指す将順位戦6th⑨ここのかさん

対局準備

今回のお相手はここのかさん。今期が指す順初参加とのこと。ここまで4勝4敗ではあるものの、7回戦ではそこまで全勝のメルモンさんに初めて土を付けた実力者です。いつも通りまずは棋譜漁りから情報を集めてみます。

過去1か月分を見てみましたが、第一印象は言うなれば「戦型のデパート」でした。中飛車、三間飛車、居飛車、向かい飛車、陽動チックな振り飛車、etc. 決まった戦型しか勉強出来ていない私にとっては羨ましい限りです。多彩な戦型を指せるというのは、事前研究を防ぐ意味で指す順では非常に大きな強みですね。

しかも相手の指し手に応じて戦型を決めているわけではなく、その時々によって球種を代えている様子。非常に困った事になりました。分かったことは早石田に対しては早々に角交換を挑み、相振り飛車に持ち込むことくらい。今回はほとんど事前研究は出来ず対局を迎えました。

(今回は食べ物系のお名前じゃないんだなーと思っていたらまさかの24のHNが笑)

対局開始

▲miya-△ここのかさんに決まりました。余談ですが、私が先手になるのは今季これでやっと3回目。相振り飛車が想定される相手に先手番をもらえたことは僥倖でした。

初手から
▲76歩△34歩▲75歩△88角成▲同銀△54歩

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はい。早くも事前研究の貯金が尽きました。ここからは実力勝負です。
角交換をいれずに△54歩と突く形はよくありますが、この形は正直記憶にありません。(ウォーズ3切れくらいでは経験してるかも?)

今期▲あさねぼうさん-△ここのかさんでも類似の進行はありましたが、角交換後の一手は△42銀。

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△54歩は対miya特化の作戦なのでしょうか・・おびえながら指し手を進めていました。以下相振り飛車の駒組が進み下図。

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角打ちに気を配りながら駒組みを進めたつもりですが、どうにも後手陣のほうがのびのびしているというか進展性があるというかとにかく指しやすそうに見えます。先手は左銀を活用しないとと思いながらもそのビジョンが見えず、やや作戦負けを感じていました。

以下
▲74歩△72金▲73歩成△同銀▲77銀△44銀▲66銀△35銀

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いやーまさか居玉で速攻を狙ってくるとは。ここまでアグレッシブに来られるとは想像しておらず面食らっていました。とはいえ次に△45角とされると2筋が受からなくなる(ソフトに聞くと▲56角で受かってるらしいですが)ので、それに備え▲65銀と出ました。ここで△45角には▲56銀で大丈夫。

以下
△44角▲77角△55歩

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△44角▲77角はお相手の長考中に考えていた手で、こちらはほとんど時間を投資せずに進められました。△55歩に代えて△同角成は▲同桂で味よく桂馬を活用できるので先手良しだと読んでました。(おそらく同じ読みで角交換を拒否されたのかな)

しかし、これにより▲54銀と忍び込むことが出来たのでやや優勢を意識していました。次の▲43銀成と▲45銀を同時に受ける術がありません。
ということで後手からの反撃が始まります。

上図以下
▲54銀△26歩▲同歩△27歩▲同銀△26銀▲同銀△同飛▲27歩△76飛

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この手順を見て、「後手は苦戦を意識して局面の複雑化を目指してるな」と感じてました。(互角と思ってればさすがに76飛とはしないはず)正確に指せれば勝勢に持ち込めそうです。序盤から温存できていた時間をここでたっぷり投入します。

以下
▲43銀成△35角▲86角△78飛成▲同金△69飛

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43銀成はほぼこの一手ですが、後手はすでに秒読みです。時間攻めにもつながるため、上図までは一気に進めました。秒読みでこの局面をまとめ上げるのはかなり酷なはず。

しかし、この局面が本局最大の反省点です。

この局面で後手玉は詰んでいます。
▲52銀△同金▲31飛△41歩▲52成銀△同玉▲41飛成△同玉▲42金

時間を余しながらこれを逃す用では一手違いの将棋で勝てません。1桁手数の詰みは確実に仕留められるようになりたいところ。

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本局はなんとか逆転することなく、上図を以って後手の投了となりました。
とはいえ△71銀のときどう寄せていいか見えておらず、△56歩もいずれ厳しいですしまだまだ難しい局面だと思っていました。

序盤からうまく構想を咎め、勝ち切ることは出来たものの課題が残る対局になりました。星取りはこれで7勝2敗。ロウポンさんの記事によると、6勝2敗勢のうりゅんさん、メルモンさんのつぶし合いがある模様。

つまりこの7勝目は本当に大きいようです。
残り2戦ですが昇級目指して頑張ります!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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