日々のこと 0918
「会えてよかった、会えて嬉しい」と思うものが、時々生活の中に舞い込んできます。「ようこそ!」と言うべきなのか、言われるべきなのか分からないけど、最近「会えてよかった、ありがとう!」とときめいたモノを紹介します。
●その1:佐伯慎亮さん『リバーサイド』(2017年・赤々舎)
名前も全然知らず、たまたま見たネットの記事。そこにあった数点の写真にとにかく引き付けられ、インタビューの文字をすっ飛ばして、ザーッと写真だけ見た。そしてすぐさま本屋に行って、その写真集を買いました。
圧倒的な生に溢れている。だけどそこに同時にあるのは、死。
家族の死、ちいさな生命、いつもの時間、いつもの風景。日常にありふれているのに、鮮やかに力を放つもの。
生きることと死ぬこと、そこに差し込む共通言語としての、光。
見つめる視線は柔らか。光の中で切り取られた、暮らしの中の風景。
鮮烈でビビッドで、でも変哲がなく当たり前で、こんなに強い光を発しているのに、それはとても優しくて柔らかい。脈々と繰り返す生死と、そこに流れる静かな無常観。
「なんだろ、この人はシャーマンかな?」と思った。
おうちに帰ってプロフィールを調べたら、あながち外れていなかった。佐伯さんという人は、お寺の息子さんだそう。それが関係あるのかどうかわからないけど。
私は、私の周りにもあるはずの光を忘れるたびに、ページを開こうと思う。
とても好き。
会えて嬉しい。
●その2:藤岡拓太郎さん『夏がとまらない』が出るまでのアレコレ
この人も、全然知らなかった。私はあんまりWEB漫画を読まないのですが、界隈では有名な人気漫画家さんなんだと思います。2か月ほど前にあった小さなきっかけで知りました。
3年前から1ページ漫画をSNS等で発表してこられた方だそうです。それらの作品をまとめた初めての書籍が、今月末に出版されるとのこと。自分の本を良い形で広めたいと、日々いろんなアイデアを考えて工夫しておられる感じが、非常にワクワクする。
で、7月にツイッターで始められたのがコレ↓
こんなことを考えついてしまうのもすごい。「自分の本が出る」→「売れてほしい」→「どうにか自分の本だけ目立つ方法はないか」と進むのが普通ではないかしらん。楽しみながら参加型で巻き込むのも素晴らしい。そして日々紹介される本が個人的に私の趣味とかぶったのも、注目度UPしました。いやー素敵。実際コレで新たに知った本もあり、私も本屋に行く回数が増えました。
その後も次々と新たな発想で宣伝を企んでいるご様子ですが、慌てず騒がず、黙々と手を動かす感じなのも好感です。何より楽しいのが良い。方法もスマートで、SNSの使い方もサイトも完璧じゃないですか? 版元さんと連携しながらのチャレンジだと思うけど、アイデア元は常にご本人にある気がしてならない。眺めているだけでワクワクします。
サイトにある「制作日記」も面白いです。今まで発表の場をツイッターやインスタに置いてきた方が、紙の書籍にこだわり、良さを追求しながら作業が進んでいく感じが本当に良い。
日常にありそうななさそうな、一瞬のひとコマを切り取った漫画をひとつだけここに。サイトに行くといっぱい読めます。ファンが多いのも納得。
9月24日頃発売とのこと。もうすぐだー。このワクワクを見守っていると、本屋で手にした時の喜び100倍な気がします。楽しみ!
※『リバーサイド』赤々舎 http://www.akaaka.com/
※藤岡拓太郎の公式サイト https://www.takutaro.com/