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萩尾望都 (フラワー・フェスティバル)

(プチフラワー 1988年7月号~1989年7月号掲載)

カバー折り返し部分の説明文より
バレリーナ志望の高校生・五所みどりは、英国でバレエのピアノ教師をしている義兄・薫を慕っていた。ある日、彼女の踊りを見た薫の友人のバレエ教師ガブリエルは、みどりを英国に誘うが・・・?

ひと夏の英国でのバレエスクールを体験した少女の心の成長物語。
・・・とでも言えばよいのか・・・。
とにかく色んな男女が登場して、それぞれにペアになったり別れたり・・・
結婚、離婚、再婚、不倫・・・などなど・・・
非常にめまぐるしいぐらいだ。

この状態を主人公のみどりはラスト近くでこう表現している。

あたし
なんだか わかった 気がする
気持ちが 変わるのは
いままで 見えなかったものが
・・・・・・
見えてくるからだ

なるほど・・・そうなのかもしれない。

この作品で鳴海玉子という脇役が出てくるが彼女が非常にいいを出している。
主人公の特別仲のよい友人というわけではない。
一緒に英国に行った仲間の一人という位置づけであり、出番もさほど多くはない。
体はとてもふくよかで容姿は・・・。(ごめんなさい!)
しかし、そういうコンプレックスは皆無!それどころか自分自身の写真をみて「美しい」とつぶやくシーンもある。
性格は「わが道を行く」(協調性がないわけではない)
「常に前向き」「食べるの大好き!」「人に依存しない」など・・・
コマのすみにちょこっと出ていてちょこっとセリフがある程度で、
このストーリーに重要な役どころではないけれど、非常にインパクトのある愛すべき脇役なのだ。

いつも思うんだけどね、萩尾望都の作品にはよくふくよかな女性が登場するんですよね。そして彼女たちはたいてい良い人として描かれている
これって一体何を意味しているのかなあ?


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