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足と丹田

「身体がやわらかいと怪我をしにくい」と言われています。

これを言う人の、その「やわらかい」とは何を示しているのか?

『関節の可動域が広い』

A.自分が身体を動かして広がる可動域
B.誰かに動かされて広がる可動域(床にべたっと開脚もこっち)

これらはどちらも『関節の可動域が広い』になりますが、意味が違います。

競技力アップ、質的改善を目指すなら身につけないといけないのはAの可動域です。

Bはただ関節が緩いというだけな場合があります。その場合、脱臼を起こしやすかったり、運動による慣性の力で四肢末端が意図せず動いてしまいコントロールが効かないことも多いのです。

【自分の身体を思ったとおりに動かす能力】

私がいう「身体が繋がっている状態」とは、

感覚として、
自分の身体が末端から末端まで知覚できている状態

構造として、
アライメントが整っている状態

機能として、
動員される筋肉に偏りが少なくバランスが整っていて神経が通っている状態

このとき、自分の身体は思ったとおりに動いてくれます。

ダンスやバレエを習う人は関節が緩い人が多いです。一般的な可動域以上の高い柔軟性が必要になるため、意図的に緩くなるような過度なストレッチを要求され、また実行されています。

まずはBの可動域の獲得を…といった具合ですが、もともとそこまで身体が柔らかくないけれど努力して可動域を獲得した場合、それを制御し、四肢を自分でコントロールできるようにする力が必要になります。その力を高めるトレーニングは一般の人が行う筋力アップのトレーニングも含まれていますが、身体のコントロール能力が上がる人と、そうではない人がいます。

その違いの一つには丹田にあると私は思っています。

丹田とは、臍下三寸(おへその下9cm)のあたり

と、故 折田克子先生(舞踊家)に習いました。

※丹田にも様々ないわれがありますが、私のいう丹田はここです。

丹田に力が入っているか否か。

股関節が適切なところにある(アライメントが整っている/ちゃんとハマっている)とき、丹田には自然と力が入ります。自分で「ふぬっ!」と込める必要はありません。

立っている状態で股関節が適切なところにある状況をつくるためには、その下から積み直す必要があります。

つまり足が適切に地面を押せているかということになるのです。

身体が足で地面を押せる状況にあれば、股関節はハマり、丹田には力が入る状態になります。

なので足で地面を押せる状況をつくることが大事になってきます。

足で地面を押せるとはどういうことか。

感覚としては、

足裏全体(よく絵に描かれる足跡👣の形)が床に触れている状態

-土踏まずは地面に当たらず、それ以外は地面に接していて、5本の指が伸び、力まず地面に触れている-

真っ直ぐに立っている(静止)場合は内踝の真下に体重がストンと落ちついている状態

です。しかしながら、そもそもこの足裏で自分の状態を感じる力が弱い方が多いのが現状ですよね。

そのため、まずは足指をストレッチし、足指の中に手を入れて(こうすることによってアライメントが整う)、足指を握ったり足裏に触れたりして柔らかい足裏をつくる必要があるのです。

足裏が柔らかくなることで、身体の感度が上がります。

足首や股関節など関節のハマり具合を感じられるようになります。これは運動神経の良し悪しに関係なく、誰にでも起こることです。(今のところ、身体感覚に全く変化がない、という人はいません)

足の在り方が

丹田の在り方を決め、

丹田の在り方が

四肢末端のコントロール力を決めている

身体には様々な機能が備わっているためこれは一つの考え方でありますが、足が崩れている人が多い現代人にとって、また怪我が絶えないスポーツやダンスにおいて、持っておきたい考え方だと思います。

冒頭では関節が緩い人のことを書きました。

では身体が硬い人ではどんな変化が起こるのか?

それはまた別のところで書こうと思いますが、
先に答えをいうと、

身体が硬い人…関節の可動域が狭い人は、その可動域が広くなります。

身体が整うというのは、そういうことが起こるのです。

身体を整える始まりは、足です。

身体が硬い人も緩い人も、足を大事に、土台を丁寧につくることを大事にされてください。

西園美彌

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