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《ひと》番外編 インターンをきっかけに宮古へIターン!移住女子の対談インタビュー

こんにちは!みやっこベース広報の八島です。

みやっこベースに携わる方々をご紹介する連載企画《ひと》。
今回は番外編として、宮古へ移住してくれた女子2人を紹介します!

二人の共通点は、みやっこベースがコーディネーターを務める実践型インターンシップ(※)をきっかけに宮古に移住したこと。なぜ二人が宮古に移住してきてくれたのか、その背景を詳しく聞きました!

※実践型インターンシップとは
就職活動を目的としたインターンシップとは異なり、企業が抱える経営課題に対し、大学生と経営者が協働して解決に取り組む。宮古エリアにおいては2018年からみやっこベースがコーディネーターを担当し、春と夏に1ヶ月〜2ヶ月間に渡って学生を受け入れている。

プロフィール

青山詩乃
1998年生まれ、東京都大田区出身。神奈川大学経営学部国際経営学科卒。大学2年生の頃、ゲストハウス3710を運営する株式会社日々旅で実践型インターンシップを経験。一度東京の会社に就職しリモートで宮古に関わるが、「もっと宮古のことを知りたい!」と2022年4月に宮古に移住。「市内商店、個店の魅力発信」をミッションに宮古市地域おこし協力隊として活動する。その他、NPO法人きっかけ食堂の事務局や、個人事業主として企業の業務委託を受けるなど複業中。

瀬戸里奈
2000年生まれ、宮城県塩竈市出身。東北芸術工科大学デザイン工学部コミュニティデザイン学科卒。大学1年生の頃、共和水産株式会社で実践型インターンシップを経験。宮古の経営者らに魅了され、2021年2月に宮古市へ移住。大学4年生の1年間、卒業研究を行いながら共和水産株式会社でアルバイトを経験し、2022年4月から新卒社員として正式に入社。品質管理部に所属する。

――二人が初めて宮古を訪れたのは2019年春の実践型インターンのときですね。なぜ宮古の企業でインターンをしようと思ったのか教えてください。


青山:私が実践型インターンに参画したのは大学2年生の時でした。大学卒業後、自分が何をしたいのか分からず、まずは外の世界を知ってみたい、いろんな人に出会ってみたいという気持ちがありました。

そんな時、大学の授業でこのインターンが紹介されました。何か挑戦しなきゃと思っていた私は詳しく調べてみることに。色々な人に出会うことができるゲストハウスに興味があったので、日々旅の募集プロジェクトに応募し、採用されました。

瀬戸:私が所属していた学科では、2年生以上になると地域をフィールドにした授業や研究が始まります。「1年生のうちから地域に出る経験を積んだほうが良い」と先生から助言を受け、地域をフィールドに取り組めるプロジェクトを探していました。

そんな時、共和水産のプロジェクトを知りました。私の地元は宮城県塩竈市なので、宮古と同じく港町です。ゆくゆくは地元に戻りたいと思っていたので、まちを支える水産業のことを勉強してみたいと思ったのです。専務との最終面接で「地元に戻りたくて挑戦している子を落とす理由はない」と言われたことは今でも覚えています。受け入れてもらえたことが、すごく嬉しかったですね。

――なるほど、2人とも興味を持ったインターン受け入れ先がたまたま宮古の企業だったんですね!具体的にはどのような活動をしましたか?


青山:日々旅のインターンでは、「ゲストハウス発、人とふれあい街を楽しむマップ制作を担え」をミッションに、まち歩きマップの制作を行いました。商店街のお店の方々にヒアリングや関係性づくりをしたうえで、どんなマップを作っていくか考えました。メンバー3人で話し合った結果、宮古の「人」の魅力が伝わるマップを作ろうという結論に至りました。観光資源や美味しい食べ物もありますが、「また来たい」と思うのは、「会いたい人」がいるからだと思ったからです。メッセージ欄をつけた手紙風のマップを手書きで作成し、イラストレーターや印刷会社、商店街の皆さんのご協力をいただきながら完成させました。

商店街の皆さんは、「宮古の魅力は住んでいると気がつかない。よそから来て魅力を感じてくれて、それを発信したいと言ってくれることが嬉しい」と喜んでくれました。インターンを通して、商店街の方々や市内の若者たちと出会い、つながることができました。

当時一緒に活動した仲間たち

瀬戸:共和水産のインターンでは、「地元の魚を愛する産地へ!食の力で地域を盛り上げろ!」をミッションに、当時3人のメンバーでそれぞれが異なるイベントの企画運営を行いました。私は、吉次の天ぷらや真崎焼きを用意し、水産のことを知ってもらおうと専門家を招いたイベントを企画しました。しかし、イベントは失敗。ゲストを呼んだにも関わらず集客ができず、進行もグダグダで終わってしまいました。その時は絶望的な気持ちで、反省していました。

残り期間が少ない中、成果を残さないまま終わっていいのか。もう何をやりたいのか分からない。悩んだ私は泣きながら専務と仲間に相談し、インターン期間を1週間延長することにしました。そして、「水産業に携わる女性のコミュニティづくり」を目的としたイベントを開催しました。水産関係者へのヒアリングから、女性が声を出して前に立っている印象がありましたが、横のつながりがないことに気がついたからです。連携すれば新しい仕組みが生まれるのではないか。そんな想いから、来て欲しい人にアポを取り、さまざまな立場の女性を呼んで女子会を開催しました。結果、イベントの満足度は高く、「仲間を見つける機会になった」とお声をいただきました。今でもその人たちと交流が続いています。

水産業に関わる女性たちを集めたイベント

――二人とも工夫して取り組んでいたのですね!インターンを通して、学びや気持ちの変化はありましたか?


