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「ザリガニの鳴くところ」と「洞窟おじさん」境遇がよく似ている                                                                                                            

「ザリガニの鳴くところ」の境遇とよく似た本とテレビドラマが日本にもあるのをご存じですか?

「洞窟オジさん」といいます。親の酷い虐待から逃れるため、13歳で家出をしてから43年間に渡って洞窟などで野宿生活をして生き延びてきた方の実話です。本の出版は2004年、NHKが2015年にドラマ化しています。

ストーリー

「ザリガニの鳴くところ」のストーリーは、ソニー・ピクチャーズのサイトから引用しますと:

1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。容疑をかけられたのは、‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。

SONY PICTURES、「ザリガニの鳴くところ」ストリー


一方、「洞窟おじさん」のほうのストーリーはといえば:

昭和35年、当時13才だった少年は「両親から逃げたくて」愛犬シロを連れて家出した。以来、彼はたったひとりで誰にも知られることなく、足尾鉱山の洞窟、富士の樹海などの山野で暮らし、イノシシやシカ、ヘビにネズミ、コウモリ、野ウサギなどを食らい命をつないできた。発見された時、少年は57才になっていた。
(略)

小学館、「洞窟オジさん」サイト

「ザリガニの鳴くところ」では、そっと見守ってくれる黒人夫婦がいるそうですが、「洞窟オジさん」にもそういう親切なご夫婦や女性がおりました。

洞窟オジさんは、庭のように知り尽くした山々から野生ランを採って販売しましたが、ザリガニさんもムール貝を採って必需品に変えて生き延びていたようです。

NHKがドラマ化

筆者は新型コロナでステイホームをしていた頃に、眠れない深夜、テレビチャンネルを回していて偶然このドラマを見ました。

洞窟オジさんにはシロという犬の相棒がいました。家出をしたときに後を追ってきて、一緒に洞窟で暮らした犬です。この犬との生活描写は、なんとも美しかったです。犬が死ぬ場面では涙が止まりませんでした。

ドラマの挿入歌は、なんと、Doors(ドアーズ)の「The End(ジ・エンド)」、それにレッド・ツェッペリンの「天国への階段」も使われていました。もしかしたら、番組制作スタッフの中に60代半ば~70代半ばの往年のハードロックファンがいるのかしら?と思いました。懐かしかったです。

「The End」は映画「地獄の黙示録」で使われた音楽です。とても文字にできない放送禁止用語が使われているし、歌詞の内容も良い子には聞かせられない内容です。NHKがおおらかになったのか、英語だからパスしたのか。まあ、後者でしょう。
「地獄の黙示録」はベトナムのジャングルでしたが、「The End」は群馬県の山中の自然風景とも妙にマッチしていました。

NHKの「洞窟オジさん」は面白かったです。もしNHKのアーカイブで見られるなら、見てみてください。