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松本潤というアイドルの話。

2019年に嵐が活動休止を発表して以降、ふとした瞬間に考えてしまうことがある。

Netflixで配信中のドキュメンタリーにて、嵐の今後の話し合いを進める中で20周年のライブツアーすら出来ない可能性があったことが明かされたけれど、恐らくその話し合いのど真ん中で始まったであろう嵐のライブツアー"untitled"のことだ。

2017年6月に嵐の今後についての話し合いが始まり、その5ヶ月後にこのライブツアー"untitled"は初日を迎え、最終日の1ヶ月後に嵐は事務所に今後のことについてを申し入れている。

まさに駄々かぶりの日程の中で開催されたこのライブツアー。
嵐はまだこんな可能性を秘めていたのかと思わされる最高のコンサートだったが、その中でもコンサート本編の終わらせ方がとてもドラマチックかつ印象的で、私はその流れが大好きだった。

華やかで壮大なステージで繰り広げられるミュージカルのようなパフォーマンス。キラキラした王子様のような衣装を纏い、演出でも魅せながらここまで歩いた道のりを振り返る感動的な楽曲「Song for you」を披露し、
本来であればそこで完結と思われたタイミングでアルバムのリード曲「未完」のイントロが流れる。

王子様のように煌びやかな衣装を脱ぎ捨て、俺たちはまだまだ未完成だ。ついて来れんの?と嵐に挑戦状を叩きつけられて終わるような、そんなイメージ。

正直めっっっちゃ格好良くて大興奮した。笑

ここへ来て攻めの姿勢貫くとかuntitled良すぎてやばない?嵐最高…とオタク仲間たちと何度も何度も同じ話をしては飽きずに盛り上がった。
嵐は松本くんが中心となりセットリストを組んでいるらしいので、呑気な私は心でスタンディングオベーションしまくっていた。

でも、今になって考えてしまうのだ。
あの美しいコンサートの意味を。
嵐として最後のコンサートになる可能性を秘めたまま、本編が「未完」で幕を下ろすセットリストを組み上げた、松本潤くんの気持ちを。

ただの勝手な想像だけれど、うっかり涙が出そうになる。オタクは想像力が豊かでいけない。

本編の後のアンコールもそうだ。

終わらないストーリー、果てしないメロディ、音楽は鳴り止むことはないと優しく力強く歌う「彼方へ」という楽曲は、メンバーそれぞれがソロパートを歌い繋いで畳み掛けるパートが終盤にある。

各々が自分のパートを正面を向いて歌い上げるその場面で、歌っていない4人が歌っている人の方を見るのはどう?と松本くんはメンバーに提案した。
それはささやかな違いかもしれない。
けれどたったそれだけのことで、嵐の5人はお互い顔を見合わせ微笑み合い、笑顔と多幸感あふれる実に嵐らしいキラキラした素敵な空間にしてみせたのだ。

でももし、もしも松本くんが、これで終わりかもしれないと頭のどこかで思いながら、この提案をしていたとしたなら。

「若干キモいこと言うと、なんか寂しかったんだよね…」と少し気まずそうに、気恥ずかしそうに、その提案をした理由を教えてくれたことを思うと、もうあまりの健気さといじらしさにオタクの胸は愛おしいやら切ないやらで張り裂けてしまうのです。
ていうかもう物理的に張り裂けるかと思った。
オタクは想像力が豊かでいけない。ほんとに。

勿論これはあくまでも私が勝手に思ったことで、実際松本くんがあのツアー、あのセットリストにどんな気持ちを込めたのか分かる日はきっと来ないし、分からないままでいいんだと思う。

けれど、分かっていることもひとつだけある。

松本潤くんのすべては"愛"で出来ている

ということだ。

おいおいジャニヲタ妄想も大概にしとけとどこかからか声が聞こえてきそうだけれど、
2020年12月31日までの日々を見つめ続けた私からしたら、いやいやこれ以上の結論ないんですよこれはマジのやつですと真顔でゲンドウポーズのまま答えるしか無い事案なのだ。
宇宙の真理なので生きとし生けるもの全ての皆さん心に刻んで生きてほしい。
繰り返しますがこれはマジのやつです。

