ところてんさんの Slideshare を見たメモ

Slideshare で良質なプレゼンコンテンツに出会えた時の喜びは大きいですが、久々に物凄いコンテンツに出会いました。

ユルユルなタイトルと中身の濃さのコントラストがすごいです。

個人的に印象に残ったキーワードをまとめておきます。なぜか「余談」と書かれているスライドのほうが印象に残っています。

※ 今後の組織運営に活かすための、個人的なまとめ
・言語能力 (≠コミュニケーション能力) の高い人を採用する
・バックオフィスに全体最適を考えられる優秀な人材を配置する
・中途半端に配置転換せず、専門家を育てる
・部門の分割や子会社化は問題を本質的に解決する目的が設定できない限り行わない
・失敗を許容する評価制度を設定する、Error Budget 的な発想
・グレードを簡単に上げて簡単に下げられる人事制度が良い

分業体制は最初は上手くいくが少しずつ壊れていく

・最初は分業の理由が分かっていて、お互いをカバーするように動く
・分業=問題を分割したことによって部門と個人の評価基準がわかりやすい数字に置き換えられる
・与えられた評価基準のためだけに働き始め、隣の部門のことは何も知らず、落ちたボールは拾わなくなる

システム開発・運用者の評価の好事例「Error Budget」

・システム障害予算とでも言いましょうか
・システムがダウンすると Budget が削られ、尽きるとデプロイできなくなるため、Budget が尽きそうになったら自然とデプロイ間隔を短くしてコードレビューやテストを厚くする
・開発側と運用側が共通の評価指標として Error Budget を持ち、協力する
・Budget が尽きない限り、失敗を許容できる
・Budget を設定することで、信頼性を上げすぎて、過剰コストになることを防止できる

日本企業の社内にIT人材が育たない理由

・日本企業は総合職の配置転換によってアジリティを確保してきた
・ところがIT人材は配置転換先がないので雇いづらい
・だから社外に発注しSIer依存
・丸投げで、要件定義、発注、ベンダーコントロールができなくなり、日本的DX問題に発展
・優秀な人材をプロフィットセンターに、そうでない人材をコストセンターに配置した結果、IT管理部門が人材の吹き溜まりになり、何も考えずに安全側に倒しまくってイノベーションできない

追い出し部屋はなぜできるのか

・日本の給与制度と労働法の判例が合わさった結果の闇
・解雇・不当な減給は禁止だが、配置転換はOKなので、配置転換をして自主的に進退を考えることを促すのはOK
・職能レベル (グレード) は、計測の難しい「潜在能力」を評価してしまっているので、上げてしまうと下げることが難しい
・職能レベル (グレード) と役職 (ポジション) は連動しないので、グレードと給与が高くてポジションのない人が生まれる

子会社化がDXの足かせになる

・労働者は「同一職能・同一賃金」を望み、経営者は「同一労働・同一賃金」を望む
・これを両立させるために、事業・職種ごとに分社化する → 給与が調整でき、ポストも用意できる
・DXは業務をデジタルによって垂直統合するもの
・なのに、部署間の壁より遥かに高い「会社間の壁」にぶち当たる

コミュ力と言語能力は違う

・目の前の不確かな事象を理解できる言語能力の高さが重要、そういう人を採用すべき
・人と対立しても感情ではなくロジックで解釈できる
・コミュ力で相手に共感することと、論理的に情報をやりとりすることは違う
・これを間違えると、言葉狩り、ポリコレ、コンプラ地獄に陥る