やりたいことがあるのに、時間を無駄にしている?

こんにちは、ゆーきです。

ここまでサッカーの話を続けてきましたが、いろんな分野に話を広げていきたいので、教育の話に踏み込んでいこうと思います。
記憶が薄れないうちに、コロナでの緊急帰国後に何をしていたのか、というところから話していきたいと思います。

1.猛威を振るい始めたコロナと緊急帰国

アカデミーでの大会の出来事の前くらいから、徐々に世界中が「どうやらヤバい」雰囲気になっていることを感じていました。
日本でもダイヤモンドプリンセス号での感染が判明し、対応が始まったのが1月末頃だったと思います。そこから2月初め頃までには日本での感染がかなり進んでしまっているなぁという印象でした。
しかし、その時には私自身もまさか帰国するような事態になるとは思っていませんでした。ウズベキスタンでは3月15日に最初の感染者が公式発表されるまで、まだ感染者はいない、という状態だったこともあり、感染者がいないウズベキスタンから、感染者が増えている日本に帰るというのは、現実的にあまり考えられない選択肢のように感じていました。同僚のコーチともこんな会話をしていました。

コーチ「ゆーき、お前は運が良いな。」
ゆ「なんで?」
コーチ「だって日本はウイルス大変なんだろう?ウズベキスタンはゼロだ。ほら、運が良いだろう?」

また、こんな会話も。

コーチ「ウズベキスタンにはコロナウイルスは来ないから大丈夫だ。」
ゆ「いや、そんなわけないでしょ。なんで来ないと言い切れるの?」
コーチ「俺たちはムスリムだからだ」
ゆ「いやいや、同じイスラム教の国のイランで感染爆発してるやないか」
コーチ「いや、イランはシーア派、俺たちはスンナ派だ。だから、大丈夫」

この時はお互いニヤニヤとしながら冗談を言っているつもりでした。
しかし、当然冗談のようにうまくいくはずもなく、次第にコーチ達もコロナに関する冗談は言わなくなっていきました。
3月半ばに協力隊の定期報告会で首都に上がり、そこで万が一に備えて地方隊員はすぐに首都に来られるように準備をしておくように、というお話がありました。私は本当に「万が一」だと思っていたのですが、定期報告会の前日にウズベキスタンでの初感染者が報告され、一旦は任地のウルゲンチに戻ったものの、3日で首都にとんぼ返りすることになりました。その時に初めて、あぁ、これは日本に帰されるパターンだ、と思いました。その時には既に右膝を痛めていて、階段の上りが痛くてキツイ状態だったので、むしろラッキーくらいに思っていました。(帰国後、手術しました) この時は日本で体調を整えて、2~3か月くらいしたら帰ってくることになるんだろうな、と、束の間の休息を日本でできるくらいに考えていて、ポン酢をいっぱい買って戻ってこようとのんきに考えていたことを覚えています。同僚のコーチ達にもほとんど挨拶できず、むしろ月曜日に何かのパーティーをするから来ないか?というような話をしたままのお別れになってしまいました。
協力隊は世界中から2000人弱が全員緊急帰国。JICAとしても史上初めての判断でした。

2.日本で待ってくれていた人たち

ウズベキスタンの首都で3週間、日本に帰国後も2週間、合計1か月以上ホテルでの生活が続きました。たまに食べると美味しいカップラーメンもさすがにしばらくは食べたくない状態になりました…
帰国後すぐに、大学時代からアルバイトでお世話になっていたお寿司屋さんの大将から、すぐに連絡が入ります。
「ゆーき、日本帰ってきたんだって?大丈夫?そして、○○さん(常連さん)の息子さんが学校休校になっちゃって勉強見てほしいらしいんだけど、いける?」
ホテルの隔離終了の帰り道にお家に寄らせていただいて、その場で話がまとまり、家庭教師をさせていただけることになりました。持つべきものは気にかけてくれる方々…これほど人の温かさが身に染みたこともありませんでした。他にもたくさんの人に迷惑とご心配をかけながら、今日も生きております…いつか恩返せるように生きていきます…!