そして言うまでも無いことだけれど、嵐のメンバーはこの2年、愛と誠意を持ってファンのために各々奔走してくれていた。それは間違いのない事実。
ただ私はあくまでも松本潤くんにヘビー級の愛を捧げているオタクなので、ここでは主に潤くんのことに焦点を当ててお話をさせてください。
そこはご承知おきの上で読み進めてくださるととても嬉しいです。

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2019年1月27日。

嵐が活動休止を発表してからというもの、どれだけ明るくあろうとしても付き纏う寂しさは常に心のどこかにあったし、
ふとした瞬間に悲しくて悔しくて遣る瀬無くなって泣いてしまうこともあったし、
心ない報道や誰かの言葉に気持ちを掻き乱されて落ち込んでしまうことや、
離れる決意をしてしまったその決断に、4人で続けながら待つことを選んでくれなかったその潔さに、5人を責めるような気持ちが芽生えてしまう自分に自己嫌悪して、心折れそうになる日もあった。

そして何より、新たな夢や目標に、まだ見ぬ世界に向かって走り続ける嵐が大好きな私にとって、
話し合いの末に活動休止という明確な「終わり」に向かって嵐が走り出してしまったことが本当に苦しかった。

次は何を見せてくれるんだろう?そんなワクワクした気持ちで嵐を応援してきた自分は、この先に待ち受けているものが終わりだと知ってしまったのに、これから一体どんな気持ちで応援したらいいか分からなくなった。
大好きな筈の嵐の誠実さが、少しだけ憎かった。

でもそうやって気持ちがぐるぐるになってしまう度、何度も何度も松本くんは言葉で、行動で、パフォーマンスで、私の心を掬い上げてくれた。

大丈夫。信じて。楽しんで。
そう言い続けてくれた。

これからの僕らを見ていてほしい。
絶対に後悔はさせません。
伝えるべきことは自分たちで伝えていくから、
僕たちの言葉だけ信じて欲しい。
店仕舞いみたいな時間にする気はない。
最後までチャレンジし続ける姿を見せたい。


傷付いた気持ちに寄り添い、決して否定せず、時に力強く、何度も何度も伝え続けてくれた。
この2年で軽く5億回は惚れ直したと思う。
いや嘘。8億回は堅い。

私は休止発表の時点で、ああ嵐はこれからの2年、今までの活動を振り返り、愛おしんで、みんなで惜しみながら、これまでの全てを思い出にするための時間にしていってしまうんだな。

" 今までありがとう さようなら "

そういう時間になってしまうんだなと思っていた。

でも実際は、全然違った。
嵐は今までと変わらず、いや今まで以上に、とにかくやれること、やりたいこと全てやり尽くそう!
懐かしんでる暇などない!と言わんばかりに全力疾走し始めた。

メンバーがやりたいこと。
ファンが見せて欲しいと願っていること。
自分たちがやりたくても、一部のファンからはきっと否定的な声が上がってしまうようなこと。
その沢山の声をまとめ上げていくど真ん中に、松本潤は立っていた。

昔は泣き虫と揶揄されていた松本くんだけれど、この2年ずっと涙を見せず、いつもキラキラ笑いながら、ファンが寂しい気持ちに引っ張られてしまわないようにしてくれていた。
まだみんなに見せたいものがある。見せたい景色があるよとこちらに優しく手を差し伸べて。

沢山のオンラインコンテンツ、展覧会の開催、SNSの解禁、楽曲のデジタル配信およびサブスクリプションの解禁、海外展開に伴う海外公演の企画、ブルーノマーズによる楽曲提供、ファンの見たい!を集約したリクエスト制のコンサート"アラフェス"の国立競技場公演、その公演に至るまでの時間を楽しむためのFC限定コンテンツ、21年目のデビュー記念日に発売された休止前最後にして今の嵐が送る最新のオリジナルアルバム。
そして、多くの実験的なチャレンジを詰め込んだ、大晦日の無観客生配信ライブ。

