簿財学習記録

▽はじめに

 簿記論と財務諸表論を学習するにあたって私自身の学習方法や意識していたことなどをまとめさせていただきました。
 専念生で時間が多くあったときのやり方がベースなのはご承知おきください🙇
 これから簿財の学習をする方及びすでに学習中の方の一助になればと思い、まとめさせていただきました。やり方や考え方に合う、合わないは当然にあります。学習するにあたって何かのきっかけになれば嬉しいです。
※1月からの速習コースにより学習です。

▽プロフ

 公務員からの転職を検討中の2021年9月、知人と待ち合わせ場所だった書店にて「ふくしままさゆきさん」の「朝10分で差がつくちょこっと簿記」という著書に出会い、簿記の「ぼ」の字も知らないまま簿記を活かした職業をすべく、ふくしまさんのYouTubeチャンネルを活用して簿記の学習をスタート。
 同年12月CBTで日商簿記3級、翌年2月160回統一試験で日商簿記2級に合格。
 162回日商簿記1級に不合格も、2023年209回全経簿記上級、164回日商簿記1級に合格
 令和5年度税理士試験、簿記論・財務諸表論・国税徴収法を受験した某県の税理士受験生。

▽簿財の学習にあたり

 個人的な意見ですが、簿財の学習にあたり、「日商簿記2級合格程度の知識」は必要に感じる
※「日商3級あれば」ともありますが、初学者コースであっても2級レベルはもちろん、時には1級レベルの知識すら、さも当然のように講義に織り込まれるため、相当な努力が必要になる上、講義は週に複数回、ハイテンポで進んでいくため、講義に追いつけなくなったり、挫折する可能性が高くなると思うためです。

▽予習

 次回(または翌週の講義)の範囲が分かる場合は必ずするようにしていました。ただし、手短に。

 たとえば、翌日の講義が「リース」と「資産除去債務」であれば、その項目の概要だけ(リースであればリース取引、セール・アンド・リースバック、先払いなどの概要)には目を通して「どんな論点なのか」程度を把握しておきました。

 概要だけでも見ておくと、馴染みのある論点(他の論点との類似性や日常生活・自身の経験から連想できる等)なのか否かを知ったうえで講義に臨めるため、そこだけでも整理するようにしていました。

 予習は、その時々の進捗等に応じて前日または週末に次の週の分をまとめて行っていました。

▽講義の受講

 ノートに落書きのようなメモを残していました。特に①商品など会計処理が多岐②定着が弱い③会計処理のイメージが湧かない等のノートのページには付箋を貼ったりして戻ってきやすくしていました。

 講義は一つの単元を終えたら個別問題を解く時間を与えられる進め方でした。

 「ある程度理解できたな」と思ったものはそのまま問題を解きましたが、自分の中で消化できていないふわふわした感じの理解度であれば理解の浅い部分のテキストを自分の言葉や表現に変えてみたりして、整理してから問題を解くようにしていました。

 問題‘消化‘になること、つまり、作業にしたくなかったためです。

 また、実際に問題を解いてみると、イメージと異なる表現で出題されることや、テキストと自身の解釈のズレが見えてくることもあります。そういったものも上記同様にテキストを自分の言葉や表現に変えてみたりして整理するように努めていました。

▽質問事項

 質問は計算・理論問わず「自分の中での結論を導き出してから」投げていました。
 自分の中での結論を導き出すのは難しいです。

 しかし、類似する会計処理との整合性や、テキストの設例などとリンクさせたり、時には「自分ならこうする」くらい乱暴な結論でもいいです。

 自分の中で「理解している部分」と「理解できていない部分」を明確にしたうえで「考えること」に意味があると思うため、ここは徹底していました。
 私は通学しながらも通信での受講体制だったため、質問はメールのみでしたが、メールを送りまくってました笑