3.待っていた教育の現実

家庭教師はすぐに始まりましたが、なかなか一筋縄ではいきませんでした。
大学生時代にも2件、家庭教師をしたことはありましたが、あの時とは状況が全く違いました。大学の時に教えていた生徒はいずれも受験まで1年を切っている状況で、今やるしかない!という雰囲気が生徒達自身にありました。
しかし、今回は高校1年生。受験はまだまだ先です。
11月から地元の中学生も見ることになりましたが、そちらも中学2年生。

二人の生徒の勉強を見始めて最初に思ったのは、本当に勉強が必要と思っている?ということです。
「学校の授業がないから教えてもらえないから勉強ができない」「宿題に出されていないからやらなかった」
二人ともに共通する姿勢として、勉強に対してとても「受け身」だということを強く感じました。そして、その意識は非常に良くない、というか、もったいないなーとも。
私も学生の頃の記憶はまだ濃く残っているので非常に良く分かります。
あえて言うならば、これは学校教育の問題点であると考えていいと思っています。
要は、先生の言ったことをよく守り、言われたことをきちんとやる生徒を育てることが、学校教育の目的のようになってしまっているということです。(これは多分に戦前から続く軍国教育の流れを汲んでいる、ように感じられます。私は戦時中のことなどは直接は知りませんが、戦時中はそれが最良だったということは理解できます。そこから教育が大きく時代の変化の波に乗り遅れたのではないかと推測しています。今のところ。) だから、何かが起こって学校の機能(命令系統)がストップしてしまうと、途端に何をしてよいのか、何故勉強をするのか、分からなくなってしまうのです。

話を家庭教師に戻していきますが、一番気になるのが、「目的意識がない」というポイントです。
例えば私はサッカーのコーチをしていますが、自分がやりたいから時間前にきちんと来て準備を済ませている、いつも一所懸命練習に取り組み、休みの日もボールを蹴っている選手と、
やる気が感じられず、いつも遅刻ギリギリか少し遅れてきて、言われた時だけやる選手では、確実に前者が上手くなります。なんとなくわかりませんか?
子ども達に聞いても確実に前者が上手くなるはず、と言うのです。
が、勉強になると、何故か言われたことしかやろうとしません。(何なら、言われたことすらやりません…)
私はまず、何故やらないのか?という原因を探ることにしました。今までやっていないのだから、やればできるようになることは確実だからです。
ここに対しては2人の感覚は違いました。
1人は、自分がやっていない、勉強が(まだ)できない、ということに対する自覚がありませんでした。この生徒に必要なのは、「自覚」と「環境」です。
もう一人の生徒は空いた時間にひたすらゲームをしているようです。
2人に模試を受けてもらいましたが、1人目はそこである程度自分の遅れを自覚し、自分で勉強を進めてくるようになりました。
2人目はそのテストの結果を受けて、「ヤバいと思う」とは言いつつ、行動が変わることはありませんでした。

