早石田#2 角交換型

すみません。。前回の投稿↓から4か月半も間が空いてしまいました。
拙い記事にもかかわらず、何名もの方が読んでくださったようでありがとうございます!

前回は早石田を指すうえでの超基本形を解説しました。
今回はその続きとして角交換型を進めていきます。

まずは前回の指了図。

画像1

実はこの△6三銀で居飛車側はやや失敗しています。
ここでは▲3六飛が機敏な一手。次の3四飛が非常に受けにくいのです。
以下、△8八角成▲同銀として△4五角▲6六飛(図1-1)または△3三玉(図1-2)と受けるしかありませんが先手が指しやすい展開です。

画像2

画像3

で、この先どうなるの?って方もいると思うのでもう少しだけ。
私がこれまで読んだ棋書では「角を先に手放す分後手が不満」とか「玉の位置が悪すぎて後手まとめきれない」で解説が終わっています。が評価値的にはどちらも互角です。というのも図1-1の場合は「角がいずれ5四に引いた形が対石田流では好形となりやすいから」、図1-2の場合は「意外と先手から一気に攻める手段がないから」と私は思っています。
特に図1-2の場合は、人間同士だと先手が得しようとするあまり暴発するケースが多いです(当社比)。例えば▲4五角や▲5六角とすれば34の歩は確かに守れませんが、以下△5二金▲34角△22玉と進むとこれ以上攻め手が無いうえに角が非常に負担になりやすくなります。(以前5段の方にこの手順に誘われてボコボコに負けました)

ということで、何を言いたかったかというと
先手目線:36飛は狙い筋の一つです!が一気には勝てません。
後手目線:36飛には注意です。ハメ技として誘導する方法も無くはないですが、基本的には受けるようにしましょう。受け方は↓

では最初の図に戻って、ここでは△63銀では無く△88角成(ここ大事)▲同銀△22銀とするのが安全な手順でした。これで▲36飛には△33銀と自然に受けられます。以下、▲16歩△14歩の交換を入れたところまでが図2。

画像4

先程▲36飛を受けた影響で△63銀が間に合っていません。つい▲74歩と突きたくなりますが、以下△同歩▲同飛△63銀▲76飛△74歩と進むと飛車が窮屈になるだけで先手不満です。いずれ▲77銀~▲66銀~▲75歩のような狙いが見えるかも知れませんが66銀の瞬間の△54角が厳しく基本的には成立しません。
そこで先手はもう少し陣形整備を進めるのですが、69の金をどう配置するのがいいでしょうか?
①▲58金
②▲68金
③▲78金
④その他

答えは↓








はい。お分かりの方も多いかもですが③78金が正解です。級位者の方で正解した方は本当にすごくいい感覚をお持ちだと思います。ぜひ早石田を指してほしいです。私はどうしても78金とするのに抵抗があり、3段手前くらいまではつい58金(参考1図)としてしまうことが多かったです(マジです)

画像5

58金型は確かに本美濃囲いで硬いのですが、駒が右辺に偏ってしまい角打ちの隙が生まれてしまうのです。例えば参考1図の時点では後手から角を打ち込む隙はありません。しかし、攻めるために左辺の銀桂を繰り出していく際に必ず角打ちのスペースが生じます。ですので、角交換型の石田流の場合は78金型でまず間違いありません。

左金の位置のポイント
・角交換型の場合:78金
・本組みの場合:58金(こっちは78金も無くはない)
と覚えていただければいいと思います!本組みについてもいずれ書きたいです。(きっと遠い未来)

▲78金△33銀として図3

画像6

ここまでは早石田党であればほぼ皆が目指す形(居飛車側の形はいろいろですが振り飛車が目指したい形は基本的にこれです)ですが、この先は大きく2つに方針が分かれます。
まず1つ。77に銀を繰り出していく指し方。後手の指し方次第ではいきなり▲86歩から飛車交換を狙ったり、▲66銀と出てじっくり戦うなど柔軟性があります。私はこっちが好きです。
もう1つは77に桂馬を配置して早々と石田流を完成させる指し方。こちらは左銀を79→68→59→48→39→28まで持っていき穴熊を目指すケースが多い印象です。youtuberのクロノさんがよく指してる気がします。

後者は解説できるほど経験がないので、今後は前者のみを掘り下げていきます。

ということで今回もここまで読んでいただきありがとうございました。
次回は77銀型での仕掛け部分を書きたいと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?