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日本語を楽しむということ

「日本語は乱れてきている!」という意見がありますね。これに対して「言葉は絶えず変化するものだ!」という返しがあります。あと、クイズでも誤用を誘ったものをよく見かけますね~→【姑息、失笑、憮然などなど】。それから、いろんな検定の中で「日本語検定」なるものもあって、その内容はいわゆる「正しい日本語」についての知識をたしかめるものです【漢字、敬語、文法などなど】。まあ、こういう時に引き合いに出されるのって「若者言葉」、「流行語」なんかが多い気がします。多分、批判的な意味でひっくるめて「変わってきている」「守ろう」みたいなね。また、それとはちょっと違って、「方言」「訛り」ってのもあります。こっちは「方言っていいよね~」とか「訛っててかわいい」とか「ばあちゃんの方言が強くて意味が分からなかったわ」とかまあ、今のところ守られやすい言葉かなと。「日本から方言を無くそう!」という人はおらんわな。

さてさて、義務教育では「日本語」ではなくて「国語」という授業があります。これってのはつまり、ちょっと昔に「『日本語』って地方でばらばらだから一回まとめようか」ということで「んじゃ、東京が首都だし東京の言葉を基準にして『国語』ということで子供のころから教えようよ」と始まったのが約120年前。これで日本人は全国的に同じ言葉を理解して勉強もはかどったのでした。

それまではその地方地方で使う言葉が自分の標準語で、言葉を習うのも親・近所に限られていたわけですからそりゃ違って当然ですよね。テレビもインターネットも無いし。それから『国語』というわけで東京の言葉を大人も子供もいわゆる「標準語」を身につけ始めることになりますが、その地方の人にとってはどちらかというと方言から標準語への「変換」ではなく「追加」や「ミックス」になったと思います。さらに、日本全体で高度成長もあって色んな外国の言葉が入ってくるわ、メディアや情報の発達で時代に適した言葉が生まれては広まるわとなってきました。これができるということは、つまり日本人の言葉ってのはすごく多様性があって順応しやすいからうまくいったんだろうなぁと思ってます。

さて、最初に戻って「日本語が乱れている」というのは何を指すのでしょうか。高齢の人には昔から伝わる表現が必要と思うなら使うし、ちっちゃい子にこの言葉知らないと思ったら避けるし、悪意を込めたいなら「苦手です」じゃなくて「キモい!」というし、ビジネスでマウント取りたい人は「このアジェンダってコンプラ的にどう?」とか言うし、冗談を言われたら「なぜですか?」より「なんでやねん!」のほうが成り立つし。

そもそも言葉の基本とは???

それはもちろん「コミュニケーションツール」です。喋るにせよ、文字として残すにせよ『誰かの気持ちを誰かに伝える』ものです。必要があれば増えるし、不要なら廃れるし(減ったり無くなったりじゃなくね)、あとは自分の環境で必要なものの「チョイス」です。ということは選択肢や判断基準が多いほど自分と相手の見えない気持ちの共有がしやすいことになります。ただ、なんでも「ヤバイ!」しか言わない人が悪いとかではないです。その文脈やシチュエーションで「とってもおいしい~♪」や「うわ、おこられた!」や「キャーすごく嬉しい!」とは分かるわけですから、あくまで自分が選択肢が多い方が良いと思うならそうすればいいのではないかな。相手に強要するものでもないかなと。

絵本も、小説も、哲学書もいろんな角度からの日本語の本に出合ってはニコニコ読んでますが、改めて日本語って楽し~♪

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