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非日常に身を置ける有り難み

U・WA・SAの奴等produce 15th
Mysterious & Phantom『都立怪盗高専』

こちらのお芝居の楽曲提供&監修という形で今回関わらせて頂きまして、先日11月5日に千穐楽を無事に終えました。

今回約4年ぶりの公演ということで、長年関わらせて貰ってはいるもののこの4年お芝居用の音楽制作は全くやってなかったでリハビリを兼ねつつ新しいことにもチャレンジするという、相変わらず高いハードルを設定してくれましたww

U・WA・SAの奴等produceとの関係性

このU・WA・SAの奴等produceとの付き合いは古くって、1998年の初演の時と翌年の2作目に音響スタッフとして関わってました。

2000年末に諸事情により1995年から関わっていたもうひとつの劇団からも離れて演劇との関わりを完全に断ち切っており、僕が演劇とは無縁なその間の2003年にU・WA・SAも一旦休止状態に。

充電期間を経て2009年に1年遅れの10周年ということで初演の再演をするぞU・WA・SA復活するぞ!と。
それに当たってできればその時に関わってた人で、ということでお声がけを貰い自分も活動復活。
復活後2作品を終え、これまでは既存の音楽を使っていたのをオリジナルでやりたいと主宰からの無茶振り前向きな提案に難色を示してた僕に

「何事も新しいことに挑戦する気持ちが無くなったらやる意味ない」
「成長をするのも止めるのも自分次第」

という言葉でぶん殴ってくれた事により曲作りに取り組むことを決意。

作曲??

そんなわけで、自分で芝居用に曲作りをするようになって今年で干支1周、12年という事になるんですよね。
曲作りといっても、まともに楽器もできない自分がどうやったら楽曲制作らしきことができるのか?

音楽理論を1から勉強?
いやいやそんな余裕も時間も無い。

かといって適当にやってできるようなものでも無い。
そこで目をつけたのがMacに標準装備されてるアプリケーション「Garage Band」。
どういった代物なのかというと自分で楽器をつないで録音したり、内蔵音源をMIDIでつないだ鍵盤で演奏して録音、といったレコーディングシステムであると共に、予め著作権フリーでギターやベース、キーボードといった一通りの楽器のワンフレーズが数千と用意されていて、それらをパズルのように組み合わせて曲に仕上げられるという機能、所謂ループシーケンサーを要していて、「これやん!!」とMacユーザーな僕はすぐに飛びつき使い始めることに。

作曲というには烏滸がましい作業ではあるけど実際ちゃんと曲として仕上がる、テンポもKey変更も自由自在、シーンに合った曲を探してくるよりも自分でその雰囲気に合った曲を仕込む方が早いんですよね。
や、作るという作業自体には時間がかかるんやけど、思ってる方向に自分で持って行けるという意味ではこの方が性に合ってるなって。

そうやって長年いじってると、自分でちゃんとフレーズを作ってちゃんと作曲したと胸を張れるものを作りたいという欲も出てくるってなもんで、芝居とは関係なくちまちまと曲作りを勉強し始めて

2014年「盗りてぇヤツらがやってきた 」
2015年「鬼が棲む島からヤツらがやってきた」

で少しずつそういった曲を混ぜつつ、

2019年「盗りてぇヤツらがやってきた通!」

では歌モノにも挑戦しつつループシーケンサーに頼らずに作った新曲を提供。(とはいえ2014年の続編という立ち位置なのと、僕の本業が忙しい時期の公演だったため新曲と前作で使った曲との混合になってしまった)

正直まだまだ未熟ですし、なんでも思い通りのモノが作れるってわけではないんやけど、やり始めた頃と比べたらええもん作れてる自負はあるし(初期の頃の曲なんて恥ずかしくてよー聴きませんww)次やるならより良いものを!という思いでいてました。

常に挑戦

そしてコロナ禍を経て4年ぶりの今年、これまで通例となっていた「○○ヤツらがやってきた」というタイトルをやめたところからも心機一転感が伺えるというもの。

さて台本も送って貰い、大体のイメージをつかみつつ初めて稽古場に行った際の今回の注文

「ダンスナンバーはジャズでいきたいのでそういう曲でよろしく」

ジャズ?!
通ってきてねぇ~~~~~~~~~

ジャズって言うても本格的な、ジャズに傾倒してる人が唸るようなそういうのではなくて、○○7やミッ○ョンイン○ッシブ○のような曲調、ホーンセクションがええ感じに入ってるようなのといったご注文。

