルは不可能という結論に至った。なぜなら、時間が記憶と言語であれば、一般的に考えて過去に行く方法はまず思いつかず、記憶を巻き戻すという方法もあるが、それが本当にタイムトラベルと呼べるかは審議すべき所だろう。本当にタイムトラベルがしたければ、科学的な研究結果が出てる相対性理論を信じて、高速で飛ぶか重力の重い星にいってくれって思ったけど、そんな技術とお金があればみんな実行してるよなぁなんて考えて、やっぱりタイムトラベルは不可能かもしれないと思ったのが正直な所だ。

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