見出し画像

【くろしおで学ぼう】文章ワンポイント講座

 このコンテンツは、これまで宮崎日日新聞1面に掲載したコラム「くろしお」を紹介しつつ、文章をコンパクトに分かりやすくまとめる工夫や、心に響く言葉選びのテクニックなどを筆者がこまかく解説します。

このコンテンツは2022年10月9日~2024年3月25日まで本紙「教育の広場」面に掲載されました。登場される方の団体・職業・年齢等は掲載時のものです。ご了承ください。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

🖌 はじめに 🖌

 はじめまして。
 私は今、宮崎日日新聞社1面下のコラム「くろしお」を担当しています。新聞のコラムと、みなさんが日ごろ学校生活で書く文章とでは、いろんな意味で違いがあります。しかし、「文章」という点では同じです。
 私自身がこれまでコラムを書いてきた中で学んだ「文章を書く上でのちょっとしたコツ」を紹介することで、みなさんが文章を書くときに少しでも役に立てれば-。そんな思いでこのコーナーを始めます。
 もちろん「くろしお」は常に「お手本」ではありません。私自身、新聞に載った後で「ここはこうすればよかったな」と思うことが少なからずあり、そうした反省点も“教材”として活用できればと思います。
 あくまでも、学校で教わる「文章の書き方」が基本です。その基本に立って、これからこの欄で紹介する「コツ」を、必要に応じて一つでも二つでも使ってみていただければ幸いです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1 まずはテーマを選ぼう

 文章を書くに当たって最初にやること。それは「テーマ選び」です」。
 みなさんは、文章を書くとき、テーマを与えられる方がいいですか? それとも自由に書く方が好きですか?

 上のコラムは、プロ野球・ロッテの佐々木朗希投手が「ほぼ2試合連続パーフェクトピッチング」をした翌日のものです。
 実はその前日、すでに別のテーマでコラムを書いていました。ところが、原稿がほぼ完成したときに、この佐々木投手の快挙のニュースが飛び込んできました。「これは早くコラムにも載せねば」と、そこからその日の締めきりに間に合うよう大急ぎで一から書き上げました。
 こういうことは、よくあります。大きな事件や事故が起きたり、有名人が亡くなったりしたときがそうです。それは、思いもしなかった「お題」を突然与えられるということです。まるでテレビ番組の「大喜利」の回答者になったような気持ちになります。
 一方、特別なことがない日はない日で「何を書こうか」と悩みます。
 みなさんも学校で「題材は自由です」と言われたとき、同じ気持ちになるのではないでしょうか。中には「何を書いていいか分からないから、文章を書くのは好きじゃない」という人もいるかもしれません。
 でも、あまり難しく考える必要はありません。日々の暮らしの中で楽しかったこと、悲しかったこと、不満、心に響いた人の言葉、今自分自身が強く思っていることなど、親しいだれかに聞いてほしいことを文字にしてみるぐらいの気持ちでいいと思います。
 そして、その「誰かに聞いてほしい」ことが決まったら、それが伝える相手により分かりやすく伝わるように「肉付け」をしたり、反対に「余分なものをそぎ落としたり」していく。それらの方法について、次回から紹介していきたいと思います。

ーーー  ▼▼▼ーーー  

ここから先は

15,663字 / 33画像

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?