わたし野球なんて大嫌いだった、なんだよ「開幕投手」って

野球なんて大嫌いだった。

春になると聞こえてくる「開幕」って言葉。
なんだよ、舞台でもないのに「開”幕”」とか言っちゃって。

しかも、春になったから始めるんでしょ?
それって毎年、決まってるんでしょ?
毎年おんなじなのに、カイマクカイマク騒いじゃって…

しかも、え?なに??
「開幕投手」とか。
野球って、投げるひとはいつも居ますよね?
わたし、野球のことよくわかんないけど、それくらいは知ってます。

毎年、時期が来ると始まるって決まってるもので
いつもいる人が投げることを

そんなに騒ぐ必要、あります?!?!?

…という憤りを感じながら長年過ごしてきたわたしなのに。
どうして、どうして今年の開幕投手発表を受けて、「うおぉぉ…決まった…」と期待に胸膨らませているの…?

うん、今ならわかるよ…
「開幕」の待ち遠しさ。そして「開幕投手」への祈るような気持ち。

永い冬(という名のオフシーズン)を抜け、いや、選手たちにとってはその時期こそ水面下で鍛錬する大切なとき、を抜け、春のキャンプで己の力をアピールする彼らを
「おっ、身体絞ってきたね」とか
「ちょっとフォーム変えたかな?」とか
「はー、怪我には注意してくれよ…」とか
わくわくしながら見守り、
そののちに、ついに発表された「開 幕 投 手」…!!!

そっかそっか、やっぱりそうだよな…!
調子よさそうだったもんね…!
圧倒的な仕上がりの良さだもんね、そりゃあ監督だって同じ考えだよね…!!
いや、でももしかして別のピッチャーて手もあるよなぁ、とチラッと考えたりもしたんだよね、去年急成長した彼とかさ、今年新加入の彼とかさ…!!でもなー、そうだよなー、やっぱり彼しかいないよなーウチの開幕投手は!!!

…。えへへ。
ね、なんでこんなに胸が高鳴るんでしょうか。開幕、そして開幕投手。

まだまだわたしは野球ファン素人なので、正直、「開幕投手」の定義の正しいところはわかんないけど、
前のシーズンが終わって、よっしゃまた次もがんばるぜ、からの、選手それぞれのトレーニングや研究や試行錯誤と、チームを動かす人たちの思惑あれやこれや、を経ての、

「はい!!ウチは!!今年は!!彼が投げるところからスタートです!!周りのみなさま覚悟しといてください!!」

っていう、成果発表アンド意思表示アンド決意表明アンド宣戦布告みたいなやつ、なわけでしょ?

それをさぁ、全球団が、ばしーんと突き付けてくるわけでしょ?
うぉぉ…
これは…
胸が高鳴るぜ…!!!

野球界の元日とか言われる2月1日は、選手たちにとっての一年の始まりとしてだけじゃなく、わたしの気分や生活リズムを左右する、めちゃくちゃ大きな流れが動き始めた日、だと感じたのだけど、
開幕は、その流れからまず最初の波が、ざっばーーーー!!ずざざざざーー!!とやってきた感じ(その上に開幕投手が立っている)。

それはそれはもう、本当に一大事。
わたしは喜んで、その波に呑まれちゃう。ユニフォーム着て、応援スティック持って、にこにこしながら溺れようじゃないの。




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