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【二次創作】夢小説を伸ばすなら「コレ」をやめてみる

どちらかと言うと夢女子向けが得意なので、今回は夢小説の話をします。苦手な人はすみません。
評判がよければシリーズにします。


ヒロインが好みに合うかどうかは重要

夢小説とキャラのみの小説の違いは、ヒロイン(夢主)というオリジナルキャラクターが主人公格として投入される、という点ですよね。

このオリジナル夢主の設定で失敗すると、文章と解釈がべらぼうに上手くてもファンが付きにくいかもしれません。

根拠は……
筆者が今まで一番多く書いたのは乙女ゲーの脚本なのですが、大抵、主人公(ヒロイン)が良くないと評判も良くなかったから。
※夢小説と乙女ゲーは多分ほぼ同じターゲット層

そして、この主人公女子の性格設計については正解があると感じます。

※その前に、今回の記事が役に立たないかもしれない人

・自分=夢主で書きたい人
・こだわりのオリジナルキャラクターを主人公にしたい
・夢主に独自の名前を付けたい

このタイプで伸びている人もいると思いますが、それは何らかの卓越した技能でそうなっていると思うので今回は回避します。オリジナル並のすごい作り込みの大長編だったりとか。


さて、本題に入ります。

共感できない主人公だと読まれにくい

夢小説ですから、そうですよね。
「この主人公、自分と似ているな」と思われれば需要にマッチ、「この主人公と考え方が合わない」となれば読まれない。反響を得る為には、なるべく大勢に共感されるヒロインを設計する必要があります。

どうやったら共感される夢主になるのか

一言で言うと普通の主人公が書ければいいわけですが、この普通って場合によってはめちゃくちゃ難しいです。試されまくるバランス感覚……!

私は普段どうしているかというと、「こうすれば良い」より「これをやったらアカン」を意識しています。今回はそれを紹介しようと思います。

まず、先程の

・自分=夢主で書きたい
・こだわりのオリジナルキャラクターを主人公にしたい
・夢主に独自の名前を付けたい

これは私は、やってはいけないのでやりません。
夢主は読者さんのものだからです。
キャラの容姿や名前を詳しく設定するのも、読む人と同じなら共感ポイント爆上げですが、「このヒロインは自分と違うな」と思われる確率の方が断然高いので、避けた方が無難です。
伸びている夢小説を見てみると、名前は上手いこと出てこないか界隈での通称名を採用していたり、ヒロインの容姿の情報も最低限になっている事が多いと思います。


■個人的に思う「やったらアカンリスト」

リスト行きます!

・夢主がネガティブすぎる、ウジウジ思考
・夢主の長過ぎる独白・自分語り
・話を展開させるために夢主を無能にする
・問題を解決するため夢主をものすごく有能にする
・夢主に思いやりがない

パッと見て「そりゃそうだろう」と思われるかもしれませんが、これを避けるの結構難しいです。ストーリーの展開的に多少これらの要素を取り入れなければならない場合も多いからです。「避けながら取り入れる」バランスが難しいので、個人的にとても神経を使う箇所です。


■リストの解説と対策

どういうことか、一つずつ解説していきます。

・夢主がネガティブすぎる、ウジウジ思考
勿論、多少は大丈夫です!共感を呼ぶ場合もあると思います。ただ、最近ウジウジ悩むシーンはあまり求められていない感じがします。読んで楽しい気分にならないので、読み手が疲れてしまう可能性も高い(=読者が離れてしまうリスクがある)。

また、ネガティブ思考ということは
悩む→解決策が出る(キャラが助言するなど)→ネガティブなので再び悩む

とループしやすく、同じ内容が何度も繰り返されると「話が進まないな…」と画面を閉じられやすくなります。解決ターンが挟まらないせいで読者にストレスが溜まります。

解決のための提案
理解していても、ウジウジ主人公になってしまう人もいます。私もたまにドツボにはまっていて後で修正したりします。対策は「気をつけよう」と常に頭の隅に置いておくことですかね。

また、どちらかというと「ネガティブな原作キャラを励ます夢主」の方が王道というか、万人受けする気がします。キャラは既に欠点ごと読者に愛されているので、欠点を利用した話を作るならキャラ側の欠点を利用した方がヘイトが溜まりにくくてお得です。
なので、ネガティブ要素はキャラにあげちゃいましょう

