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004|丸ノコ2 各種パーツ解説| #DIYとか工作とか #展示技術講座

とりいそぎ授業の流れが作れる文章を沢山作成するため、記事内には多数の準備できてない画像があります。ご了承ください。

こんにちは、普段は美術館などで展覧会の技術的な仕事をしている宮路です。色々な大学でちょっとした講座なんかもやってます。講座用の教材として、なおかつDIYerにも使えるちょっとした記事を書いていきます。工具や材料、方法や基礎知識なんかについて書いていこうと思います。

本記事を何かのワークショップや授業でお使いになりたい方はご自由に(出典、URLの共有お願いいたします)。

今回は「丸ノコ2」です。前回の記事は以下のリンクからお読みください。

今回は自分にあった丸ノコを選ぶ上で大事な丸ノコの機構やパーツについて解説していきます。

この記事はあくまでオススメの方法や著者の考え方を紹介するにとどまります。世の中には色々な方法論があるので参考までにとどめておいてください。

もし何か補足や間違いなどあれば教えていただけると嬉しいです。多くの人の参考になりやすい記事を目指して書いていきますのでよろしくお願いいたします。


もっとも重要といえるサイズ

丸ノコのサイズは丸ノコの刃の直径で決まります。165mmの刃は165mm用の機種に、125mmの刃は125mm用の機種にしか使えません。もっとも売れているサイズは直径165mmです。次に売れているのが125mmだと思います。ほとんどの人がこの2種類から選べば良いと思います。

サイズが大きいと深くまで切れます。分厚い材料や太い材料を多く取り扱う場合は165mmのほうを使います。ざっくりとですが、リノベーションなどの建物にアクションする場合は165mmを買った方が良いと思います。逆に、テーブルや本棚から入りたい人は125mmが良いのかなと。

左が165mm 右が125mm

大きいほうが色々な材料を切れますが、小さい方が軽くて取り回しやすいです。125mmか165mmのどちらかを自分の体格や目的に合わせて選ぶことが重要かなと思います。実際にお店で手にとってみたり、どれくらいの深さが切れそうか見てみたりしてみてください。

安全カバー|スイッチ

安全カバーは全ての丸ノコについているとはずです。無ければ危険すぎるので使うのをすぐにやめてください。安全カバーにはスライドする仕組みがあります。切ってる途中は材料にあたり自動的に必要なだけカバーが開きます。ただ、材料の置き方によっては邪魔になってしまうことがあるので注意です(次回以降の記事で説明します)。

スイッチには色々な種類があります。主にバッテリー式のものと100V式のもので違います。基本的にはスイッチを握っている間だけ刃が回転します。100V式のものはスイッチを握りっぱなし状態にするスイッチストッパがあったりします。

黄色がスイッチ|オレンジがスイッチストッパ|右の画像がストップした状態

ちなみに、バッテリー丸ノコは誤作動防止のためスイッチが2段階になっていたりします。また、スイッチストッパが無いことが多いです。バッテリ機を持ってないので、後日知り合いのを丸ノコを写真にとって共有します。

バッテリー丸ノコのスイッチ部分画像(後日追加

ベースプレート

最初からこの部分がしっかりしたものを買うことを強くオススメします。安いペラペラのベースプレートのものはDIYの楽しさを半減させます。調整はできず、精度も出なければ滑りも悪く使いにくいです。リンクは安いものです。念のため書いておくと、京セラはきちんとした良いものも沢山つくっています!!

なぜベースプレートが重要かというと、ベースプレートをガイドにそわせて使うことがほとんどだからです。ベースプレートと刃の角度の精度や剛性がそのまま仕事の精度につながります。

左のガイドを手で固定してベースプレートをそわせる

丸ノコはフリーハンドで使うと、モーターの軸ブレの原因や刃がたわんで切り口が微妙になります。僕個人は丸ノコをフリーハンドで使うことは無いですが、どうしてもフリーハンドで使いたい局面はあったりします。

雑にフリーハンドで緩い曲線を切ったりするために、安いペラペラの鉄プレートの丸ノコを持っておくのはありかもです。メインの丸ノコをそういった作業に使わずにすみます。

深さ調整機構

丸ノコの機能の中で最もよく使われる部分であり、一番壊れやすい部分でもあります。下の画像のメモリのついた部分が丸ノコの中で1番弱い部分とも言えます。深さを変える場合は赤丸の中のレバーを使ってロックを緩めて深さを調整します。

