LA留学生活 ~LL.M徒然草その1~

2021年8月、人生で初めてロサンゼルス、もとい米国に足を踏み入れた。

半年間のオンライン留学を終え、ようやく正真正銘の留学である。



私は、2021年1月からLAのロースクールに入学した。いわゆるLL.M、日本の法科大学院のようなもので、1年間(春学期と秋学期)外国の大学で現地の法律を学ぶプログラムだ。

本来であれば毎年秋学期(8月下旬頃)から始まり、翌年の春学期(5月下旬まで)に卒業するのが一般的だが、このコロナ禍で対面授業が延期になった結果、春学期からスタートするイレギュラーな学年が生まれた。それが私たちの学年だ。


なにはともあれ、初の渡米である。渡米期間は秋学期(8月~12月)のみなので、家族は帯同しなかった。

ロサンゼルス国際空港(LAX)に16時、一人旅だからと一番安い、韓国へ乗り継いでの計31時間の渡航だったが、ほぼ寝ていたし、座席は空いていたのであまり疲れてはいなかった。

渡米前に連絡しておいた現地の不動産屋さんが迎えに来てくれるというので待つこと1時間、車に乗せられ、決めておいたアパートへ。

アパートは、大学生の寮のような部屋だった。

壁や床、調度品はまだ小綺麗だが、滑り出し窓のレバーは回らないし、ブラインドも上手く動かない。洗面台は取ってつけたような小ささで、これでも四谷の3LDKのマンションより家賃が高いのだから、アメリカの不動産は恐ろしい。

アパートには、家主ではない管理人がいるらしく、気の良さそうなおじいちゃんが契約書を見せてくれた。指定されたところにサインし、契約完了である。

とここまでは順調だったが、直後に問題が生じた。



家賃の支払いである。

特に支払期限は明言されていなかったので、9月にでも払うのかな、と思いきや、入居時に8月分の家賃を支払え、とのこと。

それでもまだ、アメリカはキャッシュレス文化だし、クレカがあればなんとかなるだろ、と思っていたが、家賃の支払いにはcashかcheck(銀行小切手)が必要らしい。

なんじゃそりゃ、銀行口座なんて当然作ってないし、現金なんて数万円分(数百ドル)しか持ってきていないが。。。

困っていると、不動産屋さんが、「スーパーでcheckを作れる」というので、一緒に行って作ってもらうことになった。

スーパーの店員を捕まえて「money order(銀行小切手に類似)が欲しい」と要求、すると300ドルを超えるorderにはSSNが必要と言われた。

SSNはSocial Security Numberの略で、アメリカのマイナンバーのようなもの。留学生は原則現地で労働できないので、SSNは取得できない。ましてや入国当日、あろうはずもない。

結局、家主と交渉し、作成できる上限(300ドル)を払って、残りは銀行口座を作ってから払うということになった。


手持ち残金10ドルでの米国生活スタートである。

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