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はしごと別れる日が来る。【ひねくれ育児日記】

息子は消防車のことを「はしご」と言っていた。私がはしご車の写真を見て「これがはしごだよ」と言ったのを聞いて、「はしご」という言葉が気に入ったようだった。はしご車もポンプ車も「はしご」。ちなみに救急車は「ピーポーピーポー」。
しかし先日、消防車の写真を指しながら「しょうぼう…しゅ」と言っている。はじめは何のことかわからなかった。しかし途中で気づいて「そうそう、しょうぼうしゃ」と声をかけた。するとそこから「しょうぼうしゃ」と言い始めた。「はしご」と言うのは今や2割以下の確率だ。
息子が「しょうぼうしゃ」を覚えたのはおそらく、図書館で借りてきたこの絵本の影響が大きい。

「し」のページで「しょうぼうしゃ」と言い続けていた。思えば今まで読んでいた絵本には、ポンプしゃ・はしごしゃ・こうほうしえんしゃなど細かく分けて載っていたので、「しょうぼうしゃ」と一括りに呼ぶことは少なかった気がする。

息子が消防車のことを「はしご」と言わなくなる日がもうすぐ来る。そんな事態に直面して初めて「なんてかわいかったんだあの言い方は」と、気付いた。もう、「はしご」の日々には戻れない。

数日すると、救急車のことも時々「きゅうきゅうしゃ」と言うようになった。この絵本の「き」のページは「きゅうきゅうしゃ」なのだ。もう「ピーポーピーポー」とも言わなくなってしまうのか。
息子の成長が感じられるのが嬉しいけれど、急すぎて心がついていかない。本当に勝手だけれど、できればもう少し、そのかわいさを堪能したい。

私が望みをつないでいるのが新幹線だ。息子は今「しーしーかー」と呼ぶ。これもそのうち「しんかんせん」になるのか。「ん」のページが「しんかんせん」なのだ。でも今はまだ、その言葉は口から出ない。

「しーしーかー」にさよならしても、これからもっとかわいい言葉遣いに出会えるのだろうか。それがわからないから、淋しくなってしまう。未来の私は、どう思っているのだろう。

小走りするようになった。
ご飯を食べていて満足したら「おしまい」と言うようになった。こちらが「ごちそうさまでした」と言うと、「した」と時々言う。

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