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見たり聞いたり読んだりして

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音楽、映画、舞台、本、アート…。あるとき、あるところで、見たり、聞いたり、読んだりしてきたものについての雑記。 写真:「フェリックス・ヴァロットン「可愛い天使たち」1894年
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#小沢健二

みんなゴダールの子ども

 ゴダールが亡くなった。  2022年9月13日。91歳だった。仏紙「リベラシオン」は「自殺ほう助により自らの命を絶つことを決めた」と報道したという。死に至る経緯も相まって、不在が重くのしかかる。  あまりにも大きな存在だった。  好きとかリスペクトしているとか心の師であるとか信奉しているとか神のようだとか、一つの言葉でいい表すのは難しい。さらに、普通のコミュニケーションを拒み続けている変わり者だという数々の神話と、何よりもゴダールの「映画」が、いっそう複雑で形容し難いも

小沢健二「So kakkoii 宇宙 Shows」*パシフィコ横浜 国立大ホール

「生活に帰ろう」  その言葉を合図に、いつものようにライブは終わった。  そこからはそれぞれの日常…。なのだけど、ステージのライトが落ちるようには切り替わらなくて、みんなぼうっとした名残の時間の中にいる。ライブ中に勢い余ってぶつかってしまった隣の席の人とどちらからともなくほほえみあったりして、おざわさんとの時間を共有したたくさんの人たちと歩いて行く。  パシフィコ横浜を出ると、ウソみたいにきれいな港ヨコハマの景色が目の前に広がっている。大観覧車なんかSo kakkoii

原田知世 40周年アニバーサリーツアー2022「fruitful days」

 6月21日、夏至の夜。原田知世さんの40周年アニバーサリーツアー2022「fruitful days」へ。「So kakkoii 宇宙 Shows 名古屋」(小沢健二さんです)からの帰りに余韻を引きずりながらっていうのはどうなんだと躊躇しながらも、出かけてみれば、やっぱりとても心がゆるんで広がって。歌う人としての知世さんの充実ぶりに感動した。よきコンサートだった。  衣装もかわいかったな。特に、二部のロマンチックなニワトリみたいな羽根のドレス。ファンタジックな衣装なのに、