4.とにかく時間を無駄にしているよ

こんなことを言うと専業の家庭教師の方々に怒られそうですが、家庭教師がやりがちな間違いの一つに「丁寧に教える、授業の質を上げる、ところに注力する」があると思っています。もちろん多少の効果はあると思いますが、努力量の割に成果が上がりにくいんじゃないかと思います。どうでしょうか?
家庭教師が生徒と関わる時間は1週間168時間のうち、たったの3時間か4時間程度です。その3~4時間の質を上げることにこだわるより、他の165時間程度の時間の使い方にフォーカスするほうがよっぽど効率的です。単純に50倍以上の時間があるからです。これは学校の教員やサッカーのコーチにも言えることだと思っています。要するに、「勉強の仕方」を教え、「自分でどれだけ勉強するか」が重要だということです。
少し論理的に考えれば分かることだと思いますが、こうなっていかないことに理由もあると思っています。
教える側の事情で言うと、継続してもらわないと仕事がなくなってしまう、収入源がなくなってしまう、ということがあります。ビジネスモデルとして、成功すると顧客が離れるビジネスモデルだということですね。ダイエットなんかも同じかもしれません。
次に依頼側の事情として先生や授業の質を唯一絶対の指標にしてしまう、ということがあります。○○大卒とかの肩書は分かりやすいですし、見ていれば良い授業というのは分かる場合も多いからです。が、その他の時間に生徒自らが吸収しようとしなければ、意味はありません。
その意味で、私は家庭教師をやるには良い状態でした。当初は協力隊としていつ戻れるか分からなかったですし、戻れる目処が立たなくなってからも次の仕事の関係で最長3月まで、という終わりが明確に決まっていました。つまり、「私の存在」に依存する形を取り続けていたのでは上手くいかない、ということが最初から分かっていたのです。

1人目はあまり心配していません。勉強ができないというのは、基本的には圧倒的な「反復練習の不足」である場合がほとんどなので、自主的に勉強しだした時点で、いずれ成績が伸びることは確実です。問題集の解説が読めるようになればほぼ問題ありません。
現時点での問題は2人目です。最近やっと言いたいことが伝わってきたのか、2人で決めた課題に関してはやってくるようになってきました。まだ甘いのですが、もう少しかなぁというところまで来ています。
2人目とどんな話をしているのか、ということを少しだけ書きたいと思います。

2人目はとにかくゲームが好きなようです。それで、ゲームをやるためには時間が必要じゃないですか?
今勉強しないということは、将来(とりあえず直近だと1年後に来る受験ですよね)必ず今無駄にしている時間の分まで取り返すために、何倍もの時間を消費しなきゃいけなくなって、さらに好きなことをやる時間が減ることが目に見えているけど、それでいいの?という話をしています。
強調していることは以下の3点です。
・学校の授業最優先
中学校までの授業は義務教育なので、基本的に受けなければいけない授業の時間です。この時間はゲームはできません。であればその時間フルに吸収して、それ以外の時間で好きなことをやったほうが絶対良いじゃないですか。だから、提出物を出すのは当たり前、小テストは範囲をあらかじめ教えてくれてるんだから毎回満点取るつもりでやりなーという話をしています。
・なるべく遅れない、遅れは1秒でも早く取り返す
これも学校の授業最優先に繋がってきますが、一度遅れると取り返すまでの時間と、今進んでいる授業の時間がダブルで無駄になります。本当はそもそも遅れないのが一番いいです。ですが、遅れてしまったものは仕方ないので1秒でも早く取り返すことを考えます。
・毎日少しずつやる
これも無駄にしないということです。せっかく勉強したことも、1日経つと67%忘れます。一か月後には約80%忘れます。有名なエビングハウスの忘却曲線というやつです。つまり、せっかく時間を使ったのに忘れる部分は全部無駄ですよね。だから忘れないように、毎日少しずつ、コツコツやったほうが得じゃない?と言っています。

この3点を伝えたうえで、それでも今ゲームがしたい、勉強したくないというのであれば、それはいいんじゃない?そしたら今家庭教師要らなくない?という話です。正直に言えば、彼が勉強しなくても私の人生には何の影響もないですし、私は勉強したほうが良いよ、楽だよ、とは思いますが、勉強しなさいよ!とは思いません。彼が人生を選ぶのであればそれで良いです。
ですが、学校は何故やるのか?というところにフォーカスすることができていないんでしょうね、きっと…4月からの私のチャレンジが楽しみです。

そんなこんなで、緊急帰国した後の時間もいろんな方に助けてもらって、そこそこ有意義な時間にできています。本当に感謝ですね!
後1か月半、今返せる部分は全力で今お返しして、そこから得られたものも4月から社会に全力で活かして返していきます!!
複利効果、最強!!!

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