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《ひと》 理事・事務局長 早川輝

こんにちは!みやっこベースOG兼・広報チームの清水です。

みやっこベースに携わる方々をご紹介する連載企画《ひと》。
第2回となる今回ご紹介するのは、みやっこベース 理事・事務局長 早川輝(あきら)さんです。

(第一回はこちらから)


まずはプロフィールから!

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1987年生まれ、福岡県北九州市出身。
高校までを地元で過ごし、九州工業大学へ進学。大学卒業後、ワーキングホリデーで2年間オーストラリアに滞在。
帰国直後に東日本大震災が起き、6月から災害ボランティアとして宮古市で活動をスタートする。
2011年夏、中長期的なボランティアへ移行し、2013年2月には、任意団体「ユースみやっこベース」を設立。
高校生が宮古の今とこれからを考える「高校生サミット」の開催や、地元企業とのコラボ商品開発、フリースペース「みやっこハウス」のオープンなどを経て、2015年9月に「NPO法人みやっこベース」として法人化。
8年間に渡り、「若者が活躍できるまち・宮古」をテーマに、まちづくりに励んでいる。


福岡県出身の早川さんが、どうして宮古に?
なぜみやっこベースの活動を始めたのか?
設立から8年経った今、何を思うのか。

たっぷりインタビューしましたので、ぜひご覧ください!

1.「主体的ではなかった」頃からの変化

ーー8年間のみやっこベースの歩みをたどると、早川さんご自身がアクティブというか、フットワークが軽いなあという印象なのですが、幼少期や学生の頃からそういった部分があったのでしょうか?

いや、中学生とか、高校生くらいまでは特にやりたいこともなく、周りに流されがちだったかなと思います。
ボランティアとか、福祉とかにも興味が深かったというわけでもなかったです。ただ、原体験として、小学校2年生の時に起きた阪神淡路大震災は印象的ですね。被災した同い年の子が近所に引っ越してきて、半年近く一緒に登校していたのが記憶に残っています。
変化があったのは、まず高校で柔道部に入って、心身ともに鍛えられたことで、自分に自信がついた頃ですかね。そこから大学では学園祭の実行委員をやったり、バイク旅をしたり。
あと、ワーキングホリデー(以下:ワーホリ)に行ったのもすごく大きい出来事でした。

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【写真:高校生、柔道部時代の早川さん(右から2番目)】

ーーワーホリに行ったきっかけは何でしたか?

大学の留学制度を利用して、大学2年の春休みにオーストラリアで語学留学したんです。毎日が新しいことだらけの、刺激的な5週間を過ごしました。それから帰国するとなった時、現地でお世話になっていた先生に「絶対オーストラリアにまた来るから!」と言ったら、「いや~、みんなそう言うんだけど来ないんだよね~」みたいな反応だったんです(笑)
そんなこともあって、大学3年の初めには、「大学を卒業したらワーホリに行く!」と決意を固めていました。それからバイトでお金を貯めながら英語の勉強を続け、卒業式の3日後には日本を発って、またオーストラリアに向かいました。

ーーオーストラリアではどんな仕事を?

ケアンズのバナナファームで働いた後、ビザの期限を延ばしてメルボルンで働き始めました。日本食の卸売業者で配達の仕事をしながら、副業として記者カメラマンをしたりしていました。

ーー当時を振り返って今に繋がるところはありますか?

自分の人生を自分で切り拓く、という経験ができた時期だったと思います。
仕事では配達から営業へのステップアップを志願し、日本製のビールや日本酒などをレストランへ飛び込み営業していました。オーストラリア人にノンアルコールビールは売れませんでしたが(笑)、海外で社会人として役割を担って働くという貴重な経験をさせてもらいました。
その後、一年間働いて貯めたお金で車を買って、オーストラリア一周の旅に出ました。毎日見知らぬ土地を目指して大自然の中で車を走らせる、まさに大冒険でした。いろんなトラブルもありましたが、楽しく無事に旅を終えることができました。
日本語が公用語でない環境でたくさんの経験を積むことができたので、日本に帰ってからは何でもできる気がしていました。なにより日本語が通じますしね(笑)
大きな自信がついたとともに、これからも自分の人生を自分で作っていくんだという意識が芽生えていました。

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【写真:オーストラリア一周旅を満喫する早川さん】


2.宮古との出会い

ーー早川さんは福岡県のご出身ですが、東北、あるいは宮古との関わりはあったのでしょうか?