パッと頭に浮かぶだけでもこれだけのことがあるけれど、これは本当に代表的な一部のことであって、
untitledのライブツアーでメンバーの方を見ようとあたたかで優しい提案をした時のように、数え切れない程のサプライズを潤くんは嵐の先頭を切って、愛をもって生み出し続けてくれていた。
例えばTwitterのハッシュタグに小さなイラストを表示させる"ハッシュフラッグ"の打ち合わせすら自分でやっていた人なのだ。
多分休止に至るまでの全て、松本くんの目を通らずに世に出されたものはただの一つもないんじゃないかと思う。

残酷にもコロナ禍において、その手の中からポロポロとこぼれ落ちていってしまった多くのものが有ったことは確かで、
どうにか崩れないように奔走して、修復して、でも振り返ってみたらこんなにも崩れていたのかと愕然としたと言っていた潤くんの気持ちを思うととても私なんかが言葉に出来ることではないけれど、
でもそんな苦境に立たされてもなお決して立ち止まらずにAが無理ならBを、もしもの時のためにCも用意しておこう、そうやって何としてでも届けようとしてくれたもの全てが、どれだけ大切で愛おしいものだったか。幸せを、生きる力をくれていたか。
どうすればちゃんと潤くんにこの気持ちが届くだろうと途方に暮れてしまうほど、沢山のものを毎日与えてもらうばかりの2年間だった。
Love so sweetの歌詞にあるように、この伝えきれない愛おしさが花になって、潤くんに降り注げばいいのに、なんて限界オタクすぐポエム読んじゃうから。ほんとすいません。

でも、どれだけチャレンジを続けても期限はある。
あっという間に活動休止のリミット、大晦日の無観客生配信ライブ「This is 嵐 LIVE」当日が来てしまった。
1日も早く見たくてたまらないのに、一生その日が来て欲しくないと願ってしまったコンサート。
きっと後にも先にもこれだけだろう。

それでも潤くんは言う。

いろんな気持ちがあると思うけど、楽しんで!
一生忘れられない思い出をみんなで作ろう!
嬉しいも楽しいも悲しいも全部ごちゃ混ぜにして渡すから、全部受け取ってね。

そう言ってくれるのだ。

もうそんなもん、受け取る以外の選択肢、あるか?
えぐえぐ泣いてずびずび鼻水垂らしながらまるっと全部受け取りますよ!!もらいますよ!!
それで、全力で楽しんでみせるよ!!!!!

何が何でも楽しんでやる。
そんな心意気で配信LIVEに臨んだ私。
レポなんてとても出来ないので結論から言おう。

めちゃくちゃ泣いた。10年分くらい泣いた。

でも、めちゃくちゃ楽しかった。
本当に楽しかった。
嵐が大好きだなと思った。
仲良しなところが魅力だと言われがちな嵐だけれど、私からしたらこんなにも完璧に魅せてくれるアイドルは唯一無二だって思うよ。
パフォーマンスの緩急や温度感、人を幸せにする圧倒的な力。これが嵐だ文句あるか!と5人に見せつけられたみたいだった。

毎日毎日、私が過ごしてきた日々の中にいつでも嵐は居てくれたし、これからも形を変えて寄り添ってくれるんだなって思えたよ。

嵐が21年間届け続けた楽曲の中にはもっと明確に"別れ"を思わせるものもあるけれど、
敢えてそういう曲は一切入れずにいてくれた。

友の背中を押し、これまで歩いた確かな日々を愛おしんで、またいつかの再会を願うような。
あたたかく、優しく、愛に溢れたものだった。

ライブツアー"untitled"で道半ばにして終わってしまっていたかもしれない、存在したかもしれない未来を超えて、嵐は最後のその瞬間までコンサートでファンに想いを伝えてくれた。