青山:このインターンから得たことは、2つです。
一つは、楽しそうにワクワクしながら働いている大人たちとの出会いです。プロジェクトを通して関わってくれた宮古の大人の皆さんは、よそからきた私たちを温かく迎え入れ、「一緒に頑張ろう」と言ってくれました。そんな大人たちのことがいつしか好きになり、宮古に帰って恩返しをしたいと思うようになりました。

二つ目は、働き方の価値観が変わったこと。大学卒業は、なんとなく入った会社でなんとなく仕事をこなすのだろうと考えていました。しかし、会社の規模や見栄ではなく、本当にやりたいことを見つけて宮古の大人たちのような働き方をしたいと思うようになりました。思い返せば、私は高校時代から地元の青年会に入り、フェスティバルの手伝い、イベント企画、小学校盆踊りの手伝いなど地域活動に取り組んでいました。インターンを通して、私はやっぱり地域に関わることが好きだと気がつきました。地元でも宮古でも、地域に関する仕事がしたいと思うようになりました。

瀬戸:私はイベントでの失敗を通して、イベントの目的をはっきりさせた上で来てほしい人にアプローチする必要があると改めて学びました。イベントを通して参加者に何を持ち帰ってほしいか。どういう気持ちになってほしいのか。当たり前ですがそれが重要だと学びました。

また、大人たちからは厳しいフィードバックもありましたが、最後まで私が何をやりたいのか、問い続けてくれました。失敗したまま帰っていたら、お世話になった大人たちに申し訳なくて、一生宮古に来られなかったと思います。でも、支えてくれた大人がたくさんいたからこそ、ちょっとでも私が貢献できることがあれば恩返ししたいと思うようになりました。

インタビュー風景。当時の思い出話で盛り上がりました!

――二人ともお世話になった大人との関わりを大切にしていますね!宮古へ移住するまでの経緯や決め手は何でしたか?


青山:大学卒業後、宮古で働くことも考えていましたが、具体的に宮古でやりたい仕事がなく、一旦東京の地域コンサルの会社に入社しました。しかし、宮古への想いは冷めず、首都圏からでも宮古に関わる方法を模索しました。例えば、「遠恋複業課」で宮古市内の企業で複業したり、その縁で首都圏の人に宮古の魅力を伝えるイベント「食堂みやこ」の運営スタッフになったり。この頃から、宮古への想いをより多くの人に伝え、知ってもらうために、一度宮古に住んでみる必要があるのではないかと考えるようになりました。

そんなタイミングで地域おこし協力隊の募集を見つけました。このチャンスを生かして宮古に住み、良い面も悪い面も知りたい。そんな想いで移住を決意しました。私は、どこにいても好きな地域に関わることができるような手段や仕組みを作っていきたいと思っています。生活の拠点は変わり続けるかもしれないですが、ずっと宮古に関わり続けたいと考えています。

東京で開催した食堂みやこの様子

瀬戸:決め手はロールモデルとなる大人がたくさんいる地域だなと思ったことです。大学の授業の関係で、いろんな地域を見る機会がありました。その中で、ご縁をより強くしたいと思ったのが宮古の大人たちでした。インターンで出会った大人たちや女子会の皆さんとのつながりを大切にしたいと思い、インターンが終わっても大学時代は長期休みのたびに宮古に遊びに来ていました。

そして大学3年の夏、就活の時期に共和水産に遊びにいきました。そこで専務が「もし宮古に来てくれたら」という話をしてくれたんです。専務のもとで仕事をしてみたいと思いましたし、宮古で就職することも選択肢に入っていたので、水産業に飛び込んでみることを決意しました。そこでもし挫けるようなことがあっても、周りの大人たちが支えてくれるのを分かっていたからこそ、飛び込む怖さはありませんでした。

――二人が移住してきてくれて、宮古の大人たちも嬉しいでしょうね!今の仕事内容と今後の展望について教えてください!


青山:私のメインの仕事は地域おこし協力隊として「市内の商店、個店の魅力発信」をすることです。伝えきれていない宮古の魅力を発信し、宮古のファンを作りたいと考えています。また、宮古や東北の魅力を全国各地の人に伝える活動をしている「NPO法人きっかけ食堂」や、最初に就職した会社で業務委託も受けているので現在3足のわらじを履いていることになります。「地域への想いを実現していく」ということを軸にしています。

今後の展望は、商店街に子ども・若者が来てもらえるようなイベントの開催や交流拠点づくりをすることです。よそ者の私一人でやっても意味がないので、市内の若者を中心とした仲間をつくり、巻き込んでやっていきたいです。

瀬戸:私は共和水産の中でも「品質管理部」の所属です。例えば、製品の検体を用いて微生物検査をしたり、製品の製造工程をモニタリングしたり、品質管理に関する書類を作成したり。衛生管理だけではなく、質に関することに目を光らせる、守りの部署です。

今後の展望は、現場とコミュニケーションが取れる社員になりたいです。専務には居やすい環境を作ってもらっていますが、それに甘えることなく、品質管理に関する知識の習得と現場への理解を身につけた上で、頼り頼られる関係性を作っていきたいです。入社したてではありますが、そのうち「瀬戸里奈が言うんだったらそっちの方がいいね」と言われるような存在になりたいです。

共和水産での仕事風景

おわりに

いかがでしたか?

二人とも移住の決め手は、「宮古で一生もののつながりができたから」だと感じました。一時的なつながりで終わらせず、インターン終了後も大切にしてくれていることを嬉しく感じました。

ちなみに、実践型インターンシップはこの夏も開催します。8月から全国から大学生が宮古に集結し、企業の課題解決に向け奮闘します。まちで見かけたらぜひ温かく迎え入れていただけますと幸いです。