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「扇風機」

いつの日からか
ひんやりした空気
窓をあけて風を通すと
少し肌寒いほどに

水筒のお茶は氷を入れなくても
夕方まで冷たい
ひと口ごくり
そのままの温度

回すことが少なくなり
気づいたら
ホコリをまとい
夏の思い出も一緒に
無造作にまるまったコード

バチンと
大きな音がするスイッチ
ひねって使うタイマー
伸ばしっぱなしの首
ちょっぴり寂しく見える
下向きの頭

弱風を押すと
カラカラゆっくり
やっとまわる
年代物の扇風機

その姿と重なる
季節の境い目は
消えゆくように
過ぎていく
夏の終わり


ぐっと涼しくなり朝晩は少し肌寒く感じるほどですが体調などいかがですか。

私はといえばこの時期はいつも着る物に困って結局夏の服装に1枚羽織るだけという手抜きファッションで過ごします(笑)

クーラーがない職場の休憩室では夏場いつもフル稼働の扇風機。
これがかなりの年代物で先日(まだ暑かった日)使おうとしたらよく回りませんでした。
弱風で最初は回ってくれるのですがだんだんゆっくりになってきて最後はなんとか回っているという程度になってしまいます。風は全く吹いてきません。

何となく、夏も終わりなのかもと思い使うのは諦めました。

ちなみに中風はなぜか強く吹きすぎるため使いづらいのです。

寿命なのだと思うこの扇風機の様子に大雨に流されたかのようにあっという間に過ぎて行った夏が重なってこの詩を書いてみました。

夏が一瞬で終わってしまい寂しいなという個人的な気持ちも含まれています。

扇風機と夏の終わりの詩でした。





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