見出し画像

【生成AIの現在】適切な有効利用法模索と懸念点

割引あり

発端は僕のあるツイートだ↓

https://twitter.com/miyamoto_fox/status/1806269964044910937

まず初めに謝ることがあります、それは一連のツイート関連で「AI」というデカい主語を使ったことです。
主語を切り分けてこの後の文章をお読みください。

このツイートを皮切りに、僕の小説に話が飛び火する。

「フェイクヌードの被害にあったと言っているが、お前だって生成AIイラストを使ってんじゃねぇか!!」

主張は以下にまとめました。

  • 「生成AIを使ってんだから自業自得。勝手に困ってろ」

  • 「生成AIイラストを使っておきながら、自分がフェイクヌードの対象にされると騒ぐとか、ダブルスタンダードにも程がある」

  • 「おもんねー小説に、おもんねーコスプレしてるやつが騒ぐなよw」

  • 「お前も生成AI利用してる時点でお前も叩いていい奴!反省もしてないし人として終わってる!」

こんなとこ。
もうね、すごい。「AI」という超でかいカテゴリに含まれているからか、AIポルノ=フェイクヌードと生成AIイラストを混同しているのが既に変。
僕のフェイクヌード被害は「生成AIにやられたアイコラ」です。

※生成AI技術はAIの中の一つのカテゴリと捉えているため、別単語として使わせていただきます。

次に、僕は言われて気づいたんですけど、セカンドレイプ(性的二次被害。 レイプなどの性犯罪・性暴力の被害者が、その後の経過において、更なる心理的社会的ダメージを受けること)に近いことをされたとこですよね。

だが、ぶっちゃけ今回したい話はそんなところではない。

そんな論外なレベルのことを論じてたら時間がどれだけあっても足りない。
僕がしたい話は、AIフェイクヌードの被害者の一人として

今後生成AIはどのように有効活用すべきか、そしてどのような危険性がありそれを規制していくか

このような本質的な問題を考えていきたい所存でございます。
ぶっちゃけ対立したり、誰かを叩いたりしても生成AIを取り巻く環境への進歩には全く近づかないことは明々白々です。
1番にすべきはバイアスを掛けずにフラットに意見を出し合い、それを企業や立法へ訴えること。

生成AIについて肯定的でも、否定的でもいいのでほんの1ミリでも考えたことのある方は読んでほしい。

僕の立場

まず僕の立場と主義を明文化します。

【生成AIは今後有効活用できる範囲であれば使っても良いと思う。
ただし、法整備が追いついてないことも事実であり、適切な運用・規制が求められる】

です。
AIも、生成AIも全体を「すべて悪」「すべて善」と断じるのは早計だと感じているのが一番ですね。
実際仕事上でAI自体を使うことは絶対に、ある。※1

チャットボットなどはAIですし、生成AIに関しても、過去の回答や返答事例・謝罪メールなどを学習したデータの元、メール文やプレゼン資料に利用されることが常日頃となりつつあります。

片一方で生成AIについては、その学習データのもとに関しては議論されるべきポイントはあるでしょう。
版権元のデータを過剰に学習させ海賊版の漫画を発行したり、ゲームデータの過学習により同じシステムの違うゲームを出す、などは著作権に抵触する可能性があります。

今回の僕のような生成AIによるアイコラは確実にアウト。
実例を鑑みると、フェイクポルノで逮捕された場合、名誉毀損罪、著作権法違反、わいせつ物頒布罪のいずれかに該当する可能性があるものです。
つまり、生成AIアイコラは明確に法律違反に該当するものですね。

このように、有効利用もできるが悪用もできる存在。それがAIや生成AI。
結局はAI・生成AIというツール自体より、それを使う人にその是非は依拠するのでしょう。
そしてその使う人を縛るものこそ法律、といったところでしょうか。

規制無き自由は暴走を生む。
これが僕の立場です。

ツールの出現と人の心理

生成AIを考えるにあたって、次にツールと人の心理の付き合い方について振り返りましょう。
皆さんは「カメラ」を使ったことありますか?
多分みんなが使ったことがあることでしょう。

そのカメラが人類史にでてきた時、どんなことを言われていたか?

「今日を限りに絵画は死んだ」
―――――ポール・ドラローシュ

この言葉の意味をご存知でしょうか。
歴史において、写真と絵画の戦いの火蓋が切って落とされたのです。
この言葉だけが「カメラは絵画の敵だ」「カメラの存在が絵の存在を脅かす!カメラ反対!」
という声があったことは想像に難くないでしょう。

実際に精密画家や肖像画家たちは職を失いました。
失った人のうち、ある者は失業し、ある者はリアルを表現することから感情を表現することで生き残りました。

今日、カメラも絵画も住み分けをしてどちらも芸術のカテゴリに属する存在となっています。

つまり、人間というのは新しいツールが現れた時、それを拒否する心理が働くように出来ていることを歴史が証明しています。
そして人間は、新ツールを従来のツールと別に受け入れて活用する能力を持っています。