2017年、あのとき嵐が私たちに歌ってくれた「彼方へ」はそこから着想を得て「The Music Never Ends」へと形を変え、
ファンが歌うために作られたパートを含む、嵐とファンで紡ぐ美しい歌になった。

音楽は終わらない。
音楽はいつもそばにいる。
揺るぎない強さでそう伝えてくれた。

CDが聞かれない時代がすぐそこまで来ている。
そうなったとき、自分たちの音楽を無かったことにされるのは、俺は悔しい。

楽曲のデジタル配信を解禁した際に、潤くんが言っていたことが脳裏によぎる。

潤くんがやろうとしていたこと、あれもこれも全て嵐への、メンバーへの、ファンへの愛で、嵐の音楽を心から愛するからこその決断だった。
時代が変わってもいつも生活に寄り添う形で嵐の音楽を感じられるように、まるで、嵐をずっと覚えていてねって言っているみたいに。

寂しかったら、嵐聴いてください。
俺も聴きます。

チャームポイントの凛々しい眉毛をへにゃりと下げて言ってくれたその言葉が、今の私を支えてくれているよ。

松本潤くん。

キラキラした笑顔で全力で踊る姿を、
メンバーを心底愛おしそうに見つめる表情を、
ハーモニーを作り出す優しい歌声を、
歌詞に想いを乗せたパフォーマンスを、
ドームの天井にリアルタイムで映し出されたファンからのメッセージを読むその横顔を、
直接目の前には居ないけど…と、そこにはいないファンを思って声を詰まらせながら見せた笑顔を、
震える声で、関わる人全てに感謝を伝えて、堪え切れずに背を向けたその後ろ姿を、
大きな瞳に涙を湛えて「僕にとっても嵐は夢でした」と微笑んでくれたその声を、
この2年間ずっと凛としていたあなたが、最後の最後に初めて涙を見せて「いつかこの夢の続きが出来たらいいな。…分かんないけど」と心の内をちょっとだけ見せてくれた、その美しさを。
私はこの先一生忘れないと思う。

間違いなく、あなたの全ては愛で出来ていた。

松本潤というアイドルに出会えたこと。
嵐というグループを応援してこれたこと。
私の人生の宝物です。

俺、嵐になるんだよ。

潤くんが同級生のお友達にそう報告してから2020年12月31日に至るまで、ずっとずっと最高のアイドルで居てくれてありがとう。
輝き続けてくれてありがとう。
あなたほど応援し甲斐のあるアイドルはいません。
あなたのファンになれて、同じ時代を生きることが出来て、心の底から幸せです。

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と、締めることが出来れば美しいのですが。
だがしかし。

2020年12月31日。
嵐は光の中に、夢のように消えてしまったけれど、残念ながら私は嵐に似て諦めが悪いのです。どや。

個人での活躍を全力で応援するとともに、
アイドル松本潤をもちろん諦めませんし、
当たり前のように嵐の帰りを待ち続けます。どや。

それまでしばらくの間、虹の架かった美しい空を、みんなで語り合いながら眺めて待ってるからね。
嵐がくれた沢山の宝物が、音楽が、その全てがちゃんと手元にあるから大丈夫。

寂しくて堪らない日もあると思うけど、
というかもう既に寂しくて堪らないけれど、
今はまだ、この寂しさ丸ごと愛おしい。
この寂しさこそがファンとして嵐に目いっぱい愛された証だと思うし、なんならこんなに愛してもらえるファンいます??と自慢したいくらい。

潤くん。嵐のみんな。
21年間、沢山の愛を届けてくれてありがとう。
数え切れないほどの楽しみをくれてありがとう。
見たこともない景色を見せてくれてありがとう。
ともに駆け上がる喜びを教えてくれてありがとう。
沢山の出会いをくれてありがとう。
そして、夢を見せてくれてありがとう。

いつかまたね、交点の先で。

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