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夏至の日の思い出 〜パリの出会い

15年近く前、フランスツアー時に、オフ日にRadio Franceにコンサートを聴きに行きました。当時、即興のアプローチをはじめたばかりで、楽器に場の音を覚えさせたくて、演奏する予定がない時も常にフルートを持ち歩いていたんです。クラシックの師匠に頂いた、スタイリッシュな革のケースをぶら下げてコンサート会場に並んでいたら、後ろにいた人が声をかけてきました。

“そのバックは何?”

フルートである事、日本からこのコンサートを見にきた事を伝えると、大変喜んで、今日は”White Nightだって知っている?”と。

全然知らずに出かけていたのですが、なんとその日は、パリ中の美術館が深夜0:00まで無料で開放されている日との事。よかったら、コンサートの後、みんなで美術館巡りをしよう、と誘ってくださいました。

願ってもいない展開、その後、その方の友人も合流して、美術館に行ったり、エッフェル塔広場を案内してもらったり、思いがけない深夜のパリ観光という贅沢な時間を過ごしました。

嬉しいサプライズはここで終わらなくて、その時知り合った皆様と友人になり、再びパリを訪れた時は家に泊めて頂いたり、日本にきた時に私のコンサートを見に来てくださったり、と関係が続いています。

そして、先日、一番最初にRadio Franeで声をかけてくださった方が、日本にいらっしゃるという事で、15近くぶりぐらにお会いする事が出来ました。

その方は根っからの音楽・芸術ファンで、日本のDisk Unionを紹介したら、喜んでジャズのCDをたくさん入手していかれたという筋金入り。

そして、写真のCDがお土産で頂いたもの。私達が出会ったコンサートのメインアクト、Henri Texierの最新作。

月日が流れて、路上のふとしたきっかけで出会った方と地球の全然違う所で再会できる事、しかも、お互いの本質は変わらず、脈々と音楽が流れ続けている事。

今年は、再び出会えた事で、何か一つのサイクルが完結して、次のステージに迎える予感がします。

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