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「誤解」との戦い~JAPAN JAM 2021、VIVA LA ROCK 2021終盤へ

2年ぶりに

「JAPAN JAM 2021、開催します」「VIVA LA ROCK 2021やります」

ようやく、ようやくこの日が来た。数多くのフェスが中止を余儀なくされた2020年、「ようやく」がいくつ付いても足りないほどの期間、多くの音楽ファンが待ち望んだ首都圏での大型フェスが帰ってきた。それも「有観客」で。

チケットは各日1万枚と例年に比べれば大幅に少ないが、それでも覚悟を決めて2つのフェスは開催を決めた。

しかし、開催直前に東京都に緊急事態宣言が発令。東京都ではライブが原則無観客開催となった一方、フェスの開催地である千葉県と埼玉県は「まん延防止等重点措置」の指定にとどまった。こちらは有観客開催が可能であったが、緊急事態宣言発令地域と隣接しているため、多くの批判もあった。それでも2つのフェスは最後まで開催を決めた。


「無観客」で果たして文化は守られるのか

当然ながら、無観客開催という選択肢も現在のコロナ禍のライブではあり得る。ただ緊急事態宣言が発令されてから、開催まで2週間も無い。もはや配信のプラットフォームを今から整えることも凄まじく困難だ。

さらに無観客開催となると、有観客開催を予定していたチケットは払い戻しになる。その分コストもかかる。フェスの会場内で飲食する機会もあるが、その利益も無観客では0になる。交通機関の利益もフェス参加者の分は0になる。

これが今の状況で正解か不正解かは「人による」と思う。ただフェスは通常のライブと違い延期が基本的に不可能な上、関わる分野がライブ、音楽関係の枠を超えてくる。2、3日前に出店する飲食店がいきなり中止をアナウンスされると、準備した分は無駄になってしまうかもしれない。

現状、ライブもスポーツイベントも安全な形で行われている。2回目の緊急事態宣言の際にもアリーナレベルの有観客ライブを行っているバンドもある。そして成功に終わっている。賛否はあるだろう、ただそういった「補償するにも範囲が広すぎる」という事実も知ってほしい。

また無観客ライブ、配信ライブはどうしても有観客ライブとは性質が変わる。おそらくこの形が続いてしまうと「ライブそのものから離れる」こともありうる。それほど「無観客」と「有観客」の差は大きいものだ。


「駅の密集」「路上飲み」「飲酒」をどう防ぐか

今回、一部都府県に緊急事態宣言が出された状況である。その中でイベントの原則無観客開催ということは先ほど述べたが、自分としては「ライブそのものではなく、あくまで会場外が問題」という考え方をしてきた。

「路上飲み」という言葉も騒がれている。もはやモラルでいえばコロナ以前の問題だろうが、酒は飲み方次第で理性を失う。声が大きくなりがちで飛沫も飛びやすい。そういう人たちがいるから外での酒がダメになってしまう。酒に罪はない。

また駅など会場外での密集も問題だろう。せっかく会場内で密を防げていても、会場外で密になってしまっては全く意味が無くなる。そこを避けることがまだ出来ていないことも原則無観客開催の要因にあると考えている。

今回、2つのフェスはこの部分の未然防止をうるさいほど呼びかけて徹底した。現状、一部路上飲みは目撃されたようだが大きなトラブルには至っていない。今後、ライブであれスポーツイベントであれフェスであれ、今回のような形がより広まればと願っている。


報道への怒り

そして今回、ご存知のようにとあるワイドショーが悪意のある切り取り方をした報道を行った。しかも同じくコロナ禍でフェスを主催しようとしていた(中止になったが)テレビ局が、だ。本来なら支え合わなきゃいけない立場なのにふざけんじゃねえよ、妬みかよ、愛をもってフェスやってんのかよと心の底から頭に来た。そう思われても仕方ないだろう。

まだ開催の賛否なら分かる。ただ「フェス=悪」という印象を勝手に世間に流されることは本当に黙っていられなかった。

当然ながら主催者側も激怒というレベルだった。そりゃそうだろう、大大大多数の参加者がルールもマナーも守っているフェスを、たった数人のそれで全て悪にされるのだから。

僕はコロナ禍でスポーツイベントも参加している。そちらも対策はきちんとされているが、今回のJAPAN JAM、コロナ前のライブやスポーツイベントも含めてぶっちぎりで最高クラスのモラルの高さを誇っていると言い切れる。それぐらいルールもマナーも違反する人を見ない。もはや(いい意味で)怖さを感じるほどだ。

やはりあの報道があってから、世間に対するフェスの印象は「最悪」と言っても過言ではない。多数が問題行動をしていたら言われても仕方ないが、そうでないから腹が立っている。JAPAN JAMに限らずVIVA LA ROCKに参加している方も含め、どうか「おれたちは、私たちはこれだけルールを守っているよ」ということを発信してほしい。誤解を解かないと先に進めないと思います。


まとめ

この他にも色々話したいことはある。ただあまりにも長くなってもくどいのでこの辺で。

とにかく僕から伝えたいことは「行政のルールも、国のガイドラインも守っている、むしろ上乗せしている、コロナ禍のイベントでぶっちぎりで大半の参加者も守っている」ということ。これでクラスターが起きるなら、間違いなく満員電車や駅でも起きます。「思う」ではなく「間違いなく」です。実際会場に行けば分かります。

簡単に世間の反応は変えられないと思います。ただこのような発信を続け、「見返す」「国や行政に文句を言う」のではなく「お互いが納得する形で前向きに進んでいく」ことを心から願います。

ついに2つのフェスは明日最終日を迎えます。2週間後も出来れば「コロナにならなかったよ」「周りで感染した人もいないよ(すなわち移していない)」ということもアピールしていくとより伝わるのかもしれない。

正直、めちゃくちゃ今悔しい気持ちです。だからこそ、この逆境を乗り越えた先に「フェス」にとどまらない光が見えると思っています。必ず成功させましょう。




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