▽復習

 講義中に自身がとったメモを見返したり、問題を解いて復習をしていました。

 前記講義の受講で付箋を貼った箇所は、なるべく早いうちにまとまった時間を確保した上で整理するようにしていました。

 テキストと問題を比較して「自分ならこう教える」という意識で復習をしていました。

 場合によっては、講義での理解が浅かったものも、少し時間を空けて再確認するとあっさりと理解できるものもありますが、そううまくいかないものの方が多いです。

 この段階で理解が浅いままだったり、処理が複雑なものやパターンの多いものは個別でノートを作成してまとめていました。

 テキストをコピペしたような内容なら作成するだけ時間の無駄なので、セルフレクチャーをするよう、以下のように内容を咀嚼してノートを作成していました。

※工事契約より


 普段からこれをしていたおかげで苦手論点や厄介な論点を早期にモノにできていました。ちなみにまとめたノートは後に更新することが多いため、手書きで作成することはなかったです。(全論点やってたらキリないので、当然、強弱つけてましたよ。)

▽問題集

 「3周はしろ」ということを言われていましたが、しませんでした笑

 問題集の中で①苦手な論点②正答率の低い論点だけはそのページに付箋を貼っておき、定期的にやり直す程度でした。
 「3周はしろ」だと単にこなすことが目的になりかねないんですよね。。。メリハリがなくなるので無視していました。

 簿財の時は問題集に何も書き込まずノートに解答を記載して、出来の悪いページに付箋を貼るだけでした。次の科目からはフリクションを試して効率性などを比較してみようと思います。

▽理論

 財表の理論は、暗記よりも理解優先でいいと思いました。重宝したのは、ネットスクール穂坂先生の「つながる会計理論」。とても端的にまとめられていて、なおかつ理解につながるので重宝していました。

 覚えの悪い理論はまずは結論だけ覚えて、暗記精度は徐々にあげていきました。
 私の場合は大原出版の要点チェックノートの問に対して独自の一問一答を作成していました。
 独自と言っても内容を独自にということではなく、解答から結論だけ引っ張ってきて、その結論のみをまず覚えていました。

※損益計算書総論より


 案外これが計算にも役立って、初見の計算で問われていることに対して「これは理論の結論がこうだからこういう計算をすればそれっぽいな」で解ける問題も少なくなかったです。
 仕訳をイメージしながら理論をやったりしてみると計算との相乗効果も期待できて、73回簿記論の「横領」や「インセンティブ」などの見慣れないものにも対応できました。

 また、GW明けから7月上旬の答練(プレ模試3回目)までは答練の範囲表の理論を仕上げるようにしていました。

 その期間に週1度の計9回の模試があったので、大半の理論の範囲はカバーする構成だったはずです。

 残り1か月はひたすらテキスト等を読んで、週に1,2度初見の理論問題を解いていました。

 直近の過去問を見ても、テキストにない論点や要点チェックノートにないベタ書きを求められているため、知らない論点でも何か書けるようにするためテキスト読みをしていました。

▽答練

 いろいろと試しながらやっていました。素読みはどの程度でやるか、解答順はどうするか、時間配分は、用紙の使い方は、メモの取り方は等々

 特にはじめのうちは毎回「前回、ここはこうやったから、今回はこれを試してみよう」とテーマだけ明確にして自身のやり方を徐々に確立していきました。
 私だけかもしれませんが、本試験になると突発的に意味不明な解法に走るんですよね、、いつもは資料に目を通し切ってから着手するのに、途中で目に入った問題に少しだけ手を加えてみたり、無駄に電卓叩いてみたり、、
 たまたまなんですけど、基礎期とかから「これはこう解く」に"固執しすぎる"と、応用力を問われる問題でつまずきかねないです。
 色んなやり方を知った上でやり方を確立させることも検討してみてもいいと思ってます。

▽直前期

 苦手論点をつぶすことや、応用力•対応力を磨くことを意識していました。「工夫」にまとめてあります。

 試験1か月前から計算はほとんどせず、理論に時間を割いていました(国懲遅れていたので簿財計算1:財国理論9くらいの割合でした)
 試験1週間前から理論と計算を同量くらいに戻しました。

▽過去問

 GW中に初めて直近のもの(簿記論は72回、財表は71回が入手できたのでそれ)を解きました。残り3ヶ月での現在地を知るためという意味でした。時間は無制限で丁寧に解き、問題の難易度や物量などを確認するような意識で解きました。
 物量を知れたのは大きかったです。私の場合は、ふだん以上に丁寧に解いても予想より時間がかからなかったので、読みミスを防ぐことが何よりも大事だなと考え、学習できたためです。

