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宝塚歌劇雑文集

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2017年7月の記事一覧

サヨナラだけが人生だ*宝塚雪組『幕末太陽傳』

コノサカヅキヲ受ケテクレ(勧君金屈巵) ドウゾナミナミツガシテオクレ(満酌不須辞) ハナニアラシノタトヘモアルゾ(花発多風雨) 「サヨナラ」ダケガ人生ダ(人生足別離) 井伏鱒二訳 「勧酒」(于武陵・うぶりょう) これは、唐の詩人、于武陵の詩を井伏鱒二が訳したもの。映画『幕末太陽傳』の監督、川島雄三は、井伏鱒二を崇拝していて、『貸間あり』を映画化したときには、ラストシーンで突然、桂小金治に丘の上から街へ向かって立ち小便をさせ、「サヨナラだけが、人生だー!」と叫ばせている。