それが、まったく無かったんです。
海外から久しぶりに日本に戻ってくると、「やっぱり日本いいなあ」と思うようになっていて、そんな時に東日本大震災が起きたんです。東北に縁はなくても、同じ日本国内、他人事とは思えなくて。すぐにボランティアに行くことを決めました。
ただ、震災直後は「遠方から支援に行っても現地では迷惑になる」というようなSNS上の噂があったり、情報が錯綜していたので、現地でボランティアの受け入れ体制が整うタイミングを待っていました。
そんな中で、ボランティア向けの宿泊施設が早い段階で整備されたのが宮古だったんです。支援者向けの設備が早めに整っていて、かつ、たまたま目についたのが宮古だった、という感じですね。
2011年の6月中旬から宮古でのボランティアを始めたので、現地に着いたのは震災から3か月ほど経ってからでした。

ーー現地では当初どんな活動をしていましたか。

最初はがれき撤去や泥出しといった「復旧」作業をしていました。
宮古に滞在する予定は2週間くらいで、他の地域にも行こうと思っていたんですが、そのくらいいるとベテランになっちゃうんですよね(笑)
結局2ヶ月間まるまる宮古にいることになり、ボランティアリーダーとなってまとめ役に回ることが多くなりました。

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【写真:側溝の泥出し作業中の早川さん(写真左)】

そこから、地元のボランティアの方々に声をかけてもらってボランティア団体に入り、コーディネーターとして「宮古の復興のために何が必要か」を考える立場になった、という感じです。

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【写真:ボランティア中、満面の笑みの早川さん】


3.みやっこベース設立秘話

ーー偶然が重なって宮古との繋がりが生まれたというわけですね。ボランティアコーディネーターとしては、主にどんな活動をしていましたか。

現地の支援に関するニーズの調査や、小・中学生の仮設住宅内での遊び場の提供、学習支援などをしていました。そこでみやっこベース設立のきっかけになる、宮古短期大学や、宮古商業高校の生徒たちとの出会いがあったんです。

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【写真:遊び場提供ボランティア中の早川さん(写真中央)】

ーー遊び場提供というと…子どもが好きだったんですか?

いや…むしろ苦手な方なんです(笑) 距離感が難しいんですよね。でもそういった支援の場を通して、短大生や高校生が上手に子どもと接していたので、すごいなあと。

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【写真:宮古の学生ボランティアが子どもたちとクリスマス会している様子。ダイナミックなポーズがナイス。】

ーー意外です(笑) みやっこベースで大事にしている「若い世代を育てる」という視点は、子どもたちとの関わりから生まれたんでしょうか。

小・中学生もそうですし、ボランティアのお手伝いをしてくれる短大生・高校生との関わりがあったことが大きいと思います。復興に対して自ら責任感を持って取り組む学生の姿を見て、未来の世代を育てる大切さを認識しました。
2012年の秋頃に、所属していたボランティア団体が解散してしまったことも大きなターニングポイントになりましたね。「せっかく宮古に残ったのに、何も残せずに帰れない!」という思いが生まれたんです。
震災から1年経った当時、すでに若者ボランティアの数も減っていました。宮古には4年制の大学がないので、高校を卒業すると県内外問わず、宮古を離れてしまう若者が多いんです。その先で、「宮古に帰ってきたい」と思ってもらうことが復興に繋がるのではないか、と。
高校生をはじめとした未来を担っていく世代が、宮古に関わる場を作って、地元への愛着を持ってくれるきっかけになるようにという想いを込めて、2013年の初めにみやっこベースを設立しました。
「形に残す」という意味で、まずは協力してくれる仲間を10人集めて、NPO法人化を目指しました。初めは学生ボランティアセンター的な立ち位置になるかなと思っていたんですが、また違う形で団体が育っていきました。
関わってくれる学生たちのリアクションを見て、流動的に活動の形を変えながら、復興や地域の活性化に向けて主体的に動く団体になって、今に至ります。

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【写真:みやっこベースメンバーで。上段左上が早川さん、最前列センターは広報スタッフ島越。】

4.これからについて

ーーこれまで過去の体験やエピソードをお聞きしましたが、最後に今後の展望を教えてください!

宮古に「何か残したい」という思いをずっと持ち続けているので、やってきたことの整理や、役割の再定義をして、地元の方々や後継者への引き継ぎをしたいな、と思います。
具体的に言うと、みやっこベースが発足した当初よりも、宮古の復興・地域おこしの意味合いが拡大してきたと思うんです。
さまざまな活動をする中で、新たな課題が見つかって、それを解決できるよう工夫してきました。
そこで得られた地元の方々や若者との繋がりを途切れさせないように、コミュニケーションを取り続けて、宮古の未来のためにみやっこベースが果たす役割をしっかりと捉え直すことが必要だと思います。
それから、みやっこベースに若い世代がどんどん関われるようにすることも必要ですね。
地元に帰ってきた宮古出身の若者も、離れたところで力になりたいと思っている子たちも、みんなを巻き込んで活動していけるような団体にするために、組織作りや資金確保の体制を整えていきたいです。

おわりに

いつも穏やかな雰囲気の早川さんですが、ご自身のパーソナルな部分を話すときは照れくさそうでした!
みやっこベース誕生秘話もじっくり伺うことができ、OGの私も意外な部分が多かったです。

そんな早川さんは、プライベートでは4月にお子さんが生まれ、パパになりました!

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【写真:早川さんとお子さんのほのぼのツーショット】


みやっこベースの運営と子育てと、これまで以上に忙しくなるかと思いますが、お子さんの成長が楽しみですね^^


そして次回からは、みやっこベースの8年間の歴史を振り返ります。

復旧から復興へ、そして宮古の未来のために活動を続けてきたみやっこベースのあゆみをご紹介します!


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メール:miyakko.base@gmail.com
電話 :0193-77-3809
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