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お気に入りの出版社を見つける

こんにちは。

先日、行った「第13回 BOOK MARKET 2023」のお話を少し。

これは、小さな出版社が集まって開催された、「本好きのための本の夏祭り!」が謳い文句のイベントで、全56ブース、参加したのは74社です。

面白かったのは、本が出版社ごとに並ぶと、その出版社のカラーが、より色濃く打ち出されるという点でした。

書店で、出版社ごとに作ってある棚は、新書や文庫くらいだと思いますが、たまに、〇〇社フェアとか、やっていても、大抵は大きな出版社です。

岩波書店とか、みすず書房とか、山川出版とか。

なので、あまり聞き慣れない出版社の本が、まとまって置かれているだけで、もうワクワク、テンションが上がります。

全ての本が、何冊も積まれた状態で、面出しで並んでいるのは、いわば、バレンタインデーの時に出現する、特設会場のチョコレートみたいで、売り場に迫力があります。

そして売り場にいるのも、みなさん、出版社の方々なので、「ウチの推しはコレ!」と、相当な気合いが入っています。

各ブースでは、それぞれの本に対する、作り手のこだわりや熱い思いが感じられて、もう全ての本が愛おしい!

話題になっている本、すでに読んだことのある本などを、見つけても、全然違う表情をしている、なんというか、それぞれの本が、自分のホームにいるというか。

すごく、堂々としている。

これが、まさに「本好きのための本の夏祭り」なんだと、興奮しちゃいます。

その中でも、私が、
「今日は、この出版社の本を、どうしても連れて帰りたい!」と、強く惹かれたのが、「マール社」さんです。

こちらの出版社は、ビジュアル本が中心で、絵画の技法に始まり、建築やフッションなどの図版や、美術の教科書的な本を出されています。

アート系の、専門的な本が多いのかと、思いきや、
「イラストで見るUFOの歴史」とか、
「ゴーストの歴史」とか、
なんか、変な本もある。

そこで今回、私が選んだのは、
「妖精たちが見た ふしぎな人間世界」
スヴェータ・ドーロシェヴァ・著

これは、非常に繊細なイラストが魅力的な、うっとりするような本で、著者はウクライナ出身のイラストレーターさんです。

帯にもあるように、アリスが妖精の国を覗くのではなく、妖精から見た人間界が描かれている本なのです。

イラストは、かわいいだけじゃなく、ちょっと妖艶。

宇野亜喜良や、サロメのビアズリーなんかを思わせる、まさに、私のツボでございます。

こういう本は、絶対に電子書籍では、味わえない、ただ、手に取って、眺めているのが、至福と感じられる本です。

これからは、「出版社から本を探す」という選び方も面白いなと、新たな視点を得たブックフェアでした。

来年も行きたい。

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