角度調整機構

大抵の丸ノコは片側45度まで倒すことができます。モーターのでっぱりがあるため、片方にしか倒れません。おそらく、壁ぎわのすみ切用かと思いますが、逆側に5度倒れるものもあります。

左の機種は反対側に5度傾けることが可能

大きいサイズのものは前後にネジがある場合がほとんどです。小さいさいずのほうは前方に1か所のみが多い気がします。前後に2箇所ある方が安心感はありますね。

棒材を切る場合、三次元的に角度をつけたい場合があります。そういった作業が多い場合はスライド丸ノコという道具も知っておいてください。お金に余裕があってスライド丸ノコも買うとなれば、丸ノコは板材カット専用機になる可能性もあります。

並行定規の固定ネジ

板ざいを長手方向に切る場合はT字の並行定規を使うことが多いです。そういったものを固定するためのネジが丸ノコにはついています。ネジ部分も色々な工夫があるため商品を選ぶ時に見比べてみましょう。

平行定規の固定ネジ部分の画像(後日追加

精度調整機構|イモネジ

買ったばかりの丸ノコではある程度ベースプレートと刃の関係は調整されています。この部分を微調整して精度を高めたいという需要が高かったため、良い丸ノコには調整用のイモネジ(六角レンチで回す凄く短いねじ)がついています。

ベースプレートの裏側についているのは角度調整機構を微調整するためのイモネジです。ベースプレートと刃が完璧に90度になるようにここで調整できます。

いもねじはベースプレートの角度調整部分に突き出てくるように入っています。この黒いイモネジのとび出し具合で90度を調整します。下の画像ではわざと隙間が空いていますが、赤丸内の左の金属が黒いネジ部分にあたりストップします。


ベースプレートと刃が並行であることもとても大事です。赤い丸の部分が並行調整機構です。黄色い丸が調整のために必要なイモネジです。

イモネジを緩めて刃の前方固定部分を左右にスライドさせることができます。機種によって調整方法がことなるので、調整したい場合は説明書を良く読んで調整してみてください。

モーター|ブレーキ|電子制御

丸ノコの刃を回すモーターにはブラシレスモーターとカーボンブラシモーターの2種類があります。個人的にはブラシレスモーターの機種がオススメです。モーターがとにかく小さいです。ガイドにそわせる作業がほとんどなので、モーター部分が短い(小さい)だけで圧倒的にストレスが減ります。

ブラシレスのものしか持ってませんでした

次に、ブレーキ機能ですが、最近の丸ノコであればついているかと思います。丸ノコのスイッチをはなした瞬間に刃の回転が止まればブレーキつきです。有名でないメーカーの安い丸ノコだとついていなかったりするので気を付けましょう。ブレーキがついてないものは危険です。

電子制御というのは、刃が木に挟まったりして付加がかかり過ぎた時に自動で回転を止めてくれる昨日です。機種によってはソフトスタートしたり材料の硬さにあわせてパワーが変わったりとあるようです。

電子制御のものしか持ってませんでした

ということで、個人的なオススメは最初からブラシレスモーターの電子制御のついたハイスペックな丸ノコです。何度も買いなおす機械でもないので、最初から高いものを買った方が「安物買いの銭失い」を防げます

集塵丸ノコと防塵丸ノコ

下の画像のは165mmと125mmの2種類の丸ノコです。形が違うのがわかると思います。

左のは集塵ホースの口をつけてあります。

125mmの丸ノコには防塵丸ノコと集塵丸ノコというジャンルがあります。右に写っているものがそれです。集塵丸ノコは集塵機(掃除機のようなもの)と一緒に使い、ほとんどの切り粉の飛散を防ぎます。下に写っている防塵カバーに付け替えると防塵丸ノコになります。ケース内に粉が溜まっていくため切り粉の飛散をある程度防げます。

165mmの丸ノコの方にも集塵機をつけるための口がありますが、体感として40%くらいしか粉を吸わない印象です。そうなると、結局は掃除が大変ですので期待するのはやめておいた方が良いと思います。

バッテリーと有線(100V)

バッテリーの丸ノコは年々増えてきて使い勝手も良くなっています。バッテリ式のメリットは庭先やキャンプ場の中など電源を引っ張ってくるのが難しい場所でも難なく使用できることです。

