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1月16日 生配信 Make Noise Morphagene 【Flute with Modular】

Make Noise Morphagene 

既存のサウンドをReel,Splice,Geneという概念で再構築する次世代のテープ/マイクロサウンドミュージック・モジュール

⬆︎こちらのリンクで1月16日 20:00より配信します
(2023年より時間が20:00スタートとなります)
是非リアルタイムのチャットでご参加ください。

Make Noise メーカーの特徴

Morphageneは私が最初にモジュラーの感覚を掴む事ができたモジュールです。今までMMMでは、同じくMake Noiseの、Maths, Memeophonをご紹介してきましたが、3つ目のMake Noise社の製品です。モジュラーの面白いと思う所の一つは、メーカーによってスタイルが全く異なり、各メーカーの思想に触れられる所。各所クリエイションの出発点が非常に興味深く、そこからモジュレーションしていく事で、唯一無二なサウンドを生み出す事が出来ます。

Make Noise はノースカロライナ州のアッシュビルにあるユーロラック・モジュラーシンセメーカーで、トニー・ローランドによって設立されました。トニーは幼少の頃よりエレクトリック・ギターやエフェクターに親しみ、独自のサウンドを追求するようになります。エンジニアリングを学び数々の自作の電子楽器を作り上げた彼は Make Noise を設立。Serge や Buchla といたアメリカ西海岸スタイルのシンセサイザーに影響を受けつつも、既存の枠に捕われないユニークなアイデアと、独特のセンスを持ったデザインのユーロラック・モジュールを数多く開発し人気を集めます。その人気は瞬く間に世界中へ広がり、小さな企業は今やユーロラック業界に大きな影響力を持つメーカーへと成長しました。

Make Noise 輸入代理店 福産起業のサイトより

制作者との距離

私は海外から個人輸入したので、分からない事があった時、直接メーカーに問い合わせしました。Make Noiseに限らず、モジュラーや電子楽器全般に言える事ですが、大体メーカーに直接問い合わせると、猛烈なスピードでトラブルシューティングして、問題が速攻で解決するだけでなく、次につながるアイディアだったり、新しい視点を頂ける事が多いです。これは今までいたアコースティックの世界と感覚が違う所で、すごく新鮮。しかも、制作者と直接やりとりできると、楽器と向き合う時の感覚が変わってきます。より身近に感じるし、元々モジュラーは生命体のようなエレメントがありますが、さらに楽器とのコミュニケーションが深まる気がします。

問い合わせした際、"フルートとモジュラーを合わせていて、他にやっている人がいないから、どこに限界があるのかが分からないけれど、面白い” という事をお伝えしたら、ビデオも見てくださって、"Keep the good work going!"という励ましも頂きました。こういう事って音楽に取り組む上で、本当に大切なんです。”どこに限界があるか分からない”というのは、面白いですが、怖い事でもあります。そこでまさに制作者からの応援というのが、どれほどありがたい事か!

ミュージック・コンクレート

さて、そんなMake Noise のMorphageneでどんな事ができるのか、という事ですが、ミュージックコンクレートの発想が原点にあって、

ミュージック・コンクレートとは、
1940年代の後半にフランスでピエール・シェフェールによって作られた現代音楽のひとつのジャンルであり、音響・録音技術を使った電子音楽の一種。具体音楽とも訳される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ミュジーク・コンクレート

Morphageneの説明書にはこう書かれています。

ミュージックコンクレートとコンピューターによって録音物を1/10秒以下に細かく分割し、粒子を扱うようにサウンドを再編するマイクロサウンドで本機は構成されています。

音のサンプルを細かく分割し、それを再編する事で無限の展開を生み出します。分割する音のデータをリアルタイムで採取する事。再現性のないものをリアルタイムで生み出す工程が、私が今までアコースティックの即興で取り組んできた方向性と親和性があって、それも最初に感覚が掴めた要因でした。

初心者にとっての扱いやすさ

Make Noiseの製品は、直観的に触って変化が生み出せる所が扱いやすく、初心者にありがたい仕様。逆に今まで何度か紹介しているMuteble Instrumentsはパネルだけ見ても何の事だかさっぱり分からず、適当にツマミを捻っても変化がなかったりするのですが、仕組みを理解してから使うとその可能性の深さに圧倒されます。Make Noiseも最初にパッと変化を生み出せても、その後使いこなすには試行錯誤が必要なので、どちらにしろ同じ事ですが、最初の一台として今回紹介するMorphageneがなければ、私のモジュラーライフは挫折したと思うので、本当にありがたいです。

時間の最小単位

音のサンプルを細かく分割する事は、プランク時間(時間の定義)にもつながってきます。量子論の父、マックス・プランクが提唱した時間の最小単位は10の-44乗秒。私たちは10の-44乗秒毎に変化していると思うと、カットアップされた音を扱う事がどれだけすごい事なのか、想像しただけで宇宙が拡張します。

もちろん、実際その単位では知覚できないですし、Morphageneが可能にしてくれる1/10秒でも十分すぎる単位。これをどう扱うかは音楽家次第。このような冒険を可能にしてくれた、Make Noiseのトニー・ローランド氏、そしてミュージック・コンクレートのピエール・シェフールに敬意を表し、新しい道を開拓して参ります。是非配信を楽しみにしていてください。

こちらは、問い合わせの際にMake Noiseに送って、励ましのお言葉をいただいたビデオ↓ この時より進化しています🔥

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