【例外パターン】
・「一周回って逆にポジティブに見えるくらいめちゃくちゃネガティブ思考」のような、ギャグ主人公
・最初はウジウジしていたが、後半で勇気を出す、前向きになるなど挽回シーンがある主人公 など

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・夢主の長過ぎる独白・自分語り
これもストーリー上で必要な場合もありますが、避けた方が無難です。
読者は基本的にキャラのファンですので、主人公よりもキャラの話を沢山読みたいからです。

そしてこれも「気がついたらそうなっていた(書く方は楽しい)」ケースで、わざと長くしたんじゃない、という事がよくある部分なので、主人公の独白や過去などを書いた時は長過ぎないかな?と見直す視点を持っておく事が対策になります。

信頼できる第三者に読んでもらい、長すぎないか教えてもらえると理想です。アドバイザーがいない場合は、少し時間をおいて読み直すと良いと思います!

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・話を展開させるために夢主を無能にする
忘れっぽい、うっかりさんなトラブルメーカー、隙がとても多いなど、ストーリーの展開上とても都合がよい主人公にしてはいけない、という話です。

絶対ダメではないと思います。
便利ですし、話が全く動かせなくてボツにするくらいなら、使って少しでも書いた方がマシですし……。最初は練習のためにあえて使うのも良いと思います。

ただ夢小説の場合は、原作キャラがこの主人公を愛しているケースが多いですので、「なぜキャラはこんな子を愛するんだ?解釈が合わない」と思われる恐れがあります。間接的にキャラ下げに繋がるとも言えるので、避ける方が無難というお話でした。

※1作品に1回くらいは夢主のうっかりミスも許容範囲と思います!

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・問題を解決するため夢主をものすごく有能にする
上の逆です。
これも、少しは良いです!(だから難しい)

・とても頑張って能力を発揮し、解決
・原作キャラと同じくらいの有能さ
・有能だが完璧ではない。出来ないこともある

有能さは、こういう使い方なら大丈夫。
でも原作キャラの見せ場を全部奪ってしまうようなチートにしてはいけないです。原作キャラを愛している人が読者ですので、これも間接的なキャラ下げに繋がる可能性があるので、やめた方が無難です。

キャラと夢主が助け合う(または迷惑を掛け合う)くらいの釣り合った力関係だと、どちらも大切にできてバランスが良いかなと思います。

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・夢主に思いやりがない
クズ主人公ならOK!
つまり、わざとなら大丈夫だと思います。
原作キャラのお陰で改心する、ここぞという所でキャラの為に優しさを発揮してしまう、最後に罰が当たる(面白いかわかりませんが一応納得できる)など、ストーリーのどこかでバランスが取れるケースなら大丈夫かと。

ただしこれも、欠点はキャラ側に持ってもらう(非道キャラが夢主によって愛を知る系の)方がウケは良いと思います

注意が必要なのは、「思いやりのある主人公のつもりで書いているのに何気に性格が悪い」という無意識ケースです。
これはウジウジ系主人公と同じく、書き手の好みや性格、心境・環境などによってやむなくそうなってしまっている場合が多いです(現実にパワハラ上司がいて心がすさんでいる時に書いたなど)。

自覚も改善も結構大変ですが、好きな漫画や小説があれば、その主人公と自分の夢主を比較してみるとヒントがあるかもしれません。

プロのヒット作品は複数のプロの目で主人公の性格がデザインされていますので、「これをやったら嫌われる」という要素はギリギリまで削ぎ落とされています。参考にすると、ぐっと近道できると思います。

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結論。ベストな夢主はあるのか

夢主は読者さんにとって「自分と似ていて、かつ自分より少し有能(理想に近い)」だとベストかな……と、個人的には思っていますが、どうでしょうか。
人間、自分の上位互換のように思える人にはライバル心や嫉妬心が沸かず、共感や目標のようなポジティブな感情をいだきます。「好きな同性芸能人」を思い浮かべると、もしかしたら納得していただけるかもしれません。

※勿論これに当てはまらない人もいます

私は「アカン」を避ける努力をすると、結果的にベスト夢主に近づくだろうと信じて書いています。

夢主を程よいバランスで書くことは、読者さんを大切にすることでもあり、原作キャラを尊重することでもあります。そういう愛情が伝わって評価に繋がる、というのは真実だと思います。
夢小説書きさんのお力になれたか少し心配ですが、何か参考になれば嬉しいです😄

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