 大原は簿記の過去問が約10回分、財表計算の過去問が約15回分あり、ほとんどの過去問を1度だけ解きました。
 平均点の低かった回と、他よりも出来が悪かったものについては複数回やるべきだったかな、と反省しています。
 というのも、詳細な言及は避けますが、予備校の答練は資料が綺麗すぎるので(褒めてます)

▽工夫

ア やり直し
  前提として、やり直しは大事です。しかし、ただやり直して満足しないように以下のようなやり直しをしていました。
①制限時間100分にするor間違えた小問のみやり直す
②間違えた原因が読み違いなら、その問題の読み違えた箇所や原因を記録しておく
③間違えた原因が知識不足や忘却なら、テキストを丁寧に読み直す
④やり直しは忘れたころ(1ヶ月以上空けるなど)にする

  基本、点数状況などケースバイケースで使い分けていましたが、私は④がメインでした。
  ④をやって、初見のときの問題用紙と共に見比べると定着悪いところやミスの傾向が浮き彫りになってくるので、そこはより入念な③をやったりしていました。

  また、各小問で初見6割以下なら、その問題自体のやり直しよりも、テキストとその論点の基本的な設例を確認し、次いで問題自体の応用箇所や言い回しなどを確認してミスの原因を突き詰めるようにしていました。


イ ランク付け
  自身の得手不得手によって個別論点にA〜Cランク付けしていました。
  自身にとってのCランクが出たら後回しにすればいいので受験戦略にもなります。
  たとえば、
A→どの論点が出ても8割以上取れる
B→問題によるけど5割くらいのときもある
C→苦手or他の論点よりも多くの時間かければなんとかできる
 などといった具合です。
  BをAに、CをBにランク上げできるようにその論点の個別問題は定期的に回していました。ランク付けは厳しめに行った方がこのやり方には合うと思います。

  問題集に
    Bランクには青の付箋、Cランクには赤の付箋
 みたいな形で弱い論点をランク毎に分けて可視化していました。
  そして付箋を徐々に減らしていきました。
  ただやっても意味ないので、各論点一周するのにかかった解答時間と正答率を問題集にメモして、「2,3回連続して9割超え、かつ時間6〜7割で終わるようになったらランク上げ」等なにか自分で決めたルールに従ってランク上げをしてました。

  これもやり直しの期間が短くてもあまり意味ないので、他の論点と合わせてローテーションして3〜4週間で一周できるようなプランニングでした。



ウ 時間制限
  総合問題を30分で平均点チャレンジ!や40分で目標(合格)点チャレンジ!などをしていました。同様に簿記論の1,2問も時短で解くことをしていました。
  初見でやることもあれば、2回転目以降の問題でもやっていました。2回転目以降のときは、出題内容を忘れた頃にやるようにしていました。

  捨て問への抵抗がなくなりますし、効率的な解答が身につきました。


エ メモ
  財表で仮計算を推奨されましたが、時間が無駄だと判断したため、採用しませんでした。私は前TBに金額を加減していました。


※財表過去問より



  配布される白紙は、問題とメモが離れ、視線移動が多くなるとミスの誘発に繋がるため基本的に使いませんでした。
 どうしてもスペースが足りなそうなときは使いましたが、何十種類の模試を解いても使ったのは1度きりだったので、基本的にスペースは足りると思っています。足らすよう努力してました笑


オ 資料の読み飛ばし対策
  当初は読み飛ばしでの失点で「資料を読み落とさないように気を付けよう」って思っていたんですが、
①ここを読み落としたら必ず失点する
②ここを読み落としたら失点するときがある
③ここ読まなくても影響なし
 を明確にして、そこに意識向けて読むようにしたら読みミスがかなり減りました。「どの指示を探さないといけないか」という視点です。

  また、普段と違う指示(たとえば部分純資産直入法など)に対してのみ赤ペン使って、視覚的に問題文を強調するようにしていました

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 簿財解答時の手元映像もあります(300円の有料です)のでよろしければご確認ください(宣伝も兼ねちゃってごめんなさい。)
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 私は簿財受験時、専念だったのでかなり時間がありました。1月からのスタートとはいえ、その中でやってきたことなどをまとめさせていただきました。
 最後になりますが、拙い文章をここまでご覧くださり、ありがとうございました。
 大変ですけど合格目指してがんばりましょう!

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