僕は今回の生成AIとイラストにおいても同じ流れとして、住み分けをして並行存在していくことが理想と思っています。

生成AIの適切な有効利用方法とは

ではそのような良し悪しのあるツールをどう扱っていくべきか?
有効な利用方法から考えてみましょう。

1.コンテンツ制作支援

まず、業務のプロセス効率化や省略化が可能です。
初期のコンセプト作成や下書きの時間を大幅に削減することで、以前より業務効率化を行えます。
残業大国日本には必要な面かもしれない。

2.アクセシビリティの向上

描画スキルがなくても、アイデアを視覚化できるため従来より高レベルのプレゼン資料が作成可能です。
小規模ビジネスや個人でも高品質な画像素材を入手可能ですから、
「アイデアも良く、新しいビジネスだがメリットが想像がしにくい商材だったもの」
が売りやすい環境を作り出せます。

3.大量生成の可能性

商品バリエーションやパターンデザインなど、検討可能なデザインを素早く大量に出せます。
中には人が思いつかなかったデザインが出る可能性もあります。

以上のメリットを元に、企業が導入した例では

  • 広告クリエイティブ制作のへの活用

  • 円谷プロでは高齢の特撮俳優を、撮影当時の姿で動画生成

  • ゲーム会社のレベルファイブは、画像生成AIでゲーム画面のレイアウト案を生成

していますね。

AI全体で見ると、言語処理や翻訳、業務自動化……などなどAI全体の活用は既に社会のあちこちに見られますし、生成AIもその一員になっていく可能性は十二分にあるかもしれません。


生成AIの懸念点とは

一方で、懸念される点もあります

1.著作権の問題 

既存の作品から学習した生成AIが出力する画像の著作権が不明確です。
コレが最も議論を呼んでいる点でしょう。
特に前述の過学習された生成AIによる、盗作であれば著作権に抵触しかねないですね。

2.アーティストの仕事への影響 

カメラが台頭した時に、一部のイラストレーターなどの仕事が減少する可能性があります。
イラストレーターは新たな付加価値が求められる時代も考えられます。

3.偽情報の拡散

2次元・3次元問わず、権利元が作ってなかったり、現実にはない画像を簡単に作れるため、悪用される懸念があります。

4.バイアスや倫理的問題

 学習データや設計によっては、不適切な内容を生成する可能性があります。
そもそも学習データ自体の著作権を危惧する声もある以上、現時点では感情的に寄り添いにくいツールになっていることは想像に難くないです。

以上の内容を踏まえると、生成AI全体を「すべて悪」「すべて善」と断じるのは早計で、適切な技術の運用が最も大事かなと感じてます。

あくまで僕の意見ですが。個人ができる範囲で表現に限界があるものは、生成AIの助けがあっても良いと思います。
レイアウトや案出しをする企画職を雇えない企業において、案を出しまくるために使ったりなど。
「すべて悪」と断じるのは、(一旦AI絵師を除く)同じクリエイターの刃となる可能性もあると思います。

逆もまた然りで、「すべてを善」と断じることもまたクリエイターに刃を向ける可能性も出てくると感じます。

(AI絵師を除いたのは、もしかしたらそれを必要とするポジションが今後生まれる可能性もあれば、片一方で自己顕示欲が肥大化した勘違いAI絵師が文化破壊に助力する可能性もあり、現時点で判断がつかないため)

最たる課題点は2つ

ではAIを適切に運用するにはどうすればいいのか?

1.法的規制

法的規制の前に例え話を。

A国が苺を作りました。
「この苺は、今までより美味しく低コストで2倍の収穫ができる!画期的な『スーパー苺』です!」

ところが、隣のB国はこのスーパー苺の種を盗んでしまいました。
そしてこういうのです。
「このスーパー苺は我が国が威信をかけて開発した苺!
世界に向けてブランド化して売る!」

一方A国内では喫茶店Xである試みがされました。
「弊社ではスーパー苺を使ったミックスジュースを売ります!
本来の主力はパンケーキですが、ミックスジュースがセットだとバカ売れするんだ」

……このB国がやったことは「窃盗」です。立派な犯罪。
一方喫茶店Xがやってるのは仕入れを行ったうえでの加工・販売です。こちらはセーフ。
ただし、この仕入れが正規のルートであればセーフですが、違法な方法での仕入れの場合喫茶店Xも罪に問われます。

では、そんな喩え話があったところで…。
著作権法違反はすでにあるので、別視点で法的規制を。
もちろん、僕のジャストアイデアですし法律の専門家でもありませんため、あくまで一案として聞いてください。

例えば、生成AI開発会社のデータセットに公開義務を取り付ける。
どんなデータを使っているのか明示されることで透明性を高めるパターンです。

成功事例としては絵藍ミツアさん

彼女は、ハッシュタグ「#みつあ勉強用」がついたTwitterの投稿に含まれる言葉をキーワードにしてTwitter上で画像を収集し、収集された画像を学習データに取り込み学習を行います。
コレは、学習元のデータが明示され、両者同意のもと学習データセットが組まれている非常に良い例ですね。