今回の内容的になるほどでもあったんです。
イメージは湧く。
ただそれをちゃんと形にできるのか?
これが不安で不安で。

4年前は覚えたて故の意固地なこだわりが災いして、変に型にはまりすぎた面白みの少ない曲に仕上がってたのを反省し、大筋は自分で作って要所要所にループシーケンサーで味付けすることで面白いモノができるであろうと考えてはいたんやけど、それでも得意分野のロック調でいくつもりやったのでまさかのジャズ調。。。

U・WA・SAの決まり事と遊べる余裕

U・WA・SAのダンスナンバーは毎回オープニングで全キャスト顔見せの意味合いがあるので、役のチーム毎に4×8(8拍を4回)ずつダンスパートがある感じで、チーム毎に曲調をシームレスに変化させながら2分で納めるという課題があるわけなんです。

1曲の完成に過去最長の2週間かかりましたww

ゆーても実作業としては4日ほど、頭の10日はフレーズを思いついて打ち込んでみては違うな~の繰り返し。

その繰り返しがあったことでふとこれええんちゃうん??ってのが降ってきてそこからは早かった~。

もっとはよ降りてこんかい!って思うけど、その何度も違う違うという過程があったから降りてきたんやろうねぇ。

このメモからセクション毎に組み立てていきますです
で、出来上がったのが👇

これでひとつのメインテーマが完成したので、あとはこれを軸にもうひとつダンス曲が完成すればあとはシーン毎の雰囲気モノを作るだけやし、そっちはループシーケンサーを軸に味付けで作るのでダンス曲作るよりは神経すり減らないww
けど曲数が30近くあるのでやはりまぁまぁしんどいはしんどいww
あ、ちなみに怪盗高専校歌は30分でできましたwww

続編が決まった時のためにも、みんなで歌えるようになっておきましょう!www

どうしても降りてこないので、コロナ禍で作った芝居には無関係な唯一の歌モノ曲を歌抜いてリアレンジした曲を使ってたり、エンディングはシテ○ーハ○ターみたいなタイミングで音入れたいっていうのでコード進行をGet Wildと同じで作ってみたり、毎回使えるU・WA・SAのキンソン(芝居が始まるよっていう合図の曲)がほしいねんけど、と昔それっぽいノン作ってみたけど没になったやつ引っ張りだしてきて、これを今のみやむーでアレンジしたらええんちゃう?と言われるもあまりにも恥ずかしい出来やったので1から作ったり、となんだかんだと全26曲楽しく作り上げることが出来ました。

やっぱやれないのは寂しい

これまでは音響スタッフとしても入ってたんやけど、もしかしたら早い時期に続編でやれたらやるかも?お客さんの反応次第やけど、という話がありそれはいつ頃?もしかしたら僕はスタッフでは入れやん時期かも?ってなったので、それなら今回から音響さんは僕でない人に任せることで慣れて貰った方がええと思う、とそのポジションは外れたんです。

良い判断やとは思ってるんですが、稽古にもぼちぼち顔出して音だしのタイミングなんかも演出と話しながら決めていった過程を経てると、当日本番自分が音出してないのって寂しいもんだなぁ。。。ってww

そんな寂しさもあったので千穐楽はお手伝いとして小屋入りして打ち上げまでちゃっかり居させて貰って、ちょっとでもチームに居た感を自分に与えてやりましたwww

演劇って、エンタメって素晴らしい

やはり照明が入って衣装をフルで纏った役者たちが大音量で流れる曲に合わせて踊ったりアクションしたりする様を観られるって最高に贅沢な時間やなぁって。
日常の嫌な事しんどい事めんどい事一切忘れて非日常の世界にどっぷり浸かれるエンタメって最高やんって。

ちょっとずつ稽古から観てると、約2ヶ月かけて作り上げてきた作品ですから役者たちの築いてきた関係性も端から見ててええんですよね。
そんで、3日間6公演を終えたら座組も解散となってまた次の役へと向かってくんやなぁ、儚いなぁなんていつも思っちゃう。
だからこそ、この座組でまたやれるように続編是非ともやってほしいなぁ~~~っていう1ファンとしての願い。

良い本と良い役者が最高に楽しい非現実世界を味合わせてくれる2時間半、お芝居って、エンタメってほんまにええもんです。

そんなええもんにほんの一角でも携われていることにただただ感謝。
楽しかったよー!!

警察チーム
怪盗高専チーム
バーグラーズ
高専生徒チーム
全員集合!

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