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『肩甲骨の固定・可動性』〜自重で鍛える〜

1.はじめに

前回、肩関節脱臼についての記事を書きました。

その中で、試行錯誤しながらリハビリを続けるうちに肩甲骨の重要性について深く考えました。手術後のリハビリはストレッチによる柔軟性の獲得とインナーマッスルを鍛えるように指導されます。インナーマッスルは上腕骨頭を関節窩に押し付ける作用があり肩関節の安定に寄与します。自分はスポーツをやるのであれば、もう1段階上を目指して、上腕骨の土台となる肩甲骨の『固定性』『可動性』を高めることで、より肩関節を安定させ、高いパフォーマンスを発揮できるようにしたいと考えトレーニングを行っております。今回はそのトレーニングの一部を紹介します。

2.肩甲骨の動きについて

肩甲骨は主に『挙上』『下制』『外転』『内転』『上方回旋』『下方回旋』の6種類の動きがあります。※詳しく説明すると前傾、後傾、外旋、内旋など他にもありますが、自分はそこまで重要視してない為、ここでは省略します。

※筋骨格系のキネシオロジー 第2版 Donald A.Neumann P143 2013より引用


3.自宅でできるトレーニング方法

これらの動きを鍛える為の種目として自分が行っている自重トレーニングを紹介します。
※可動域や筋力に制限があるとできない場合もありますので、あくまでも参考として見ていただければと思います。自分は手術後2年目ぐらいの可動域・筋力が戻ってきたタイミングで始めました。


 ①挙上(上方回旋も含む)

【倒立腕立て伏せ】最後の突き出しを意識して肩甲骨を挙上します。

⬇壁なしでもやりますが、フォームが崩れて肩甲骨が動いている感じがしません(笑)


 ②下制

【ディップス】肘関節伸展後に天井に向かって更に伸び上がることで肩甲骨を下制させます。

⬇一応動画も


 ③外転

【腕立て伏せ】プッシュアップバー(なくてもOK)で行うことで、より肩甲骨内転が作りやすくなります。その内転位から上肢を突き出し外転させます。

⬇これも動画を


 ④内転(下方回旋も含む)

【懸垂】ワイドグリップでぶら下がります。広背筋を最大伸張させたポジションからスタートし、肩甲骨を内転させて身体を持ち上げます。

⬇動画です

4.まとめ

これらの種目を腕力で力任せにやるのではなく、常に肩甲骨の動きを意識して行うことで、より腕(手)に力が伝わります。自分の場合は格闘技で『押す動作』や『引く動作』に応用することを目的としているので、これで十分と考えています。手術後のリハビリの中で、ダンベルやマシンなどで個々の筋肉を鍛えていた時期はありました。それで左右差がなくなるぐらい筋肉量も戻ってきて、最初は満足していましたが、格闘技を続ける中で『力が上手く使えていない』と思い始めました。それから個々の筋肉を鍛えるよりも、複数の筋肉・関節を連動させることを意識して常にトレーニングするようになり激的にパフォーマンスが上がりました。


5.最後に

今回は肩甲骨の『固定性』『可動性』について自身のトレーニング方法をまとめましたが、もっと話を広げると、肩甲骨の下の『下部体幹』『下肢』の安定性まで深く追究することができます。長くなるので今回はここまでにしますが、また機会があれば、その辺のトレーニング方法も紹介したいと思います。

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