他にも学習データセットに利用することへ、許諾を取ることを義務付けるとかはどうでしょうか。
学習中のデータとして供出したデータであれば、する側・される側合意の上なのであまり問題は起きなさそう。

あまりにも誰か個人が特定可能なほど似ている絵柄(または生成AIでの複製)であれば、現行の著作権が保護してくれるためその辺は新たな法律は必要ないのかな、とは思います。
任天堂などなどが新たに問題視している生成AIの危惧はこの過学習による特定可能なほど似ている絵柄の話をしていると推察されます。

まあこのように苺とミックスジュースの話のように、仕入れ方法の確保と明示がされれば僕は良いと思っています。

2.許可制・認可制の導入

これはフォロワーさんのアイデアになります。
この話をする前に一旦名詞の切り分けをします。
・AI絵師→シンプルに生成AIを使ってイラストを生成している方々
・肥大化AI絵師→生成AIを使って肥大化した慢心を振りかざすようになったAI絵師
・生成AIクリエイター→生成AIを利用して企業のアイデア出しや広告テストなど活用により企業で活躍する生成AI利用者

とりあえずこんな感じ。
で、AI絵師・生成AIクリエイターをただただ放置にしておくと、どんどん氾濫していきます。
同時に、無造作・無秩序・無価値化を呼びます。

直近で言えばドローンのお話を思い出してください。
ドローンの国家資格が2022年12月から運用開始になりました。
これは理由があり、無秩序な状態でドローン技術を誰もかれも使った結果、人や電線との接触による事故や、その他落下事故や盗撮など…それはもういろんな事故がありました。

そこで国家資格による免許制にすることで、誰でも扱える技術ではないように施し、ビジネスシーンで是非を問わずにすんなり利用することもできるようになりました。

この話は生成AIにも適用できるのではないでしょうか?
勿論、生成AIを利用した場合の「責任の所在」が免許を持つ人間に依拠する(かも)ので、過学習をはじめとする著作権の侵害が発生した場合も責任追求しやすい未来も見えてきます。

極論、AI絵師から肥大化AI絵師になっちゃった人からもしかしたら免許はく奪も可能になるかもしれないので治安も維持されるかもしれない(希望的観測)

このように、一定の規制を設けて生成AIを運用することで現状叫ばれている・不安視されている問題を防ぐことが可能かもしれない未来を創り出せるのではないでしょうか。

総評

生成AIは、その活用次第で大きな可能性を秘めたツールである一方、適切な規制や運用がなければ様々な問題を引き起こす可能性も持ち合わせています。

歴史的に見ても、新しい技術の登場は常に社会に変革をもたらし、その過程で懸念や抵抗も生まれてきました。
生成AIもその例外ではありません。

重要なことは既に述べたとおりです。
この技術を「すべて悪」とも「すべて善」とも断じるのではなく、そのメリットとデメリットを冷静に分析し、適切な利用方法を模索することではないかと僕は思っています。

法的規制の整備や許可制・認可制の導入などは、生成AIの健全な発展と既存の権利保護のバランスを取るための有効な手段になる可能性があります。

最終的には、生成AIという新しいツールと人間社会がいかに共存し、互いの長所を活かしながら発展していくかが一番の鍵かなあ、と。
技術の進歩と倫理的配慮、創造性の尊重と効率化のバランスを取りながら、社会全体で議論を重ね、適切な運用方法を見出していくことが、まさに今、求められています。

生成AIは私たちの前に大きな可能性と課題を同時に提示しています。
この技術をどのように扱い、発展させていくかは、まさに現代社会に投げかけられた重要な問いなのです。

※1 実際にWindowsはAI学習を利用している。
利用者から利用データを取ってビッグデータ化してサービス開発している。
その昔は「勝手に個人の利用履歴を盗むのはプライバシーの侵害!」と言われていたのだが今となっては普通に受け入れられているよなーと思う。

余談:過激派反AIと生成AIアイコラと僕

さて、ここでお話は終わりですが……ここからは余談で過激派反AIのお話をしましょうかね!
(反AIとは区分けして過激派反AIと表現します)

見出しのノリは「バカとテストと召喚獣」的な〇と×と△みたいな語呂。

そんなわけで、この記事のオマケとなる要素を書かせていただきます。

せっかく俺の人格を攻撃した中に「拝金主義だなんだ」とか叩いたやつがいるそうだし、折角なのでそのお気持ちに応えましょう。

最初に伝えておくと、過激派反AIに対する僕の認識は

  • 「過激派反AI論者は反AI者に対する『味方のフリした敵である』」

  • 気に食わないものを理由をあれこれつけて燃やすキャンセルカルチャーの手先

  • そもそもにおいて「一緒に考えよう」ができない(だから反AI者の敵でもある)

といった具合である。
これが念頭にあるお話です。

さて、今回のことの発端、僕が生成AIによるフェイクポルノにあったこと。
実は

ここから先は

2,725字

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?