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中学入試 国語読解法 その3 説明文(論説文)の読解のしかた ④ キーワードの見つけ方

a 説明文の読解に役立つキーワード

小学校の国語の授業では、ちゃんとした説明文(論説文)の学習をすることはあまりありません。ちゃんとしたというのは「序論→本論→結論」の構成が整ったそれなりに読みごたえのある内容の文章です。教科書に出てくるのは物語文が中心で、難度の高い説明文にぶつかると「なにが書いてあるかわからない」となりがちです。

ですから「なにが書いてあるかわからない」レベルの問題文に数多くあたって、国語の読解テクニックを使ってそれらの文章をしっかりと読みとる練習を数多くこなしていくことが大事になります。読解テクニックとは「段落ごとの関係をおさえながら」「指示語に注意をして」読んでいくことだと今までにお話ししてきました。

もうひとつ、とても重要なのは「キーワード」を探しながら読んでいくということです。問題文全体を一読した後に、どれだけキーワードに傍線が引けていたか、それが説明文読解の成否をにぎることになります。なにがキーワードかわかりながら読んだ者と、そうでない者との一読後の全体読解の理解度は大きく違っているはずです。

b キーワードの見つけ方 タイトルをチェック

キーワードを見つけるにはそもそもつぎのような姿勢で文章に対する必要があります。

そもそもこの文章は何について述べようとしているのか

当たり前ですね。でも、当たり前のこの姿勢がキーワードを見つけるキホンです。つねに自分にこう問いかけながら問題文を読むようにして下さい。ということは、問題文のタイトル、問題文の前振りなどもとても重要な情報をしめしているはずです。

入試の問題では、問題文のタイトルは、著者名といっしょに問題文の最後に付け足しのように書かれていることが多いです。ですから、入試の問題文に対する時は“まず問題文の最後のタイトルと著者名”を確認することをしましょう。タイトルは何をおいても重要なキーワードです。

また、設問の中にもヒントが隠されていることも多いです。『つぎの文章は△△について書かれたものです・・・』などと書かれていることもあります。設問も無視せずにしっかり読んでいく習慣づけも必要です。

c キーワードの見つけ方 繰り返し出てくる言葉をチェック

皆さんも自分の意見を他人に伝えるとき、どうしても伝えたい内容はどのようにしますか。そうですね。何度も繰り返すことをしますよね。説明文の著者も同じです。言いたいことは何度も繰り返すのです。したがって、この“繰り返し出てくる言葉”もキーワードとしてチェックが必要です。

ただ、この“繰り返し出てくる言葉”も、まったく同じ言葉でない場合も多いのです。つまり“言い換えられた言葉”ということです。筆者はどうしてもそのことについて読者に理解してもらいたいので、同じことを表現をちょっと変えて繰り返すのです。ということはこの“同じ内容を言い換えた言葉”というのは筆者の言いたいことに直接結びつく大事な言葉と言うことになります。

難易度の高い問題文になると、筆者の言いたいことを表す言葉が、辞書にのっている意味とは違って使われることも多くあります。こうした場合は、筆者は繰り返して“同じ内容を言い換えた言葉”を使ってきます。これについてはつぎの稿で詳しくふれたいと思います。

d まとめ

  • 説明文を読んでいくときには、キーワードを見つけていくようにすること。

  • キーワードを見つけるコツの第1はタイトルにある。

  • さらに“繰り返し出てくる言葉”も重要度は高い。

  • “同じ内容を言い換えた言葉”についても、筆者が言いたいことに近いはずなので要チェックをすること。

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