体感として、18V以下の丸ノコはパワー不足を感じます。丸ノコの消費電力を低電圧でだそうとすると電流量が大きくなりすぎます。大電流は危険なため18V機はパワーが弱いのだと思います。バッテリ丸ノコをメイン機する場合は36~40Vの機種にすることをオススメします。

また、最近ではポータブル電源というのも流行っていますので読者にいるかわかりませんがキャンプ場などを経営している人なんかは有線とポータブル電源の組み合わせなども視野にいれても良いかもです。個人的には凄く欲しいのですが手が出ません……

36~40Vのバッテリー丸ノコには他にも良いポイントがあります。集塵機をつけない場合は、電源ケーブルがなくなると凄く取り回しが良いです。また、バッテリー丸ノコのほうが安全面でも優れているような気がします。スイッチストッパがないので手をはなすと回転は必ずとまります。また、2段階のスイッチは誤作動の確率を凄く下げてくれるのでは無いでしょうか?

オススメの丸ノコ

この記事はあくまで個人的なオススメを共有するにとどまります。また、アマゾンが安いとは限らないので、型番から安いお店を探してみてください(サムネイルが出るためアマゾンリンクにしています)。金物屋さんで買うとアフターサービスが良かったりします。

色々説明されたけど、どれを買って良いかわからない人のための参考までとします。どんな人であっても基本的には以下の部分は外さない方が良いかなと思います。また、最終的には自分で考えて納得してから購入してください。道具を選ぶスキルこそDIYerに1番必要なスキルかつ楽しい部分ではないでしょうか?

最初から良いのを買いましょう!!
1/ブラシレスモーター
2/ベースプレートが良い
3/電子制御

リノベーションなどの建物にアクションするタイプのDIYerは165mmの丸ノコが良いと思います。そうなるとAC100V機か36~40Vバッテリ式の2択になります。リノベということで作業する部屋を移動したり高いところで使ったりすることも考えるとバッテリ式なのかなと思います(僕は持っていません)。

バッテリと充電器の料金が入るのでお高いですね。リンクから本体のみも選べます。すでにバッテリー工具を持っている人はそちらでも良いかと。ハイコーキかマキタかは好きなほうをお選びください。

値段的なオススメということで、AC100V機も2社分はっておきます。マキタは僕のもっているのと同じですので、かなり古い機種ですね……新機種がでたら更新しておきます。買った時は3万くらいだったのでアマゾン以外で買った方が良さそうです。

次に、リノベーションのように建物にアクションしないDIYer向けです。簡単な棚などから始めたい人むけです。

ハイコーキの集塵丸ノコ。ハイコーキ製品はマキタとハイコーキの両方の集塵機に何も付け足すことなく接続可能です。集塵丸ノコはどうせホースをつなげるのでAC100V機種のがオススメです(マキタはAC100Vの集塵丸ノコにブラシレスモーターの機種がありませんでした)。

こちらの製品とダストボックス(下のリンク)を組み合わせて、まずは防塵丸ノコとしてしばらく使ってみるのが良いかと思います。なぜか100Vの防塵仕様のものが見つからず、ダストボックスは別買いになってしまいます……

まずはお手軽に防塵丸ノコとして使用してみて、丸ノコの使用率が高くなってきたら集塵機の購入をお勧めします。どうせなのでメッシュホースも買ってしまいましょう。この時、もともと丸ノコについてきた集塵機用のアタッチメントが役立ちます。

ちなみに、僕はマキタの集塵機とマキタのメッシュホースをハイコーキの集塵丸ノコと一緒に使っています。

おわりに

インパクトドライバ、ドリルドライバ、丸ノコと購入したころにはかなり色々なものが作れるようになっていると思います。金銭的に丸ノコに手が出にくい場合はホームセンターのカットサービスや貸し出し工具、工作室のあるホームセンターを利用するのもオススメです。工具の感じがつかめます。

少ない道具でやりくりしてみたり、苦労してこそ道具を買った時の喜びも大きいと思います。よいDIYライフを!

次回は、丸ノコを安全に使うためのポイントについて書きます。


サポートされると、自分も他の人をサポートしてみようかな?という気になります。また、自分の文章の価値を感じれてとても嬉しい気持ちになります。